Embaixada do Japão

最近の経済情勢 2012年12月

1.経済情勢・経済見通し

(1)中銀が週次で発表している市場(エコノミスト調査)の経済成長予測は、最近の景気低迷を受け、下方修正が続いており、11月30日の発表では本年の成長率見通しは1.27%、明年は3.70%に引き下げられた。

(2)11月30日、ブラジル地理統計院(IBGE)は、本年7-9月期のGDP統計を発表。前期比0.6%(農牧畜業2.5%、工業1.1%、サービス業0%)、前年同期比0.9%(農牧畜業3.6%、工業マイナス0.9%、サービス業1.4%)と事前の市場予測(前期比1%前後)を大幅に下回る結果となった。とりわけ、民間消費は前期比0.9%と堅調な一方、依然として設備投資が前期比マイナス2.0%と5四半期連続のマイナス成長を記録している点が懸念されている。

2.経済政策等

(1)11月7日、商品流通サービス税(ICMS)の税制改革に係るマンテガ財務大臣と各州代表者との協議が行われ、マンテガ財務大臣より、ICMSの州間税率を現行の12%(一部の州は7%)から4%に引き下げるとの連邦政府案が各州に対して提案された。

  • (2)11月22日、ルセーフ大統領は、バロール・エコノミコ紙のインタビューにおいて、ブラジル経済について、以下の点を強調。
    (ア)ブラジルの年間GDP成長率は最低4%以上が望ましく、そのためにも国内産業の競争性は重要である。
  • (イ)総固定資本形成を増やすため、政府と民間は最大限の努力をしなければならず、単に、国内産業を保護するのではなく、より国際競争力のある産業を育てていくことが必要。
  • (ウ)競争性を高めるために、伯経済社会開発銀行(BNDES)だけでなく他の長期の投資資金源を増やす必要がある。このため、伯政府は、資本市場を近代化し、投資を活性化するための一連の対策を準備中。また、伯政府は製造コストを削減するために、一連の政策(社会保障負担金の減免、商品流通サービス税(ICMS)の統一等)に取組んでいる。
  • (エ)教育分野、特に職業訓練が重要。また、ブラジルでは8才の児童の15%が文盲であり、識字率を上げることが必要。国家教育計画(PND)の下で石油開発のロイヤルティを全面的に教育に投資することを検討。
  • (オ)経済成長のためにインフラ整備が必要。ブラジルにおいては、インフラ整備のための資金が不足している訳ではなく、問題はその実施である。

(3)11月30日、ルセーフ大統領は,プレサル油田開発等により得られるロイヤルティの連邦政府、州政府等への配分比率について定めた法案(議会において当初の政府案に修正を加え、石油を産出しない州等への配分を大幅に拡大したもの。)に対し、既に生産が行われている油田については、従来通りのロイヤリティの配分が適用されるべきとして、一部拒否権を発動した。また、ルセーフ大統領は、今後新たに実施される鉱区の入札においては、全てのロイヤルティ収入を教育に充当させる旨の暫定措置令を発出。

3.中銀の金融政策

11月28日、中銀は、昨年8月以来10回連続で引き下げてきた政策金利(Selic)を現行の7.25%に据え置く決定を行った。今後の見通しについて、金融市場においては、少なくとも明年末までは、政策金利は現在の水準を継続するだろうという見方が支配的。

4.為替相場・株式相場

(1)レアルの対ドル相場は、11月後半以降、米国の「財政の崖」や欧州債務問題の進展等に追随して下落し、足元は、1レアル=2.1ドルを超える水準に達し、11月23日には、中銀はドル売り・レアル買いの市場介入に踏み切った(12月3日にも実施)。

(2)11月の株式市場は、前半にかけて、欧米市場に追随して下落したが、後半にかけて欧米の財政問題等へ進展への期待感等から上昇し、58000ポイントを回復したものの、30日に発表されたGDP統計への落胆等から再び下落。

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