Embaixada do Japão

トピックス 2013年04月号

パラナ州カスカベル市における第25回「Show Rural」(国際農業博覧会)開催

1.今年2月4日~8日の間,パラナ州カスカベル市において,COOPAVEL(カスカベル農産業組合)が主催し,国際農業博覧会としては伯最大規模である,第25回「Show Rural」(国際農業博覧会)が開催された。パラナ州西部はトウモロコシ,鶏肉,大豆,小麦の一大産地であり,粗放的な営農ではなく,土地集約的な営農を行う伝統から,生産性を向上するための諸技術に焦点を置いた国際農業博覧会が毎年行われており,同展覧会は伯農牧産業の各種展覧会行事の年間カレンダーの幕開けイベントに該当すると言われる。

2.第25回となる今年は,72haの会場に430企業・団体が参加し,全伯及び近隣国から20万人余の入場者を得た。昨年の出展者(企業・団体)数は406であったため,出展者数に増加がみられた。本件博覧会では「(先進)農業技術」に重点が置かれていることから,(広報効果をねらって参加した自動車メーカー等を除くと)およそアグロビジネスに関わる出展であれば上流から下流まで実に多彩な企業・団体が参加している(参考)(なお,規模の大きさから農業ビジネス関係者間で同じく有名なサンパウロ州ヒベロン・プレット市で開催される国際農業博覧会は,「牧畜・畜産」に比重を置いている)。

3.日本・日系のアグロビジネス関連企業では,マキタ(電動工具類),ヤンマー(出展品は有名な小型農機ではなく小型パワーショベル類),イケダ(農機類),サンスイ(多様な塩化ビニル製品類),サカタ(種苗),JACTO(大型農機)等が出展した。

4.今回の博覧会においては,ブラジル大統領として史上初めて,ルセーフ大統領が開会式に出席した。同大統領にはホフマン文官長及びリベイロ農務大臣等が同行し,各行事にはリッシャ・パラナ州知事及び近隣の多数の市長等も出席した。また,ルセーフ大統領は,訪問先のカスカベル市において,2013/2014年度の農業計画(Plano Safra)で,総額1150億レアルを全国でアグリビジネスのために融資すること及び家族営農に対して180億レアル以上を融通することを確約する旨表明した。更に,ルセーフ大統領は,アラポンガス市(クリチバ市から北西へ約380km)にて,土地無し農民運動(MST)が営むドセリーナ・フォラドール開拓村内に設けられた乳製品工場の開所式に参加し,「強き大地計画」(Programa Terra Forte)を発表した。右計画は農業改革・工業化(収穫物を加工する資機材購入及び加工場建設)を企図したもので,全伯で3.42億レアルの資金が用意される。

5.次回の「Show Rural」(国際農業博覧会)は,2014年2月3~7日に開催される予定である。

6.2014年のパラナ州知事選には,ホフマン文官長(PT)が立候補する可能性が高いとみられており,今回の大統領及び文官長のパラナ州訪問にて行われた政策等の発表と,再選を狙うリッシャ州知事(PSDB)が行った政策等の発表とが,表面上は連邦政府と州政府の協力関係を装いつつも,事実上は次回知事選を意識した両陣営間でのつばぜり合いの様相を呈している旨,またメディアへの露出も大統領と文官長に押されないよう,同知事が右に近接して写真等に収まるように努めている旨をパラナ州主要紙(「ガゼッタ・ド・ポーヴォ」紙本年2月5日付)が指摘している点が興味深い。
ShowRural2013-11-1024x682.jpg会場の様子
IMG_12733-1024x682.jpg開会式にて演説をするルセーフ大統領
IMG_11632-1024x682.jpgルセーフ大統領と参加者
IMG_2624-1024x576.jpgインタビューを受けるリッシャ・パラナ州知事

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宇宙分野の協力に関する日・ブラジル当局間協議の開催

(1)4月18日、ブラジリアにおいて宇宙分野の協力に関する日・ブラジル当局間協議が開催された。今協議の共同議長は、我が国からは内閣府宇宙戦略室の代表が務め、ブラジル側からはブラジル宇宙庁の代表が務めた。主な出席者は、日本側から、内閣府宇宙戦略室、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、独立行政法人国際協力機構(JICA)、国立大学法人和歌山大学等、ブラジル側から宇宙庁、国家モニタリング・警報センター、国家危機・災害センター、ブラジリア大学等が参加。

(2)本協議では、両国からの宇宙政策分野の行政当局及び専門家の参加を得て、両国の宇宙政策について説明し、日本の宇宙応用技術を利用したブラジルにおける防災及び人材育成を促進することにより、宇宙協力における両国間の相互利益に資する宇宙協力について当局間で意見交換を行った。

(3)両国は、日本の2011年3月の東日本大震災及び2011年1月のブラジルにおける大雨被害を踏まえ、日本の経験がブラジルの自然災害への対応を検討する上で有効であることを認識し、日本側から宇宙システムを活用した災害対策に関する技術協力につき提案し、ブラジル側は本提案を歓迎し、今後、具体的協力内容についてブラジル側の提案に基づいて協議することとなった。

(4)さらに、ブラジル側から、科学技術分野における人材育成政策である「国境なき科学」計画等を通じた人材育成と宇宙利用に対する協力への希望が表明され、日本側からは、文部科学省の超小型衛星研究開発事業(UNIFORM)を実施する和歌山大学が主として博士研究員の受入れについて積極的に協力していく旨を表明した。また、双方は、本協議を定期的に開催していくことを確認した。

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日伯南大西洋共同調査:しんかい6500

先月号でご紹介いたしました、日本の海洋研究開発機構(JAMSTEC)の有人潜水調査船「しんかい6500」による日本ブラジル南大西洋共同調査が4月23日より開始されました。JAMSTECによる日々の航海レポートについてはサイトをご参照下さい。

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外政

BRICS首脳会合時の伯中首脳会談

3月26日~27日に南アフリカのダーバンにおいて第5回BRICS首脳会議が開催された際,27日,ルセーフ大統領は中国の習近平国家主席と伯中首脳会談を行い,両国企業間の提携促進に関心を示すとともに,中国がサンパウロ-リオデジャネイロ間の高速鉄道等の伯のインフラ整備事業(総額2500億レアル)に投資することを歓迎すると述べた。また,ルセーフ大統領は,習主席の訪伯を招待するとともに,両国の通商及び投資を容易にするため,ハイレベル協議の開催を提案した。

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内政

1.運輸大臣の交代
  • (1)4月1日,伯大統領府は,パッソス運輸大臣が退任し,新たにボルジェス元上院議員(共和党(PR),ブラジル銀行副総裁)を運輸大臣に任命する旨のプレスリリースを発出し,3日,同新大臣が就任した,概要以下のとおり
  • (2)パッソス運輸相は,政府及び国に大きく貢献した後,退任することとなった。パッソス大臣は,運輸省において,ブラジルの運輸システムの効率性を高めるための重要な活動に取り組んできた。ルセーフ大統領は,これまでに任された全ての任務においてパッソス大臣が見せた献身,努力及び公共精神に対して謝意を表明した。ルセーフ大統領は,運輸大臣の後任として就任するセーザル・ボルジェス新大臣に対して幸運を祈るとともに,同大臣がブラジル銀行において発揮してきたのと同じ有能さを持ってブラジルの発展に不可欠なプロジェクトを継続することを確信していると述べた。
  • (3)今回の交代については,2014年大統領選挙を見据えた与党の基盤固めのためという見方が強い。また,パッソス大臣は退任後,国家陸運庁(ANTT)長官に指名された。
2.2014年大統領選挙に関する世論調査の実施
  • (1)ダタ・フォーリャ社及びIBOPE社が実施した2014年大統領選に関する世論調査の結果として,現時点で選挙が行われれば,与党労働者党(PT)の立候補者が第1次投票で過半数を獲得し,また,野党候補で最も多くの票を獲得するのはシルヴァ元環境大臣であると報じたところ,概要以下の通り。
  • (2)ダタ・フォーリャ社世論調査(3月20~21日)

(ア) ダタ・フォーリャ社(20日及び21日に2,653人を対象に実施)の世論調査結果は以下の通り。
ルセーフ大統領(労働者党(PT))56~58%
ルーラ元大統領(PT)58~60%
シルヴァ元環境大臣(持続可能なネットワーク(Rede))14~16%
ネーヴェス上院議員(ブラジル社会民主党(PSDB))9~10%
カンポス・ペルナンブコ州知事(ブラジル社会党(PSB)党首))3~6%

(イ)いずれの場合においても,現時点で選挙が行われれば,与党PTの候補(ルセーフ大統領又はルーラ前大統領)が第1次投票で有効票の過半数を獲得して当選を果たすとの結果が出ている。

(ウ)また,今回の調査では,ルセーフ大統領が高支持率を背景に本命の座を確保する一方,2番手は,新党Rede率いるシルヴァ元環境大臣となっているが,他の候補と僅差の2位争いを展開していることが明らかになった。

  • (3)IBOPE社世論調査(3月14~18日)

(ア)IBOPE社(14日から18日にかけて全ブラジルの有権者2,002人を対象に実施した世論調査)の世論調査結果は以下の通り。
ルセーフ大統領53~60%
シルヴァ元大臣8~13%
ネーヴェス議員7~9%
カンポス州知事2~3%

(イ)いずれの場合においても,現時点で選挙が行われれば,ルセーフ大統領が第1次投票で再選を果たすとの結果が出ている。

(ウ)今回の調査では,現時点において,ルセーフ大統領にとり,最も有力な対抗馬となっているのはシルヴァ元環境大臣であることが判明した。回答者の30%が「シルヴァ元環境大臣に投票する可能性はある」と答えていることから,今後,同人の支持率は更に伸びる可能性を秘めている。但し,同人の場合,拒否率が40%と,他の候補に比べて高いのが難点。

(エ)また,今次世論調査では,セーラ元サンパウロ州知事(PSDB)の支持率がネーヴェス上院議員を僅差で上回っており,依然としてセーラ元サンパウロ州知事の方がネーヴェス上院議員よりも人気が高いことが判明したところ,同議員の選挙戦略に課題を残す結果となった。

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