Embaixada do Japão

最近の経済情勢 2014年12月

1.経済情勢等

(1)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に基づく経済成長予測に関し、11月28日時点の発表では、本年の経済成長見通しは0.19%と前週より下方修正されており、明年についても0.77%と前週より下方修正されている。

(2)11月28日、ブラジル地理統計院(IBGE)は本年第3四半期のGDP成長率が前期比0.1%、前年同期比マイナス0.2%となった発表した。

2.経済政策等

(1)11月10日、マンテガ財務大臣は、第2次ルセーフ政権に向けて財政政策のパッケージを策定するにあたって、財政規律回復のため、失業保険、医療保険、年金等を削減すること及び経済社会開発銀行(BNDES)を始めとする公的金融機関への補助金の削減等を検討している旨発言

(2)11月11日、ルセーフ大統領は、本年の基礎的財政黒字目標を対GDP比1.9%と定めているが、当該目標から投資の歳出と減税分による歳入減を差し引くことを認める法案を議会に提出した。

(3)11月15日、BRICSの首脳は、オーストラリア・ブリスベンでのG20サミットの前に会議を行い、新たな開発銀行(NDB)の総裁・副総裁を明年7月のロシアでのBRICSサミットまでに決定すること等を合意した。

(4)11月19日、マンテガ財務大臣は、本年の基礎的財政黒字維持に向け取り組んでいる最中であり、予算基本法(LDO)の改正は減税措置を当初予定よりも大胆におこなったためであるとし、明年以降は対GDP比2%の基礎的財政黒字の達成は可能であると述べた。

(5)11月27日、ブラジル大統領府ホームページにおいてルセーフ大統領は、レヴィ・ブラデスコアセットマネジメントCEO(元財務省国庫局長)を財務大臣に、バルボーザ前財務次官を企画予算大臣に任命するとともにトンビーニ中銀総裁を留任させることを決定したと発表した。

(6)11月27日、レヴィ次期財務大臣は、より現実的な財政目標を掲げ、連邦政府予算の透明性向上に向けて注力すると述べ、2015年の基礎的財政黒字目標を対GDP比1.2%とし、2016年、2017年は同2%を目指すと発言。


3.中銀の金融政策等

(1)11月16日、伯中銀は、これまで実施してきた為替スワップによる介入プログラムの増額を決定した(12月償還予定のスワップロールオーバー額をこれまでの4.5億ドルから7億ドルへ拡大)。

(2)11月18日、アラウジョ伯中銀副総裁(経済政策担当)は、中銀は決してインフレに対して寛容になってはおらず、必要とあれば、金融政策の再調整を行うと述べ、市場から更なる政策金利(Selic)引上げへの示唆と受け止められる発言を行った。

(3)11月27日、トンビーニ伯中銀総裁は、財政支出の引締めは、インフレ率を目標圏内に押し下げることに資すると述べ、また、現在中銀が実施しているスワップ入札を通じた為替市場介入は経済にリスクを生じないとして継続していく考えを明らかにした。

4.為替市場・株式市場の動向

(1)為替市場

(ア)11月のドル・レアル為替相場は、ルセーフ政権の財務大臣をはじめとする新しい経済チームの顔ぶれをめぐり、月の半ばまでドル高レアル安が進むこととなった。次の財務大臣が市場を重視する人物にならないのではとの憶測に加え、米国の中間選挙で民主党が敗北したことで政策協調が進み米国経済にプラスになるとの見方から、ドルを買ってレアルを売る動きが強まり、14日には1ドル=2.6136レアル(売値)と今年のドル最高値を記録した。

(イ)月の半ば以降は、次の財務大臣に大手民間銀行の総裁が就任する可能性が報じられたことでレアルが大幅に上昇することとなった。しかし、新しい財務大臣の人選に反対する意見があり、第2次ルセーフ政権の経済チームの正式発表が遅れたことや、ブラジルの経常収支が悪化したことで更なるレアル買いにはブレーキがかかった。そして、公表された新たな経済チームの共同記者会見で、続投することになったトンビーニ中銀総裁が「現在も行っている日々のスワップによる為替介入は充分需要を満たした」と発言したことで、来年はスワップ介入を継続しないとの見方からドルが上昇。さらに、発表された第3四半期GDPが辛うじてプラスとなったものの、前期比0.1%と低い伸びだったことでレアル売りが強まり、月末のドル・レアル相場はドルが前月末比4.74%の上昇となる1ドル=2.5601レアル(売値)で取引を終えた。

(2)株式市場

(ア)11月のブラジルの株式相場(Bovespa指数)は、月の前半に下落した後、第2次ルセーフ政権の新たな経済チームが決定したこともあり、月の半ば以降は大きく上昇する展開となった。4日、政府はペトロブラスの燃料価格引き上げを容認したが、引き上げ価格の決定は次回14日の理事会で行うとしたことで、実際の引き上げ価格の発表を期待していた市場に失望感が広がった。

(イ)また、ブラジル銀行が発表した第3四半期の純利益が予想を下回ったことで、株価は下落した。その後も、新しい財務大臣に誰がなるかに市場の関心が集中する一方、その決定が発表されなかったため神経質な展開となった。そして、次の財務大臣候補として市場を重視する人物の可能性が低まったこと、10月の正規雇用統計(新規雇用者数から失業者数を引いたもの)が統計開始以来10月として初めてマイナスとなったこと、ペトロブラスをめぐる汚職疑惑の拡大を受け同社株が売られたことなどを受け、株価は続落し17日に月内最安値となる51,257ポイントまで値を下げた。

(ウ)月の半ば以降、大手民間銀行の総裁が財務大臣候補として浮上し、新しい経済チームが決定するとの期待感から、21日には過去3年間で最大の上げ幅となる5.02%もの大幅上昇となった。しかし、10月の経常収支が81億ドルの赤字となり、同月として最大の赤字額だったことや、経済チームの正式発表が遅れたことを嫌気し、株価は軟調な推移となった。

(エ)27日、財務大臣に元国庫局長でIMFなどの国際金融機関での要職経験のあるレヴィ氏、予算企画大臣に前財務次官のバルボーザ氏、中銀総裁はトンビーニ氏が留任という新たな経済チームが発表されたが、OPECが原油の減産を見送ったことでペトロブラス株が売られたため、株価は上昇せず、月末は54,664ポイントと前月末とほぼ同じレベル(+0.07%)で11月の取引を終了した。



法的事項  |  アクセシビリティについて  |  プライバシーポリシー

Copyright © 2012 - Embaixada do Japão - Todos os direitos reservados