Embaixada do Japão

トピックス 2015年2月号

薗浦健太郎外務大臣政務官のサンパウロ訪問~ジャパン・ハウス(仮称)設置に向けた取り組み~

1月19~20日,薗浦健太郎外務大臣政務官がサンパウロを訪問した。訪問中,薗浦政務官は,当地の日系議員,日系社会代表,ブラジル人有識者,当地進出日本企業関係者等とサンパウロに設置する予定のジャパン・ハウス(仮称)構想に関し意見交換した他,日系団体関連施設,ジャパン・ハウスの物件候補地を視察した。

日本政府は,日本の「正しい姿」や多様な魅力を現地の方々に知って頂き,知日派・親日派を拡大させていくため,主要国に日本の広報文化外交拠点として,「ジャパン・ハウス」を創設することとした。ロンドン,ロサンゼルスに並んで,南米最大の都市であるサンパウロがその最初の設置場所の1つとして決定されたことを受け,今般薗浦政務官のサンパウロ訪問が行われた。

薗浦政務官は,訪問の最後に,当地記者団に対し,当地の要人や有識者の方々との意見交換を通じて,日ブラジル二国間関係の重要性を再認識した,特に,その関係の基礎が日系移民の方々の過去数世代にわたる多大な御努力と御苦労の上に成り立っていることをあらためて認識することができた旨述べた。また,「ジャパン・ハウス」の創設に向け,非常に有意義な意見交換を行うこともできた旨述べた。

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内政

1.ルセーフ大統領の就任式(第二期目)の実施

(1)1月1日,ブラジリアにおいて,ルセーフ大統領の就任式(第二期目)が実施された。同大統領は,連邦議会において約40分間の就任演説を行った(演説のポイントは以下のとおり)。また,同大統領は,議会での就任式の後,大統領官邸バルコニーから,同旨の「国民へのスピーチ」を行った。同就任式及び一連の行事には,新閣僚,州知事,連邦議会議員等のほか,外国からは,ムヒカ・ウルグアイ大統領,ヴァスケス・ウルグアイ次期大統領,バチェレ・チリ大統領,マドゥーロ・ベネズエラ大統領,ローヴェン・スウェーデン首相などの14の国家元首又は政府の長,バイデン米国副大統領,李源朝国家副主席,トルシン露副首相など16の国家副元首又は政府の副長,各国大使等を含む70カ国の外国要人が出席した。

(2)就任演説のポイント
ルーラ前大統領から自分の政権では大きな成果を残した。大統領選挙キャンペーン中に一番聞かれた言葉は「変革」「改革」。ブラジルを改善するために大きな改革を行う。

次の4年間では,ビジネスや投資に有利となる確固な経済政策をとる。財政の規律を進め,国内貯蓄率を向上し,投資拡大と生産性の向上を図る。2015年には第3期PACも発表する予定であり,民間セクターと連携しながら,ブラジルのインフラ整備をさらに進めていく。

次期政権のスローガンは「ブラジル:教育する国(Brasil, Patria Educadora)」。教育を最優先とし,今後,プレサル油田採掘のロイヤルティーの教育への重点投資を行う。

ボルサファミリアの受益者は引き続き裨益。低所得者向け住宅計画(Minha Casa, Minha Vida)では,更に3百万戸の住宅を提供。保健分野での第一期の最大の成果は「より多くの医師を」計画であり,それまで医療にアクセスのなかった5千万人以上のブラジル人に対応した。今後,医学生の増加に向けて取り組む。治安対策への努力を拡充することを約束。

外交については,(1)民主主義の擁護,(2)不干渉の原則と主権の尊重,(3)紛争の交渉を通じた解決,(4)人権の擁護,(5)貧困や不平等の撲滅,(6)環境保護,(7)マルチ主義に重点が置かれる。

南米,ラ米・カリブに重点(メルコスル,UNASUL及びCELACの重視)。また,アフリカ,アジア,アラブ諸国にも重点が置かれる。BRICSについては,通商,科学技術,外交活動,BRICS開発銀行及び緊急準備アレンジメントの設置での進展を図る。米国との関係進化は,経済,科学技術,ビジネスの面から極めて重要。これはEUと日本との関係にも当てはまる。

汚職は許されない。ペトロブラスは運営改善の厳しいプロセスにあり,今後、実効的で厳しいガバナンスの体制づくりが求められる。我々はペトロブラスを守り,擁護せねばならない。ペトロブラスを弱体化させることなく,過ちはしっかりと捜査され,過ちを犯した者は罰せられなければならない。

2.ミキ・マナウス市議会議員の下院議員就任

ウンベルト・ミシレス下院議員(PR(共和党))がマナウス市教育局長に任命されたことを受け,1月20日,マサミ・ミキ・マナウス市議会議員((PSL(自由社会党),アマゾナス州)が今期連邦議会の下院議員として就任した。なお,同議員は,今期連邦議会終了までの11日間のみ下院議員として活動予定となっている。

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防衛

3軍司令官の交代

(1)1月7日,ルセーフ大統領は,以下の新たな軍司令官を発表した。
海軍司令官:エドアルド・バセラル・レアル・フェレイラ大将
陸軍司令官:エドアルド・ジアス・ダ・コスタ・ビラス・ボアス大将
空軍司令官:ニバルド・ルイス・ロサト大将

また,同大統領は,退役する3司令官の功績と献身さに謝意を表明した。

海軍司令官:ジュリオ・ソアレス・デ・モウラ・ネト大将
陸軍司令官:エンゾー・マルチンス・ペリ大将
空軍司令官:サイトウ・ジュンイチ大将

(2)新司令官の就任式は下記のとおり。
海軍:2月6日
陸軍:2月5日
空軍:1月30日

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外交

1.大統領就任式に出席した外国要人との二国間会談

(1)バイデン米国副大統領との会談

ルセーフ大統領はバイデン米国副大統領と会談を行った。ルセーフ大統領は,55年間途絶えていた米国・キューバの外交関係の回復に対して満足の意を表明するとともに,「歴史的かつ勇敢な決定」は中南米地域全体に好意的な影響をもたらすものである旨述べた。また両者は,両国がイノベーション,科学技術及び教育分野での協力を拡大させ,二国間貿易を活性化させるためのイニシアチブを繰り返し述べ,可能な限り早い段階でのルセーフ大統領の訪米に向けた交渉を開始することを約束した。

(2)李源潮中国副主席との会談

李源潮副主席との会談において,ルセーフ大統領は,第二次ルセーフ政権において中国との戦略的グローバルパートナーシップは優先的に扱われる旨強調した。また,本年のブラジルでの第4回伯中ハイレベル協調協力委員会(COSBAN)及び中国での第2回グローバル戦略的対話(外相級)の実施の重要性を強調し,昨年12月の人工衛星CBERS-4の打ち上げは,両国間での宇宙分野におけるハイテク協力という新たな門戸を開いた旨述べた。更に,中国企業がブラジルでの鉄道への投資に関心を示していることに対して満足の意を表明し,大陸横断鉄道の実現のためのブラジル,ペルー及び中国間で対話の実施をポジティブに評価した。

(3)マドゥーロ・ベネズエラ大統領との会談

 1月2日,ルセーフ大統領はマドゥーロ大統領との会談を行った。マドゥーロ大統領は,「過去12年間でブラジル及びベネズエラは政治的な信頼関係という新たな関係の基礎を築いてきた。両国は,メルコスール及び二国間関係において,より高いレベルでの工業化及び投資プロセスを築いていくために協調しており,経済,工業,技術,農業及び食料の分野を中心に,全てのアジェンダを活性させていく。」と述べた。

(4)ローヴェン・スウェーデン首相との会談

ローヴェン首相との会談において,ルセーフ大統領は,伯政府のグリペンNG型戦闘機の購入を通じ,両国が技術及び知識の移転に基づいた新たな協力を開始している旨強調した。また同大統領は,伯留学生送出し10万人計画(国境無き科学)を通じた両国間での教育分野における良い成果を強調し,2015年中のスウェーデン訪問の意向を確認した。

2.第1回中国・CELAC閣僚級会合

(1)1月8,9日に中国・Celac閣僚級会合が北京で開催され,ブラジルからはヴィエイラ新外相が出席した。就任直後のヴィエイラ外相の訪中は,伯外交が中国及び中国・Celacフォーラムを重視していくというシグナルであると見られる。2日間にわたる同フォーラムにおいて,北京宣言,オペレーション表及び協力計画(2015-2019年)の3つの文書が発表され,同計画は気候変動やインターネット上のセキュリティ,グローバルガバナンス改革などの様々な分野における協調を示している。

(2)経済面では,中国は中南米との貿易を10年間で5000億ドルへと倍増させ,現在年間100億ドルである中国の対中南米投資を10年間で2500億ドルへと拡大させる目標を設定している。

(3)協力計画には,ビジネスの契約を締結し天然資源を得るだけでなく,中国が自らの影響力を拡大させる意図を含むとみられる数々のイニシアチブが含まれており,その一例として,中南米地域における孔子学院を通じた中国語教育の促進や6000の奨学金及びインターンシップの提供などがある。更に,今後5年間で,1000名の政治家を,そして共産党の訓練の様子を学ぶ目的で1000名の若手リーダーを,中国に招へいすることを望んでいる。

(4)2014年,中国は伯の輸出先として18%を占めているものの,中国における需要の縮小やコモディティ価格の低下のために2013年の二国間貿易からは6%減少している。ヴィエイラ外相は,就任スピーチにおいて「結果の伴う外交」を約束しており,2000年以降初めて貿易赤字を計上した伯の貿易を活性化させるという課題に直面している。

3.インドネシアにおけるブラジル人受刑者の死刑執行

(1)1月17日,インドネシアが麻薬密輸の罪でブラジル人に対する死刑を執行したことを受け,伯大統領が駐インドネシア大使を召還するなど,両国間の外交問題に発展している。更に同国では,別のブラジル人受刑者,ロドリゴ・グラルチ氏に対する死刑が執行されようとしており,執行日はまもなく発表されるものとみられる。伯政府は,インドネシア政府に対する対抗措置を検討する一方,グラルチ氏に対する刑の執行を止めさせるよう同国政府との対話の維持に努めている。

(2)サルヴァッチ伯大統領府人権庁長官は,伯政府はグラルチ氏の精神上の問題を理由に,死刑に代えて同氏を施設へ収容するようインドネシア政府を説得する旨述べた。同氏の家族の友人によると,インドネシアの医師は昨年末,グラルチ氏は統合失調症を患っていると診断した。在インドネシア伯大使館によると,同氏は1月19日,精神科医による検査を受ける予定となっている。

4.伯の国際機関への分担金不払いによる影響

(1)1月28日付当国エスタード・デ・サンパウロ紙は,伯の国際機関への分担金の不払いにより,投票権喪失などの悪影響が生じている旨報じている。同紙によれば,伯は外交向け予算の削減により,国際機関における投票権の喪失,国際機関での選挙における敗北,平和維持活動の司令部からの除外,新興勢力としての信頼性の喪失などの影響を受けている。伯が国連の各機関に対して負っている債務は,合計約2億5860万米ドルに達している。

(2)伯は,IAEA,ユネスコ,国連工業開発機関(UNIDO)などに対する分担金の支払いが滞っており,これにより同機関での投票権を喪失している。また,昨年12月末時点で,国連平和維持活動基金に対する伯の債務は8700万米ドルに上っており,これまで伯はハイチ安定化ミッションでの指揮を執り,コンゴ及びレバノンに部隊を派遣してきたが,国連は部隊の司令官を他国から選ぶことを選択している。なお,このような分担金不払いの問題は,国連が分担金の基準を見直し,新興国の負担分を引き上げたことで発生することとなった。

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