(1)中銀が週次で発表しているエコノミストへの調査に基づく経済成長予測に関し、10月25日の発表では、本年の経済成長見通しは2.50%と前週から据え置きとなっているものの、明年の成長見通しは2.13%と前週(2.20%)から若干下方修正されている。
(2)10月8日、IMFは世界経済見通しでブラジルの経済成長見通しについて、本年明年とも2.5%とした。
(3)10月22日、OECDは、2年に一度発表しているブラジルに関する経済調査報告書において、ブラジルの経済成長に関し、本年2.5%、明年2.2%と見込んでいることを発表。
(1)10月3日、貿易審議会(CAMEX:開発商工大臣(議長)、文官長、外務大臣、財務大臣、農務大臣、企画予算大臣、農村開発大臣で構成)は、メルコスール・EU間のFTA交渉におけるブラジル側オファーを承認。
(2)10月8日~10日、第3回児童労働世界会議がブラジリアで開催され、約150か国の政府、使用者団体、労働者団体、社会活動団体(NGO等)による議論が行われ、我が国からも、人間の安全保障や持続可能な開発のための教育の視点に基づき、国際社会の協調した取組を呼びかけることを内容とするステートメントを発表した。
(3)10月17日、ベルキオール企画予算大臣は、成長加速プログラム(PAC)2の進捗状況にかかる定期発表(本年6月に続く第8回目)を行い、既にPAC1全体よりも多くのプロジェクトが実行されているとの発表を行った。
(4)10月21日、伯鉱業エネルギー省は、第一回プレサル油田鉱区入札に関し、ペトロブラス、シェル、トタル、中国石油天然気集団(CNPC)、中国海洋石油総公司(CNOOC)で形成されるコンソーシアムが落札したことを発表した。
(5)10月31日、マンテガ財務大臣は財政健全化のため、失業給付などの削減を検討することを発表。
(1)10月3日、トンビーニ中銀総裁は、ロンドンでの講演で、インフレ率は中銀の目標の中央値(4.5%)に向けて低下しており、本年第3四半期及び第4四半期の経済成長率は予想されている程悪くないと述べた。
(2)10月9日、ブラジル中銀は、以下の通り声明を発表し、政策金利(Selic)を前回(8月28日)に引き続き0.50%引上げ、9.50%とすることを前回一致で決定。
(ア)通貨政策委員会は、政策金利の調整の継続として、バイアスなく、政策金利を年9.50%に引き上げることを全会一致で決定した。
(イ)通貨政策委員会は、この決定が、インフレ率を低下させ、その傾向が明年も持続することに寄与するものと理解している。
(ア)10月のドル・レアル相場は、米国の財政問題に対する懸念からドルが弱含んだものの、全般的に小幅な値動きとなった。10月前半、同問題の政治的解決の可能性が示されたことを好感して一時ドルが買われたが、9日に政策金利(Selic)が0.50引き上げられるとともに、今月26日、27日の通貨政策委員会以降明年においても引き上げは続くとの観測が強まったことや、トンビーニ中央銀行総裁が年末まで毎日行っている為替介入を来年も継続する可能性に言及したことからレアルを買う動きが強まり、17日に1ドル=2.1605レアル(買値)までレアル高が進んだ。
(イ)その後、月の後半に向け、米国の財政問題回避への可能性が高まるとともにドルが徐々に値を戻す展開となった。しかし米国の雇用統計が景気回復の弱さを示すものだったため、米国の金融緩和政策が変更されるとする見方が後退したことや、中央銀行が新たなスワップ取引を実施すると発表したことで、為替介入への警戒感が高まったことから、一時ドルが下落する場面も見られた。
(ウ)月末は米国連邦準備理事会(FRB)の声明が金融緩和政策の変更可能性を予想させるものだったためドルが上昇する一方、9月のブラジルの公的債務額が大幅に増加したため、今年の政府財政目標の達成はほぼ不可能との見方が強まりレアルが売られ、1ドル=2.2026レアルで10月の取引を終えた。
(ア)10月のブラジルの株式相場は月のはじめ、通信大手オイとポルトガルのポルトガルテレコムの合併合意の発表を好感して上昇する場面もあったが、米国の財政や政府機関の一部休業をめぐる問題や、ムーディーズがブラジルの格付けを「ポジティブ」から「安定」に引き下げるとともに、ペトロブラスの長期信用格付けも引き下げたことなどから、上値の重い展開となった。
(イ)しかし、米国の財政問題をめぐる政治的混乱が解決に向かったことに加え、ブラジルの富豪アイク・バチスタが所有する資源開発会社OGXが、社内改革を発表したことが好感され、同社をはじめバチスタ氏関連の株が買われ上昇した。中央銀行が更なる政策金利引き上げを検討していることが通貨政策委員会の議事録から推察され、株価は一時下落する場面も見られたが、プレサルの入札で、中国系企業に加えシェルとトタルが参加したことが好感され、ペトロブラス関連株が大きく買われた。また、米国の雇用統計が予想を下回ったことで金融緩和政策が当面維持されるとの見方が強まり、株価は22日に56460ポイントまで上昇した。
(ウ)その後、ペトロブラスの第3四半期決算における売上高が市場予想を下回ったことや、OGX再建の先行きが不安視されたことなどから、株価は下落。また、OGXが出資者と間で社債の利払いに関する合意に至らず、破産法の適用を申請したこと等がマイナスとなり、月末は54356ポイントで10月の取引を終了した。