Embaixada do Japão

トピックス 2013年10月号

リオデジャネイロ州・ヘゼンジ市での日本文化紹介

9月28日・29日の2日間、在リオデジャネイロ総領事館はヘゼンジ市で行われた市創立記念エキスポに参加し、日本文化の紹介を行いました。同エキスポは、ヘゼンジ市が誕生した9月29日にあわせて毎年開催され、全国的に有名なアーティストのコンサートが6日間にわたって行われる他、酪農業が盛んな土地柄だけに家畜や乳製品の展示や競売も行われます。リオデジャネイロ州南部で開催される最大のイベントとして、46回目を迎えた今回は40万人の人出でにぎわいました。

mapa Resende, RJ ヘゼンジ市は、リオデジャネイロ市から西に170キロ離れた人口約12万人の街で、古くからリオデジャネイロ市とサンパウロ市とを結ぶ交通の要所として栄えてきました。1801年の市創立当時はリオ州のコーヒー産業を支える農業地帯として知られていましたが、近年では2300万平米の工業地区設置以降、工業生産が著しく成長し、州内でも92の市のうち12番目にGDPの高い市となっています。2011年には日産自動車が工場の設置を決定したところ、日本人駐在員の数が急激に増加し、現在では、日本人は約100人の長期滞在者に加え、約60人の短期滞在者がいる状況です。

日本企業の進出に伴う市内経済の活性化を歓迎し、ヘゼンジ市役所側から2013年の市創立記念エキスポにおける日本文化紹介の提案があったのを受けて、当館では日本映画の上映に加えて、主にリオデジャネイロ市で活躍する盆踊りグループ、和太鼓グループ及びコスプレサークルのショー、サンパウロ市を拠点に全伯で活動する邦楽トリオ「神楽坂」のコンサートを行いました。リオデジャネイロ州はブラジル全国でみると日系人の少ない地域ですが、州都からも離れたヘゼンジ市では、日系の方を見かける機会はほとんどありません。最初に発表をした盆踊りグループ「絆」の音楽が流れてきただけでも「珍しい」と多くの人が集まり出し、客席の中には振り付けを覚えて踊る子ども達もいました。続いて行われた和太鼓のショーには、その迫力に更にたくさんの人が会場につめかけ、次にアニメのキャラクターの服装を忠実に再現したコスプレーヤーが壇上に上がると、子どもだけでなく、大人も一緒に写真撮影をする一幕が見られました。最後を飾った邦楽トリオ「神楽坂」は、尺八・和琴・三味線のアンサンブルで、大人の客層の耳を楽しませていました。

ブラジルでは、寿司や刺身、やきそばといった「日本食」はすでに広く知られているにもかかわらず、ヘゼンジ市においては、日産の進出までは日本食レストランすらありませんでしたし、市創立記念エキスポでも、これまで外国文化イベントは実施されたことがありませんでした。このような中、在リオデジャネイロ総領事館が日本文化紹介事業を実施したことにより、これまで日本文化に接する機会のなかった市民が日本文化の魅力をかいま見ることとなりました。日本文化に初めて触れるヘゼンジ市民にとっては、非日系ブラジル人の出演者が盆踊りや太鼓を楽しむ姿は非常に新鮮に映ったようです。ヘゼンジ市民の方々が日本を身近に感じることのできた今回のイベントをきっかけに、同市と日本の関係の更なる発展が期待されます。

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外交

1.ルセーフ大統領の国連総会一般討論演説

24日,ルセーフ大統領は,国連総会において,冒頭の一般討論演説を行った。以下概要。

  • (1)通信傍受活動に関する最近の事実は,世界中で反発と拒絶をもたらした。プライバシーの権利なくしては,確かな民主主義はなく,主権に対する敬意は,国家関係に基礎。伯は,インターネット等の管理について,表現の自由,文化的多様性等5つの原則の確保を可能にする多国間メカニズムの導入を提案。今こそ,サイバー空間が,戦争や破壊活動等に利用されないような状況を創設する好機。国連は,指導的な役割を果たすべき。我々は,米国政府に対し抗議を伝え,説明及び謝罪と再発防止の保証するよう要求。
  • (2)ポスト2015年開発アジェンダが国連総会のテーマとして選択されたのは絶好の好機。ブラジルは,社会包摂を経済モデルに適用し,ブラジル・プランにより2年で極貧層の撲滅を実現。また,乳幼児死亡率の劇的な低下も実現。さらに特筆すべきは,リオ+20の成功。右会議において,持続可能な開発アジェンダの中心として貧困を取り上げた。環境保全は貧困の克服無しには果たせない。
  • (3)6月に生じた大規模デモは,民主主義の確立プロセスと不可分。伯政府は右デモにあたり活動を抑圧するのではなく,国民の声を傾聴。民主主義は常にさらなる民主主義への欲求を生じさせる。その実行のため,政治改革,都市交通,教育,医療,財政責任の徹底に係る5つの大社会協約を発表。
  • (4)国際経済は依然脆弱な状況にあり,先進国と発展途上国とを問わず国民に影響を与えている。いまこそ,回復の兆しを見せる世界経済の成長を強化するとき。新興国は単独では成長の回復を保障し得ず,諸国間の協調ある行動が必要。ブラジルの経済成長は回復しつつあり,堅固なマクロ経済政策の徹底,結果の出せる社会包摂政策の維持及び生産性と競争力向上のための方策の採用を重視。また,IMFの改革支援を継続。
  • (5)2015年は国連70周年であり,また安保理改革が議論された2005年国連首脳会合の10周年であり,改革を果たす好機。今日の国際社会で自身の責任を完全に果たせる国連安保理なしに同年を迎えることは避けるべき。ブラジルは,国連安保理の制約された代表性を危惧。重要な議題での常任理事国の分裂は危険な停滞を生起。
  • (6)シリアの危機は,今世紀最大の人道的惨事となった。軍事的解決は存在せず,唯一の解決法は交渉,対話及び理解。シリア保有の化学兵器廃棄に向け,米露間の合意を支持。また,国連安保理の承認を得ない一方的介入に反対。
    イスラエルとパレスチナの平和構築も喫緊の課題。パレスチナを独立した国家として承認し,二国間解決のための幅広い国際合意を実現する時期。
  • (7)多国間主義
    20世紀の歴史は,多国間主義の放棄が戦争をもたらすこと及び多国間主義の促進が,倫理,政治及び制度の面で成果をもたらすことを示している。多国間枠組みを支持する政治的意思の広範且つ厳格な結束を再度呼びかけるともに,我々には,この高邁な希望を絶やさないための責任がある。
2.伯米外相会談
  • (1)27日,フィゲイレド外相は,ニューヨーク市内のホテルでケリー米国務長官と外相会談を行った。今回の会談は米国側の希望により実現したもので,NSAによるルセーフ大統領及びペトロブラス社の通信傍受が暴露され,10月に予定されていた同大統領の訪米がキャンセルされてから初の伯米外相会談となった。
  • (2)米国の外交筋によれば,今回の会談では,通信傍受,二国間関係(経済,エネルギー及び人種差別撲滅)及びシリア情勢に関して意見交換が行われた。
  • (3)会談に同席したジャコブソン米国西半球担当国務次官補は,「今回の会談は,非常に実りあるものとなり,伯とのアジェンダが勢いを失っておらず,我々が(米伯)関係の本質的な部分について進展を望んでいることが示された。困難を抱える関係にとっては,幸先の良いスタートとなった。」と述べ,また,通信傍受問題についても,「オバマ大統領は,通信傍受に関する暴露により生じた状況を遺憾としている。また同大統領は,米国が産業スパイを行っていないことを明言している。」旨コメントした。
  • (4)なお,オバマ大統領からは,伯側より要求されていた,通信傍受に対する謝罪が行われることはなく,また,本会談について伯側のコメントは一切ない。

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内政

1.メンサロン裁判
  • (1)2005年のルーラ政権下で明るみとなったメンサロン事件に係る裁判は,与党労働者党(PT)幹部や連邦議員等38名を被告としてブラジル連邦最高裁判所(STF)において,客年8月1日から12月17日にかけ4ヶ月半にわたり審理が行われた。被告のうち,有罪判決を受けた25名全員が,判決を不服としてSTFに対する控訴を行い,8月14日から控訴内容についての審理が開始されていたが,今般,控訴のうち判決再考願いについて,STFでの再審が決定され,被告の減刑の可能性が浮上した。
  • (2)今般の審理の対象となったのは,不明点解明願い(Embargos de Declaracao)及び判決再考願い(Embargos Infringentes)で,特に,11日から開始された判決再考願いについては,右を定める連邦最高裁判所内規第333条が現在も有効か否かについて議論が行われ,賛成6,反対5で,内規第333条は未だ有効との判断が下された。これにより,ジルセウ元文官長(PT),ジェノイーノ元PT党首及びクーニャ元下院議長(PT)等を含む被告12名に新たな控訴が認められた。
  • (3)今後,上記1.にかかる判決要旨が11月5日までに官報に掲載される。12名の被告は,判決が官報に掲載された日から30日以内に控訴状を提出することができ,報告判事は,まず,弁護側に対し,15日以内に意見陳述を行うよう求め,弁護側の意見陳述から15日以内に検察の意見陳述を求める。その後,意見書を作成するが,そのための期限は設けられていない。意見書の提出後,連邦最高裁判所大法廷において評決が行われる。
2.2014年大統領選挙に関する世論調査
  • (1)IBOPE社が9月12日から16日にかけて全国140市の有権者2002人を対象に実施した大統領選に関する世論調査によれば,仮に本日大統領選が行われるとすれば,誰に投票するかとの質問に対し,本年3月以降,各候補の得票率は以下のように推移している。

ア シナリオ1

 

3月

7月

9月

ルセーフ大統領(PT)

58%

30% 

38%  

シルヴァ元環境相(Rede)

12%

22%

16%  

ネーヴェス上院議員(PSDB)

9%

13%

11%  

カンポス・ペルナンブコ州知事(PSB)

3%

5%

4%

白票及び無効票        

9%

18%

15%

分からない

9%

12%

16%  

イ シナリオ2(今回の調査から新たに追加)     

ルセーフ大統領(PT)

37%

マリナ・シルヴァ元環境相(Rede)

16% 

セーラ元サンパウロ州知事(PSDB)

12%   

カンポス・ペルナンブコ州知事(PSB)

4%

白票及び無効票      

14%

 分からない

16%

  • (2)今回調査のポイントは,ルセーフ大統領の得票率が前回比8ポイント上昇し,2位のシルヴァ元環境相との差が前回の8ポイントから22ポイントに広がったことである。ただし,ルセーフ大統領の得票率も,本年6月の大規模デモの発生を受けて支持率が急落した前回に比べて支持率がやや持ち直したとはいえ,大規模デモ前の水準(58%)には戻っていない。
3.グシケン元大統領府広報長官の死去
  • (1)13日,グシケン元大統領府広報庁長官は,12年間にわたるがんとの闘病の末,多臓器不全のため,サンパウロ市内のシリオ・リバネス病院にて死去した。
  • (2)グシケン元長官は,1950年,サンパウロ州オズワルドクルス市に日本人(沖縄出身)一家の長男として生まれた。1982年の労働者党(PT)及び翌年の中央統一労組(CUT)設立の立役者の一人であり,1988年にはPTの全国党首,2003年にはルーラ政権にて大統領府社会広報庁長官を務め,ルーラ前大統領からは「シナ(中国)」と呼ばれ親しまれていた。
  • (3)なお,2005年のメンサロン事件において公金横領で起訴されていたが,証拠不十分で無罪判決が出ていた。

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