Embaixada do Japão

トピックス 2013年06月号

元気なパラー州日系社会-主要日系人団体の世代交代-

パラー州においては,主要日系団体として汎アマゾニア日伯協会,アマゾニア日伯援護協会,パラー日系商工会議所の3つがある。その3つの団体が今年2月から3月にかけて役員の改選を行った。日伯協会は2月24日,援護協会は3月24日,商工会議所は3月26日にそれぞれ総会が開催され,その際に会長以下の役員選挙が行われた(商工会議所のみ総会で現在の役員をそのまま継続することを決定したので選挙は行われなかった)。

まず,日伯協会は会長にイクタ・ユウジ氏(一世,医師,現会長),第一副会長にオオイソ・ヘジーナ氏(二世,会社経営),第二副会長にオッパタ・ケイイチ氏(二世,農業経営,現トメアス文化農業振興協会(ACTA)会長),第一専任理事にナカヤマ・スナオ氏(二世,商業経営),第二専任理事に牧野ミドリ氏(一世,パラー連邦大学教授),第一財務担当理事にカトウ・マリオ氏(二世,前サンタイザベル市長),第二財務担当理事にキタムラ・リカルド氏(二世,大手ドラッグ・ストア・チェーン役員),理事にナカタ・アルベルト氏(二世,サンドミンゴ・ド・カピン市長),同コンドウ・オラーボ氏(二世,会社経営)が選出された。現職のイクタ会長を中心とする執行部が選出され,一世の副会長が勇退し,完全に二世世代(準一世1名を含む)に移行した。また,当地政財界で頭角を現しつつあるある複数の若手日系指導者が協会運営に関与することの意義は大きい。

援護協会は会長にヤソジマ・ユズル・エジソン氏(二世,医師),副会長に松崎康昭氏(一世,農業経営),第一専任理事にヤマモト・オサム・ジルベルト(二世,会社役員),第二専任理事にイクタ・マガリャンエス・ユウジ(二世,医師),第一会計理事にホンダ・タケシ・アルフレッド氏(二世,医師),第二会計理事にサイトウ・ユウジ・ギレーミ氏(二世,医師),理事にクドウ・アキマロ・ファビオ氏(二世,医師),同大貫ミツハル氏(一世,農業経営),同コヤマ・サトシ・パウロ氏(二世,医師)が選出された。及川定一会長がパラー連邦大学医学部長に専心する等の一身上の都合から今期限りで会長職からの退任を表明したことに伴い,執行部の改選選挙が行われた。今次選挙では諸石理事や伊東医師など高齢の一世移住者候補が落選した一方で,イクタ・ユウジ・マガリャンエス医師(汎アマゾニア日伯協会会長子息)をはじめ複数の若手が当選したことから,全体としてメンバーが一新され,若返りが図られた。将来に向けて希望が持てる強力な布陣となったと思われる。

商工会議所は,会頭にヤマダ・フェルナンド氏(二世,会社経営,全伯スーパーマーケット協会会長),副会頭に神園良生氏(二世,会社経営),同山本陽三氏(一世,会社経営),同山中正二氏(一世,会社経営), 同岸本友昭氏(二世,会社経営),専務理事に長瀬アレクセイ成志氏(二世,会社経営),同堺入コウジ氏(二世,会社経営),同恩地民雄氏(一世,会社経営),財務担当理事に吉川ファビオ氏(二世,会社経営),同長谷川ファウスチナ氏(二世,会社経営),同ナガノ・ツヨシ氏(二世,会社経営),理事に清水ジュトゥリオ氏(二世,会社役員),同片岡ロベルト氏(二世,会社経営),同岡島博氏(一世,会社経営),同ジョアン・カルロス・C・ペレイラ氏(二世,会社経営),同北村リカルド氏(二世,大手ドラッグ・ストア・チェーン役員),同コシモト・マルコス氏(二世,会社役員),同丸岡レオナルド氏(二世,設計士)で,今次総会では現執行部がほぼそのまま留任することとなった。同商工会議所は,現職ヤマダ・フェルナンド会頭のカリスマ性が活動を牽引してきている中で,会頭が全伯スーパーマーケット協会会長に就任したことで,商工会議所での活動から距離をおくことが懸念されたところ,結果的に会長職を継続することが確定し,同氏を中心とする体制が維持された意義は大きい。

また,日系団体とは直接関係はないが,3月25日にニワ・ウィルソン・アマゾニア病院院長がウニメジ・ベレンの理事長に選出された。ウニメジは全伯展開の広域医療及び民間保険グループであり,ウニメジ・ベレンもその一画を担う当地最大規模の私立医療機関として,社会保障院(INSS)を含め当地医療関係部門で強い影響力を有することから,同氏の今次理事長就任は日系社会全体にとって大きなプラス要因となると思われる。
パラー州では,サンパウロ州やパラナ州と比較して早い段階での二世世代への円滑な移行が進行しており,今次の主要3団体の役員改選はそうした状況を更に確実に前進させるものだったと考えられる。在ベレン総領事館としては,引き続きこのような元気な日系社会がますます飛躍するよう可能な限り支援を行っていきたい。

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外政

1. マドゥーロ・ベネズエラ大統領の訪伯
  • (1)マドゥーロ・ベネズエラ大統領は,大統領就任後初めて外遊し,ウルグアイ及びアルゼンチンを歴訪した後,5月9日にはブラジルを訪れ,ルセーフ大統領と会談を行った。
  • (2)同国は,砂糖や植物油,牛乳などの食糧の供給不足によって政府の安定性が脅かされており,また,停電の頻発により非常事態が宣言された国内事情もあることから,マドゥーロ大統領は,ブラジルに対し,食料供給の支援及び国内農業開発の支援を要請した。また,同大統領は,同国で実施された大統領選挙の公正性を主張し,54%の投票箱が監査され,投票の99.8%が承認された旨繰り返し述べた上で,ベネズエラ及びブラジルが共に円熟した民主主義国家であり,申し分ない選挙制度を有している旨述べた。
  • (3)ルセーフ大統領は,両国の果たす役割の重要性を述べ,貧困撲滅,民主主義の強化及び経済成長めざましい中南米地域の手本となるべく,連携の強化を再確認した。
2.伯米関係 
  • (1)パトリオッタ外務大臣の訪米

(ア)5月20日,パトリオッタ外務大臣は,ワシントンでケリー米国国務長官と外相会談を行い,エネルギー,二国間貿易,食糧安全保障,教育,科学技術,環境問題等につき意見交換を行った。

(イ)また,同会談では,ルセーフ大統領が本年10月に国賓として訪米することが確認された。

  • (2)バイデン米副大統領の訪伯

(ア)バイデン米副大統領は,ブラジルを公式訪問し,5月31日,ルセーフ大統領及びテメル副大統領と会談した。

(イ)5月31日,ルセーフ大統領とバイデン副大統領との会談が実施され,教育,防衛,エネルギー,国際貿易及び投資分野における二国間関係について意見交換が行われた。会談後の記者会見において,バイデン副大統領は,今次会談を高く評価し,10月に予定されているルセーフ大統領の米国への公式訪問を大いに期待している旨述べた。

(ウ)また,バイデン副大統領は,近年の伯の成長と民主主義強化は世界の手本であると賞賛し,これにより,国民が恩恵を受け,右成功がルセーフ大統領の国内外の影響力の原動力となっている旨述べた。

(エ)バイデン副大統領は,テメル副大統領とも会談を行い,共同記者会見において,「米国は,伯とのエネルギー及びイノベーション分野における協力に関心を有している。現在,両国間の貿易は年1千億米ドルであるが,二国間関係の強化により,これを更に増加させることは可能である。」旨述べた。また,バイデン副大統領は,「我々は,もっと多くのブラジル人が米国を訪れることを望んでおり,そのため,米国政府は,伯における在外公館の職員を倍増することにしている。」と述べ,ブラジル人旅行者が米国の査証を取りやすくなることを明らかにした。

(オ)テメル副大統領は,伯の留学生10万人送出計画の主要留学先が米国であることを強調した。同計画により,本年2月までに外国の大学に留学した22,646人の内,米国に留学した学生は5,028人に上っている。また,テメル副大統領は,米国に対し,伯の安保理常任理事国入り及び2020年万博のサンパウロ誘致に対する支持を求めた。

ルセーフ大統領のアフリカ統一機構/アフリカ連合50周年記念式典参加ルセーフ大統領のアフリカ統一機構/アフリカ連合50周年記念式典参加

バイデン副大統領の訪伯バイデン副大統領の訪伯  提供:Roberto Stuckert Filho/PR)

伯アフリカ関係
  • (1)ムルスィー・エジプト大統領の訪伯

(ア)5月8日,ムルスィー・エジプト大統領はブラジリアを訪問し,ルセーフ大統領と首脳会談を行った。エジプト大統領の伯訪問は初めて。

(イ)ムルスィー大統領の訪伯目的は,二国間貿易拡大及び貧困と飢餓撲滅のための伯の政策の知見を深めることと報じられている。今般の訪伯はBRICS諸国歴訪の一環であり,エジプトは新興国入りを目指し,伯を含むBRICS諸国との貿易拡大,経済関係の深化を狙っているものと見られている。なお,伯エジプト両国の二国間貿易は拡大傾向にあり,2002年から2012年にかけ7倍に成長し,29億6,000万米ドルに到達している。両国首脳は,会談において経済・貿易面での相互利益拡大に向け,貿易・投資の強化,均衡のとれた貿易及び二国間の直接投資促進の手段として,企業及び政府代表団の派遣強化を表明。ムルスィー大統領は,伯政府が,近い将来,伯企業代表団をエジプトへ派遣するとしたことを歓迎した。

  • (2)ルセーフ大統領のエチオピア訪問

(ア)5月25日,エチオピアにおいて行われたOAU/AU50周年記念行事に参加するため,ルセーフ大統領は同国を訪問した。アフリカへの訪問は,本年に入って3回目。ルセーフ大統領は,伯の外交政策におけるアフリカの重要性について述べ,コンゴ(民)やタンザニア等アフリカ12か国の9億ドルに上る債務の帳消しを宣言した。また,伯スポークスマンによれば,伯はアフリカ産業への投資及び成長のための事業団を設立した由である。

(イ)また,24日に実施されたハイレマリアム・エチオピア首相との首脳会談において,ルセーフ大統領は,双方が恩恵を受ける価値観を共有する,非抑圧的な南南協力の重要性について述べた。また,エチオピア政府との間で,農業,航空,科学技術及び教育の4つの分野における協力合意が署名された。

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内政

1.大統領府零細企業庁長官の就任
  • (1)ルセーフ大統領は,今般新設された大統領府零細企業庁の長官に,ギリェルメ・アフィフ・ドミンゴス・サンパウロ州副知事(社会民主党(PSD))を指名し,9日,就任式が行われた。同庁は,雇用創出及び伯の経済成長の要である零細企業を支援する政策立案を担う。また,同庁長官職は閣僚級の扱いとなるため,ルセーフ政権では39人目の閣僚となる。
  • (2)同副知事は,サンパウロ商業協会会長,伯零細・小企業支援サービス(Sebrae)理事長,連邦下院議員,現職であるサンパウロ州副知事を歴任している。同氏は,ここ数年,伯国内の零細企業への刺激及び地位の上昇においてめざましい結果を出していた。
  • (3)なお,当地報道によれば,今次のPSDの閣僚ポストの創出は,PSDの連立与党入りを図り,2014年の大統領選挙におけるルセーフ大統領の再選を有利に運ぶことが狙いとされている。
  • (4)PSDは現在48名の連邦下院議員,2名の上院議員を擁しており,同党が連立与党入りすれば,PSDが有している選挙活動における政見放送時間1分39秒を得ることができ,ルセーフ大統領の選挙活動時に有利となる。一方で,PSDは現時点ではルセーフ大統領の再選を支持するとしているものの,カサビPSD党首は,アフィフ新長官が指名されるとしても,それは同長官個人に対する指名であり,PSDは連立与党外にあるとの立場である。
2.ルセーフ大統領が世界で2番目に影響力のある女性に選ばれる
  • (1)5月22日に米国フォーブス誌が発表した「世界で最も影響力のある女性100人」において,昨年に引き続きルセーフ大統領はメルケル独首相に次いで二番目に影響力のある女性に選ばれた。
  • (2)同誌は,「ルセーフ大統領は,2年連続でこの10年間で最も低い経済成長率を記録した後,ブラジル経済を上向かせるという任務に直面している。」と報じている。また,同誌は,「多くの人がルセーフ大統領は人道的な配慮より開発に有利な政策を優先していると批判しているものの,ルセーフ大統領は,伯において起業精神を喚起しようと努力している。」とも評している。
  • (3)なお,他のブラジル人女性では,ペトロブラス社のフォステル総裁が20位(昨年は18位),スーパーモデルのジゼル・ブンチェンが95位(昨年は85位)にランクインした。

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