Embaixada do Japão

トピックス 2013年08月号

フリースタイル・フットボール・レクチャー・デモンストレーション・ワークショップ in サンパウロ日本祭り

在サンパウロ総領事館は,7月19日~21日,3日間で18万人を集めた世界最大規模のサンパウロの「日本祭り」内の総領事館ブースにおいて,フリースタイル・フットボールの2012年世界チャンピオン,徳田耕太郎氏及び同2011年ブラジル・チャンピオンである日系人選手,エドゥワルド・ケイ氏によるフリースタイル・フットボールのレクデモ及びワークショップを開催しました。また,メインステージにおいても,両人によるデモンストレーションを3回実施しました。

メインステージでデモンストレーションを行う徳田耕太郎氏
メインステージでデモンストレーションを行う徳田耕太郎氏

ワールドカップを来年に控え,ブラジルにおいて,サッカーへの関心が最も高まっている中で,総領事館は,フリースタイル・フットボールの日本人世界チャンピオン及び日系人ブラジル国内チャンピオンを本件事業に招待し,両人の技術をブラジル人に披露することで,日本(系)人の足技の器用さ,技術習得への努力,身体能力の高さを紹介し,クールな日本人像をアピールしました。

また,総領事館ブースでは,2020年東京オリンピック招致プロモーション映像を放映し,同招致に向けての伯世論形成を図りました。

今回の事業は,各回のレクデモ・ワークショップで,超満員となる観客を集めた他,グローボTV局の昼の人気ニュース番組SPTV等当地メディアでも大きく報じられるなど,好評を博しました。

総領事館ブースでデモンストレーションを行うエドゥワルド・ケイ氏
総領事館ブースでデモンストレーションを行うエドゥワルド・ケイ氏

グローボTVの取材を受ける福嶌総領事,徳田耕太郎氏,エドゥワルド・ケイ氏(左から)
グローボTVの取材を受ける福嶌総領事,徳田耕太郎氏,エドゥワルド・ケイ氏(左から)

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外交

1.米国による通信傍受
  • (1)米国のスノーデン元CIA職員からの情報を元に,当国メディアは,伯が中国,ロシア,イラン及びパキスタンと並ぶ米国による主な監視対象となっており,米国の国家安全保障局(NSA)は伯において本年1月だけで23億件に及ぶ通信傍受を行っていたと報道。また,2002年まで伯がNSA及びCIAの活動拠点となっていたとも報じている。
  • (2)上記の報道を伯政府は重く受け止め,ルセーフ大統領は「通信傍受により伯の主権が侵害されたことは明らかであり,受け入れられない。伯政府は米国政府に説明を求めており,本件をITU及び国連人権理事会に持ち込みたい。」と発言。19日,バイデン米国副大統領は,ルセーフ大統領との電話会談において,ブラジル国内での通信傍受について遺憾の意を表明し,より詳しい説明を行うため,ブラジル側代表団を受け入れる用意がある旨伝えた。また,パトリオッタ外務大臣によれば,ブラジル政府はまず専門家との会合を持ち,次に,政治・外交的な対話を通じてその結果の評価を行うことを望んでいると述べた。なお,専門家チーム派遣の具体的日程は未定。
2.ローマ法王の訪伯
  • (1)今回の訪問は,世界最大のカトリック信者(1.26億人)を擁する伯において,カトリック教会の祭典である「世界青年の日」が開催される機会を捉え,法王自らが訪問することにより,伯におけるカトリック信者の減少に歯止めをかける目的があったとみられる。その背景には,近年,伯においては,キリスト教プロテスタント(福音派)に信者を取られ,カトリック信者数が減少傾向にある(カトリック信者が人口に占める割合は,1994年の75%から現在は57%)との事情がある。また,本年3月に就任したフランシスコ法王の初の外遊先における言動は,バチカンの今後の方向性を示すものとして注目された。
  • (2)到着日の22日に行われた歓迎式典においては,ルセーフ大統領が「伯政府は,グローバル化及び金融危機による格差拡大,貧困問題,人権問題等に関し,カトリック教会と同じ価値観を有しており,バチカンとの新たな対話に応じる用意がある」と述べたが,法王は,世界青年の日の意義及び伯側の歓迎に対する謝意を述べただけで,政治的な発言は避けた。なお,同大統領と法王は,歓迎式典後の個別会談で,アフリカの貧困解決に向けた国際的キャンペーンの展開について話し合った。その際,ルセーフ大統領は,「伯には貧困対策に関するノウハウがあり,また,家族農業の分野における協力を通じてアフリカを支援できる。」と述べた。
  • (3)25日,法王はリオ市内のスラムを訪問した際,汚職,教育,医療等,最近の伯における大規模抗議デモの問題について触れ,若者に対し,「汚職に関するニュースに触れても希望を失うことなく,率先して善行を行えば,世の中を変えることができる。」と呼びかけた。また,貧困問題に関しては,「社会格差が是正されない限り,恒久的な平和が実現することはない。為政者と富裕層は,格差是正のために貢献すべきである。」と述べた。
  • (4)28日,法王はコパカバーナ海岸で300万人以上の参加者を前にミサを執り行った。このミサには,伯,亜及びボリビアの大統領も参列した。また,同法王は,中南米の司教との会合において,カトリック教会内におけるマルクス主義的な急進派と,復古主義を信奉する保守派によるイデオロギー対立を批判するとともに,現代社会との対話を通じて,教会上層部の意識改革を促すことを主張した。また,同法王は,伯におけるカトリック信者の減少に関し,教会の方から積極的に民衆との距離を縮め,身近な存在となるよう呼びかけた。同法王は28日夜,帰国の途についた。

    (写真:Roberto Stuckert Filho/PR)

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内政

1.大規模デモ
  • (1)中央労働組織(CUT)をはじめとする複数の主要労組は,11日を「全国闘争の日」として、デモが実施し、全国で計10.5万人が参加した。サンパウロで7千人,リオデジャネイロで1万人,ブラジリアでは千人が参加し,大部分は平和なデモに終わったが,リオでは一部のデモ参加者と警察官との間に衝突が生じる結果となった。
  • (2)6月に若者を中心にSNSを通じて全国各地で生じた大規模抗議デモが自然発生的・同時多発的に参加者が様々な主張を掲げていたのに対して,今回の労組によるデモは組合の統率下で実施され,年金計算掛け目の廃止,週当たり労働時間の44時間から40時間への短縮,業務の外部委託反対等の要求が明確に掲示され,デモの撤収も合図と共に迅速に行われ,性質を異にするものだった。
  • (3)7月には,カトリックの祭典である「世界青年の日」のため,ローマ法王がリオデジャネイロを訪問した際,同地では同イベントへの税金の無駄遣いへの抗議及びカブラル・リオデジャネイロ州知事への反対を唱えデモが実施されたが,6月に生じたデモほどの規模とはならなかった。
2.ルセーフ政権支持率の急落
  • (1) 6月に発生した大規模デモ後に実施された世論調査の結果によれば,ルセーフ政権の支持率はデモ発生前の調査と比較して大幅に下落した。IBOPE社調査では57%から30%(27%減)に,MDA社調査では54.2%から31.3%(22.9%減)という結果となり,軒並み20%以上急落している。また,ルセーフ大統領個人の支持率も70%を越える前回支持率から50%を下回る落ち込みを見せた。
  • (2)また,大規模デモ発生以降に行われた来年の大統領選挙に関する世論調査では,いずれの調査でも第1次投票におけるルセーフ大統領の得票率が過半数を割る約30%の得票率となり,今選挙が行われれば、決選投票にもつれ込むとの結果が示された。また,対抗候補のなかでマリーナ・シルヴァ元環境大臣(Rede)が票を伸ばし,各候補に対する支持率では,シルヴァ元大臣がルセーフ大統領を上回る結果も見られ,ルセーフ大統領は来年の再選に向けて黄色信号が灯った。
3.議員・閣僚による空軍飛行機の不正使用疑惑
  • (1)3日,エドゥアルド・アルヴェス下院議長及びその親族等がコンフェデレーションズ杯の決勝戦観戦のためにナタルからリオデジャネイロまでのブラジル空軍機を利用した旨報道された。同下院議長は当初公務での移動だったと主張しつつも,民間機を利用した場合の金額として約9,700レアルを国庫に返納した。ほぼ同時期に,レナン・カリェイロス上院議長も,前月に開催された他の上院議員の身内の結婚式に参列するため空軍機を使用したと非難を浴びたほか,ガリバルディ社会保障大臣も,私用に空軍機利用をしたと取り沙汰され,いずれも相当額を国庫に返納した。また,24日,レベロ・スポーツ大臣も家族とともに空軍機を利用したとの報道が出ている。
  • (2)閣僚等による空軍機の不正使用が多く取り上げられる中,アロイジオ・フェレイラ上院議員(PSDB)はアモリン国防大臣に対し,空軍機使用に関する情報開示要請を行った。乗客の詳細情報は既に破棄されたとしてつまびらかにされなかったが,ブラジル空軍によれば,実施された空軍機使用頻度では,2013年の上半期だけで1,664件の使用申請があったとの調査結果が出ており,1日に約9人の要人が空軍機を利用していることになる。右数字は,ルセーフ大統領就任時の2011年同時期の1,201件と比べると39%の増加率。

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