Embaixada do Japão

トピックス 2014年7月号

アマゾンに響け!日本の太鼓(於:マナウス市)


(写真提供:風河火山)

2014年6月18日,アマゾナス州マナウス市のFIFA・ファンフェスタ会場において「風河火山」による太鼓の演奏が行われました。

この6月18日とは,1908年の第1回日本人移住者が「笠戸丸」(かさとまる)で神戸港を出航し,約50日間の長い航海の末,ブラジル・サントス港に到着した日にあたります。今回の「風河火山」による演奏には「移民の日」を祝う気持ちも込められています。「風河火山」は西部アマゾン日伯協会と在マナウス日本国総領事館の支援を受け行われたワークショップを嚆矢として結成され,今年で5周年を迎えます。

「私たちの目的は日本文化を普及させることです。今回このような大きな場所を借りて,演奏できることをとても光栄に思います。」と風河火山メンバーのシノモト・エリカさんは語ります。

風河火山のリーダー,ホベルト・ミヤモトさんは「この度「移民の日」にファンフェスタで太鼓を演奏することができ,非常に喜ばしく思います。準備は昨年10月から始めました。メンバーをまとめることや楽曲の選択・構成に苦労しましたが,ファンフェスタ当日は緊張感溢れる中,太鼓の響きや迫力を観客に伝えることができました。これからも太鼓を通じ日本文化を広め,この楽しさと力強さを伝えていきたいです。」と述べました。

3万5000人の収容人数を誇るマナウス市のFIFA・ファンフェスタ会場は,W杯期間中,毎日様々なイベントを行いアマゾナス州及びブラジルの文化を紹介しており,その様子はグローボ系列で世界中に配信されています。
(写真提供:風河火山)

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カメルーンと中津江村が育む絆と12年(於:マナウス市)

エトー選手と坂本元村長(写真提供:中津江村)
エトー選手と坂本元村長

2014年6月17日,大分県中津江村(※1)の坂本元村長と鯛生(たいお)スポーツセンターに勤務する津江みちさんが日本より30時間のフライトを乗り継ぎ,アマゾナス州マナウス市へ到着されました。その目的はただ一つ「中津江の小学生からあずかった応援旗でカメルーン選手団を力一杯応援する!」ことです。

1.中津江村とカメルーン

さて,中津江村とカメルーンの交流史は今年で12年目を迎えます。2002年日韓共催ワールドカップにて,中津江村がカメルーンの事前キャンプ地としてカメルーンを受け入れたことから始まりました。当時人口1300人の小さな村に代表チームがキャンプを張ったことやカメルーンチームが予定よりも大幅に遅れて到着したにも拘わらず,地方の人々の温かい出迎えを受けたことも重なり,「中津江村」は日本や世界各地で大きく報道されました。

2.育まれた友情・家族愛

れ以来,中津江村はずっとワールドカップやオリンピックでカメルーンを応援し続け,様々な活動を通じ友好関係を温かく育んできました。毎年10月には子どもたちのサッカー大会「カメルーン杯」を開催しています。2003年にはカメルーン政府が「カメルーンと日本の友好関係に貢献した」として「シュバリエ勲章」を坂本村長に授与し,2007年にはエムボマ選手が中津江村でサッカー教室を開き子どもたちのために直接指導を行いました。2010年のワールドカップにおいても坂本元村長自ら南アフリカまで応援に行きました。

(写真提供:中津江村)

3.いざ選手のもとへ!マナウスで感動の再会

試合前,坂本元村長と津江さんは無事選手団に会うことができました。ホテルのロビーにて,ー選手はすぐに坂本村長と津江さんに気が付き歩み寄り,監督や他の選手にもお2人を紹介をしました。選手団は温かい笑顔で再会を喜び,エトー選手は坂本村長のコスチュームをとても気に入って中津江村の保育園生・小学生が作った応援旗にサインをし写真撮影を行いました。「今回の再会でまた更に中津江村とカメルーンの絆はより強まった気がしています。」と津江さんは語ります。

帰国後の坂本元村長へ今の気持を尋ねたところ「試合結果は残念でしたが,ワールドカップに出場することだけでもカメルーンの子供たちに夢と希望を与えています。選手たちを誇りに思い,最後の試合まで応援し続けます。日系ブラジル人の親切で丁寧な心遣い,今回マナウスでのアテンドをしてくださったSONYの皆様が最後までお付き合い・お世話してくださったこと(※2),海外へ行ってこのように私たちを家族のようにおもてなししてくださったことに心から感謝いたしております。カメルーン選手団とも試合前に逢うことができありがたいことでした。スタジアムではさまざまな人種のサポーターが,カラフルなコスチュームで楽しむ姿,その熱気を感じ,世界に喜びを与えてくれるワールドカップの凄さを改めて感じました。」と応援を振り返りました。

(※1)中津江村は2005年に日田市へ編入合併されたため,「村」としての行政地域はなくなりましたが,編入後も「大分県日田市中津江村」の名称を同地に残しています。

(※2)SONYと中津江村は2002年日韓共催ワールドカップで交流を持ちました。風土も文化も違う初めてのブラジル・マナウス市での滞在に不安を抱いていた坂本元村長・津江さんが縁をたどり,マナウス・フリーゾーンに工場を持つSONYに相談したところ,SONY側は現地でのサポートを快諾し社員の有志が協力を行いました。

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内政

1.2014年大統領選挙:ダタフォーリャ社世論調査
  • (1)ダタフォーリャ社が6月3日から5日にかけて207市の4,337人を対象に実施した世論調査によれば,現時点における各大統領候補の支持率は以下の通り。

 

2月

4月

5月

6月

ルセーフ大統領        

44%

38%

37%

34%

ネーヴェス上院議員

16%

16%

20%

19%

カンポス前ペルナンブコ州知事

9%

10%

11%

7%

他候補の合計

5%

6%

7%

9%

白票/無効票/誰にも投票しない

19%

20%

16%

17%

分からない

7%

9%

8%

13%

  • (2)今回の調査においては,ルセーフ大統領の支持率が前回比で3ポイント低下し,同大統領の支持率が下落傾向を続けており,本年2月以降,同大統領の支持率は10ポイント低下している。但し,二人の野党候補も支持率を下げているため,ルセーフ大統領との差を一気に縮めることはできず,特にPSBのカンポス前州知事は1ヶ月で4ポイントも失った。今回の調査では,「どの候補も支持していない(「白票/無効票/誰にも投票しない」と「分からない」の合計)」と答えたのが全体の30%に達したが,これは,1989年以降,実施された世論調査及び選挙を通じて,最も高い数字である。その背景には,経済に関して悲観的な見方が広がっていることがあると見られる。

  • (3)決選投票に関しての調査結果は以下の通り。

(ア)ルセーフ大統領46%(前回比1ポイント減),ネーヴェス議員38%(2ポイント増)

(イ)ルセーフ大統領47%(2ポイント減),カンポス前州知事32%(±0)

  • (4)「次期大統領には変革を望む」と答えた回答者は前回と同じ74%(「現状維持を望む」は1ポイント減の21%)。「最も変革に適した指導者」として名前が挙がったのは,ルーラ前大統領35%(前回比3ポイント減),ネーヴェス議員21%(2ポイント増),ルセーフ大統領16%(1ポイント増),カンポス前州知事9%(1ポイント減)の順。
2.ネーヴェス上院議員(野党PSDB)の大統領選立候補
  • (1)6月14日,ブラジル社会民主党(PSDB)はサンパウロ市内において党大会を開き,ネーヴェス上院議員(同党党首)を同党の大統領候補に指名した。ただし,副大統領候補の指名は行われず,PSDBには副大統領候補の人選及び政策綱領の作成が課題として残った。
  • (2)ネーヴェス議員は,大統領候補指名後に初の演説を行い,「政治の変革を求める風は今や暴風となって吹き荒れている。社会の要望に応えられない者は,ツナミにより政権の座から追い払われるであろう。」と述べ,また「国内の港湾,道路及び地下鉄を近代化するための予算はないが,思想的に近い外国の事業には惜しみなく金が使われている。これは恥である。」,及び「レアル・プランに反対した人達が今度はインフレの再燃を招いている。」等と,PT及びルセーフ政権を激しく批判した。
  • (3)また,ネーヴェス議員は,「クビシェッキ元大統領(同議員と同じくミナスジェライス州出身)は伯に発展をもたらし,タンクレド・ネーヴェス元大統領(1985年の民政移管の際に大統領に選出されるも,就任前に病死した。ネーヴェス議員の祖父)は民主主義を取り戻した。自分は,伯の尊厳及び効率的な政府を取り戻す。」と表明した。
3.ルセーフ大統領の大統領選立候補
  • (1)6月21日,与党PT(労働者党)はブラジリアにおいて党大会を開催し,ルセーフ大統領の再選立候補を正式に決定した。同大統領は,その際に行った演説の中で,「自分が再選すれば,伯は,経済の安定と社会福祉政策を維持しつつ,新たな成長のサイクルに突入するであろう。」と表明した。また,同大統領は,「PT政権は,それまでの政権が積み上げてきた負の遺産を引き継いでおり,全ての問題を解決するためには10年では不十分である。」と強調し,「自分が2010年に大統領に選出されたのは,国民の信頼を裏切るためでも給与を締め付けるためでもない。」と述べ,2期目への意欲を示した。
  • (2)また,同大統領は,2期目における政策の目玉として,ブロードバンドの全国民への普及,行政手続きの簡略化等からなる「国家変革計画」を発表することを約束し,自分だけが伯の変革を深化させることができると強調したが,今のところ,その内容はこれまでの政策及び政策綱領の焼き直しに過ぎないとされている。世論調査では,有権者の約7割が変革を求めているとの結果が出ていることから,「変革」を前面に押し出したのではないかと見られている。
4.運輸大臣等の交代
  • (1)6月25日,ルセーフ大統領は閣僚の交代を発表し,運輸大臣にはパウロ・セルジオ・パッソス元運輸大臣が就任し,セーザル・ボルジェス大臣は大統領府港湾庁長官に転任することとなった。

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外交

1.メルケル独首相の訪伯
  • (1)ルセーフ大統領は6月15日,大統領府において,メルケル独首相との会談及びワーキングディナーを行った。同大統領は記者団に対し,会談においては経済関係,教育及びW杯等について意見交換を行ったことを明らかにした。
  • (2)ルセーフ大統領は,二国間の貿易が昨年約220億米ドルに達したことを挙げ,ドイツとの間では更に貿易及び投資を増大させる余地があることを強調した。また,同大統領は,伯及びメルコスールがEUとの自由貿易交渉の前進を望んでいること及び伯がドイツに対して高付加価値製品の輸出増大を望んでいることを表明した。
  • (3)会談では,教育,イノベーション及び技術分野における協力についても取り上げられた。ルセーフ大統領は,独が伯の「国境なき科学計画」を通じて何千人ものブラジル人留学生を受け入れていること及び独の団体(Fraunhofer)の協力(伯の研究イノベーション企業の立ち上げ,伯における「リファレンス・ハイパフォーマンス・センター」の開設)に対し謝意を表明した。
2.バイデン米国副大統領の訪伯
  • (1)バイデン米国副大統領は,6月16日にW杯の米国対ガーナ戦を観戦した後,翌17日,ブラジリアにおいて,ルセーフ大統領及びテメル副大統領と個別に会談を行った。会談には,フィゲイレド外相及びアヤルデ在伯米国大使の他,ジェイコブソン米国務省西半球担当次官補が同席した。昨年NSAの通信傍受が暴露され米伯関係が悪化して以来,米国政府の要人が訪伯したのは今回が初めて。ただし,今回の訪問では,共同声明等が発表されることはなかった。
  • (2)バイデン副大統領は,会談後米国大使館での記者会見において,「両国が共通の価値観を有しているのは明らかである。また,両国の間には,明らかな利害上の対立は見られない。両国のパートナーシップを強化するための潜在性は高く,それは(ルセーフ大統領及びテメル副大統領との)会話においても窺われた。両国は,力強く多様性に富む民主国家であり,両国の国民は鷹揚で起業家精神に富む。」と述べた。また同副大統領は,「ルセーフ大統領とテメル副大統領の友人になることができた。特にルセーフ大統領とは非常に気が合う。」と述べ,昨年の通信傍受の件により,悪化した二国間関係が修復に向かっていることを強調した。
  • (3)同副大統領は,二国間貿易が年1千億米ドルに達し,米国の対伯投資が800億米ドルに上っていることを指摘すると共に,「(通信傍受の件により)両国の経済関係が停滞する理由はない。」と述べ,問題の過小評価に努めた。更に,伯を「グローバル・パートナー」と評した上で,ルセーフ大統領とベネズエラ及びイラク等の国際情勢について意見交換を行ったことを明らかにした。同副大統領は,ベネズエラに関し「米伯両国は,(ベネズエラにおける)政治的包摂,安定及び基本的人権擁護の拡大を保障することに関心を寄せている。」と述べ,イラクに関しては,「米伯は,イラクが安定した民主国家となり,世界のエネルギー供給に更に貢献することを望んでいる。」と述べた。
3.サントス・コロンビア大統領の訪伯
  • (1)6月19日,サントス・コロンビア大統領は,W杯のコロンビア対コートジボワール戦を観戦するためにブラジリアを訪れた際,大統領公邸において,ルセーフ大統領と約1時間半にわたって首脳会談を行った。会談後サントス大統領は,コロンビア政府とゲリラ組織「国民解放軍(ELN)」の交渉,二国間関係及び地域ブロック経済についてルセーフ大統領と意見交換を行ったと述べた。
  • (2)サントス大統領は,ELNとの交渉に関し,「(交渉の)当初から,伯は我々に協力してくれた。(伯の)役割は非常に生産的且つ建設的であった。(交渉)プロセスが正しい方向に向いていることに関し,伯の協力には感謝の言葉もない。」旨述べた。但し,伯の果たした役割に関し,同大統領は,ゲリラ側と保守義務に関する約束を取り交わしているとして,具体的な内容については明らかにしなかった。伯外務省も右に関してはノーコメントとしている。
  • (3)サントス大統領は,地域経済ブロックの問題が会談で取り上げられたことに関し,「太平洋同盟は,誰かと敵対したり,競争するためのものではない。ラ米の統合を模索するための試みであり,伯,メルコスールとの相乗効果を得られるであれば,それは歓迎すべきことである。」旨述べ,太平洋同盟,南米諸国共同体(Unasul)及びメルコスールの間で競争が発生する可能性には否定的であった。

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