林大使着任挨拶メッセージ

令和4年5月31日

 初めまして。2021年12月3日に着任しました駐ブラジル日本国大使の林禎二です。前職は外務省の中南米局長を務め、ブラジルを含む中南米諸国との外交に携わっていました。ブラジルでの勤務は初めてですが、仕事ではこれまで何度もブラジルを訪問し、友人も多くいます。今回こうして大使として、ブラジルで勤務できることを大変光栄に、そして嬉しく思っています。
 
 日本とブラジルの間には、人の絆、経済、文化、これまでの協働から培われた信頼で結ばれた、強固な友好関係が存在しています。そして日本はブラジルを、自由、民主主義、人権の尊重、法の支配といった基本的価値を共有する戦略的グローバル・パートナーとして、重視しています。
 
 私が中南米局長であったこの1年余りの間も、両国の関係は着実に進展してきました。例えば、今年1月の茂木外務大臣(当時)のブラジル訪問、昨年12月の防衛協力の覚書の締結、また、二国間の協力のみならず、気候変動に関する日伯非公式会合の開催、日米伯協議の立ち上げ等、国際場裏でもブラジルと緊密に連携してきています。今度は駐ブラジル大使として、こうした関係を一層発展させていきたいと考えています。
 
 ブラジルでの約200万人の世界最大の日系社会、及び約21万人の在日ブラジル人コミュニティという特別な人的絆は、両国の友好関係の重要な礎です。両国の友好の架け橋として、日本の文化・価値の普及を通じ、両国関係の強化に寄与されてきた日系社会の皆様に敬意を表します。駐ブラジル大使として、ブラジルの日系社会の一層の発展のため、日系社会の各種活動に対して最大限の協力を行ってまいります。
 
 在外公館の最も重要な役割の一つは、在留邦人の皆様の安全・安心・健康の確保です。現在私たちがコロナ禍の困難に直面する中で、この役割は一層重要であると認識しています。また、日系企業の支援、ビジネス環境の改善にも力を入れていきます。
 以前から私は「大使館の敷居をゼロにする」ことをモットーとしてきました。大使館として、ブラジル各地の総領事館・領事事務所とも連携しつつ、これらの大切な役割を果たしてまいります。お役に立てること、ご相談等ありましたら、何なりと大使館・総領事館・領事事務所にご連絡下さい。
 
 2022年は、ブラジルの独立200周年であり、また、大統領選挙も行われる、ブラジルにとって重要な節目の年となります。こうした重要な機会も踏まえながら、日ブラジル関係の一層の強化に向けて、ブラジルの皆様との協力、交流を一層推進していきたいと思っています。ご支援、ご協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。

     駐ブラジル日本国特命全権大使
     林 禎二