2月5日,在サンパウロ総領事公邸において,「野球ブラジル代表WBC参加訪日歓迎レセプション」が開催された。レセプションにはブラジル野球連盟代表のエステバン・サトウ副会長,バリー・ラーキン・ブラジル代表監督,代表選手15名,主要日系団体会長等が参加した。
福嶌総領事(前列左から4番目),ブラジル野球代表関係者と日系5団体代表
今回,野球ブラジル代表はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に初めて出場し,見事負け無しで予選ラウンドを突破,本大会の第1試合,福岡で日本代表と対戦することとなった。
福嶌教輝・在サンパウロ総領事は,スピーチの中で,「ブラジルで長きにわたり野球を発展させてきたのは日本から移住された方々の功績。現に,今回のブラジル代表チームには日系人選手は12名,日本の野球チームで活躍経験のある選手が12名もいる。ブラジルの野球の歴史は,移住者の歴史と軌を一にしており,今回の日本戦はブラジル野球の『里帰り』ともいえる。およそ100年の歳月を経て,ブラジルの野球は世界レベルに到達したが,日本からの移住者の方々がブラジルに根付かせたものがまた一つ増えた。」と述べ,日伯両チームの健闘を祈念した。
サトウ野球連盟副会長からは,レセプションの開催に対する感謝とともに,「ブラジルで野球を普及した日本,その代表チームと開幕戦で対戦する事になった,この試合は我々にとって特別な意味を持っている,今後とも野球をブラジルで盛り上げて行くため,日本の協力をお願いしたい」旨挨拶があった。
バリー・ラーキン監督と代表選手たち
野球は,ブラジルにおいてはいまだマイナー・スポーツの域を出ないが,在サンパウロ総領事館としては,今回,日系社会と野球の繋がりや日系人のブラジル野球界への貢献を広報したところ,Globo,Band, O Estado de Sao Paulo,ESPN等のブラジル・メディア(テレビ・ラジオ・新聞・インターネット)において広く本件レセプションが取り上げられることとなった。
また,日本のメディアに関しても,日本経済新聞やNHKで本件レセプションが取り上げられ,日本でも,ブラジル野球界における日系人の貢献等が報じられた。
ブラジル・メディア向け野球デモンストレーション(福嶌教輝総領事)
本年4月から5月、日本の海洋研究開発機構(JAMSTEC)の有人潜水調査船「しんかい6500」による日本ブラジル南大西洋共同調査が実施される。同事業は2010年2月に行われた第3回日伯科学技術協力合同委員会以降,両国間で協議されており、JAMSTEC、サンパウロ大学、ブラジル地質調査公社(CPRM)によって実施される生物学・地質学的な科学研究調査である。
日本とブラジルから約20の大学、研究機関、政府機関、ペトロブラス等が研究に参加。南大西洋のリオグランデ海膨・サンパウロ海嶺・サンパウロ海台での有人潜水調査は、世界初となる。リオグランデ海膨は、海底からの高さが5,000mを超える巨大な海山であり,また,サンパウロ海嶺は、マントルに由来する物質が海底に出てきており、化学合成生物群集発見が期待される。サンパウロ海台は、広大な天然ガス・油田が見られることから、世界最大規模の化学合成生物群集が存在する可能性がある。化学合成生物群集が発見されれば、南大西洋初の快挙。
「しんかい6500」を乗せた母船「よこすか」は、5月5日から10日にリオデジャネイロ港、5月24日から27日にサントス港へ停泊予定であり,同時期に科学技術ワークショップ等の関連イベントの開催を計画中。
*有人潜水調査船「しんかい6500」:深度6,500mまで潜ることができる有人潜水調査船。パイロット2名と研究者1名が乗船できる。1989年に完成し、日本近海だけでなく、太平洋、大西洋、インド洋などで、海底の地形や地質、深海生物などの調査を行い、これまでの約四半世紀で1,300回以上の潜航を実施している。
* 化学合成生物群集:光合成による太陽光エネルギーを活用した一般的な生態系ではなく、太陽光の届かない深海で、熱水噴出孔などから出るメタンや硫化水素などをエネルギーとする生態系につくられる生物群集。