5月28日から5月30日の日程で梅田大使がパラ州公式訪問を実施。
29日午前中にはジャテーネ州知事との会談が行われた他、同日午後にはパラ州と日系企業20社30名の同席による経済セミナーが実施され、活発な意見交換が行われた。
30日はベレンの日系団体主催による日ブラジル外交関係樹立120周年式典が開催され、
ジャテーネ州知事をはじめとする州政府関係者、議会関係者、梅田大使などおよそ200名が出席した。同式典では、日本政府による新井範明氏への勲章授与式が行われた他、ジャテーネ州知事からパラ州への貢献が認められた日系社会企業に対する表彰授与があった。
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5月20日,在サンパウロ日本国総領事館は,サンパウロ市イビラプエラ体育館において,日本から来訪した講道館の上村館長をはじめ講道館の先生方を講師に迎え,サンパウロの日系学校のブラジル人生徒100名に対し柔道の形や,柔道の歴史・精神に関するワークショップを開催しました。
本件ワークショップに参加した日系学校の生徒たちは,日本から来訪した,柔道高段者の講師の方から,乱取りや,受け身を習うことができ,講師陣の一挙手一投足に大きな歓声を上げていました。その姿から,生徒たちの柔道に対する関心が非常に高いことが見受けられました。
本事業は日伯修好120周年記念事業及び,在サンパウロ日本国総領事館100周年記念事業の一環であると同時に,2016年リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック,2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催へとつながる,スポーツを通じた二国間交流を促進する重要なイベントとなりました。
ブラジルのオリンピック獲得総メダル数のうち約2割が柔道によるものという事実からも分かるように,柔道は,国民的スポーツとしてブラジル社会に浸透しており,ブラジル人に非常に人気が高いスポーツです。本事業は,そのような意味でも,柔道を通じた日伯交流を更に深めることができたと言えます。
(1)エポカ誌5月4日号は,ルーラ前大統領が大手ゼネコンからの不正資金提供を受けていた疑いで,連邦検察庁の捜査の対象となっている旨報じている。同誌によれば,連邦検察庁は,ルーラ前大統領が大統領職を退いた後,与党PTにおける絶大な影響力を悪用し,大手ゼネコン(特にオデブレヒト社)から不正資金提供を受けていた疑いがあるとして,捜査を開始したとしている。
(2)検察側で想定されている事件の構図は,オデブレヒト社がルーラ前大統領の関心国への海外出張の旅費を提供し,その見返りとして前大統領として訪問した国での建設事業が同社の請負に指名されるよう,会談相手となった首脳や伯関係当局に働きかけ,同社が国家経済社会開発銀行(BNDES)からの低利融資を受けられるようにしていたというもの。
(3)不正取引の対象となった訪問国として疑われているのは,ベネズエラ,キューバ,ドミニカ共和国,ガーナで,オデブレヒト社はこれらの国で建設案件を多く請け負っている関係がある。特に,ドミニカ共和国での案件については,中国企業グループがルセーフ現大統領やジャノー連邦検事総長に訴え,捜査を働きかけたと言われている。
(4)同社がBNDESから受けた融資総計は,少なくとも41億ドルにのぼる。実際に同社は,BNDESの海外事業向け融資の42%(約8億4800万ドル)の受取り手となっている。コウチーニョBNDES総裁は,ここ数年,連邦検察庁,連邦会計裁判所及び連邦議会からのこれらの融資に係る情報公開請求に応じていない。
(1)5月5日夜,全国ネットのテレビ及びラジオにおいて,与党労働者党(PT)が借り上げによる政治PR番組を放映・放送したところ,当地市内住宅地等で激しい「鍋叩き」運動(パネラッソ)が発生し,一般市民の多数がこの番組及びPTに対し明らかな不満と抗議を表明する行動が見られた。
(2)PTが放映した番組は,約10分間にわたって,ルーラ政権以来のPT政権の時代になって初めて汚職が解明され逮捕者も出るようになった,これだけの社会向け投資を行った,男女共同参画を進めているのはPTだけであるといった宣伝をグラフィック等ふんだんに用い,俳優を使って語らせたものであった。
(3)これらの運動は,以前にもみられた鍋叩きや市街地でのデモのように,主導者がSNSで賛同して一斉に参加することを呼びかけており,今回は,最大野党のPSDB(伯社会民主党)からも呼びかけが行われたと報じられている。各メディアの評価では,今回のPTの借上げ番組は,評判の悪いルセーフ大統領の姿を一切見せず,ルーラ元大統領及びルイ・ファルカン現PT党首を主役に演出したものの,一般市民の多くにおいては,最近の経済情勢,年金等のベネフィット削減の動き等からも,一般的市民の実感とは一致せず,前向きな内容がしばしばわざとらしい説明と演出を伴って報じられたとの印象が目立っている。
(1)5月6日,連邦議会下院において,財政緊縮策の重要な1つとして政府が提出している暫定措置令第665号(失業保険受給要件の厳格化等)の採決を進め,賛成:252票/反対:227票/棄権:1票の僅差で可決された。
(2)投票において,与党 PT議員については,出席した55名の下院議員のうちわずか1名のみが反対したほかは,全員が賛成票を投じることとなった。他方,最大の連立相手であるPMDBでは,所属議員64名のうち13名が反対。同じく連立を組むPDTについては,同党所属下院議員19名の全員が反対票を投じている。
(3)連立与党内での不一致と同時に,野党側においても統一性を欠いた動きが目立っており,野党DEM所属議員のうち8名, PSB所属議員から7名,Solidariedadeから1名の議員が野党にもかかわらず賛成票を投じた。仮にこれらの議員が反対していた場合,形成は逆転し,否決されていたことになる。
(4)政府としては,海外格付け機関からの格下げリスクが非常に脅威であることもあり,相当の犠牲を払ってでも様々な調整を進め,財政緊縮措置の達成に全力を尽くす構え。しかし,最大の連立相手が必ずしも協調してくれない状況にある上に,こうした政策が足下のPT内でも反対の多い内容を伴うだけに,議会でのゆさぶりを頻繁に受けることとなるのは避けられない。
(1)5月19日,李克強首相が訪伯し,ルセーフ大統領との首脳会談を行った。また同機会に,両者は35の成果文書への署名を行っている。今次訪問では,伯産牛肉の中国市場の再開放,Embraer社製航空機22機の天津航空への売却(11億ドル)に加え,Eletrobras社と中国長江三峡集団公社間の取極(サンルイス・ド・タパジョス水力発電所の将来的な入札におけるパートナーシップ)等で合意があった。
(2)グラッサ・リマ伯外務省第二政治担当副次官によれば,中国の表明した530億ドルの金額は投資の意思を意味し,既に実行されているプロジェクトも存在する旨述べている。その他,鉄道,道路,湾港,空港,持続可能なエネルギー,住居等の優先分野に対する中国工商銀行による500億ドルの融資案件があり,連邦貯蓄公庫が同融資の管理を行うこととなる。
(3)更に,李首相はルセーフ大統領に対し,生産的な投資及びインフラ分野に焦点を充てた200億ドル規模の生産的協力のための二国間基金の創設を提案した。また同首相は伯中企業評議会の閉会式において,中南米諸国との接近における中国の攻勢は,如何なる政治的条件も課すものではない旨述べている。
(4)南米横断鉄道については,中国側が同鉄道実現可能性に関する調査を行うことになっており,調査報告書が明年5月に伯に提出される予定であるが,関係者間では同鉄道の建設可能性は高くないとされている。
(5)伯大統領府は,中国とのビジネスを通じて,財政緊縮政策により影響を受けている国内投資を再活性化させることを期待しおり,530億ドルの投資の内,70億ドルはペトロブラス社のプロジェクトに融資される予定。また,ルセーフ大統領は李首相との会談後,2016年の訪中を表明した。
(1)ルセーフ大統領は,5月26日から27日にかけて国賓として初めて訪墨し,既に大きな2国間貿易を更に拡大させるための複数の協定への署名を行った。今次訪墨の主要な成果は,経済補完協定(ACE)第53号の対象を6000品目まで拡大させるための交渉開始及び投資協調・円滑化協定(ACFI)への署名であった。その他,航空サービス,漁業,観光,熱帯農業,持続可能な開発,科学技術協力の分野においても成果文書への署名が行われている。
(2)ルセーフ大統領は,今回締結された成果文書は,2国間貿易に均衡,予見性,透明性を与え,地域の生産的統合を促進するものであり,投資・ビジネスに好ましい環境を確保し,紛争を解決するための政治的な意思である旨述べている。また,両国は偽りのライバル意識を避け,最大限歩み寄るために協働していくべきである旨述べている。
(3)中南米最大の経済大国である伯墨の2014年の2国間貿易は約100億ドルに達し,2004年より94%増加している。また,2国間貿易の約97%が付加価値品となっている。