(1)中銀が週次で発表しているエコノミストへの調査に基づく経済成長予測に関し、8月1日の発表では、本年の経済成長見通しは0.86%と前週より下方修正されており、明年については1.50%と前週から据え置きとなっている。
(2)7月10日、格付け会社フィッチはブラジルの格付けをBBBに維持すると発表した。
(3)7月22日、伯企画予算省は本年の経済成長見通しを2.5%から1.8%に下方修正した。
(4)7月24日、IMFは世界経済見通し(WEO)の改定版を発表し、ブラジルの本年の経済成長見通しを1.3%、明年の経済成長見通しを2.0%とした。
(1)7月14日、フォルタレーザで開催された第6回BRICS首脳会合において、BRICS開発銀行の設立協定の署名が行われ、銀行の資本金は1000億ドル(当初資本金は500億ドル)とし各国が均等出資を行う、本部は上海に置く、初代総裁はインドから、初代取締役会議長はロシアから、初代理事会議長ブラジルからそれぞれ選出することなどを決定した。
(2)同じく、BRICS首脳会合においいて、当初規模を1000億ドル(中国から410億ドル、ブラジル、ロシア、インドからそれぞれ180億ドル、南アフリカから50億ドル)とする緊急準備アレンジメント(CRA)への署名が行われた。
(3)7月17日、習近平中国国家主席がブラジルへの公式訪問を行い、32の合意文書への署名が行われ、交通、エネルギー、インフラ、防衛、通信、リモートセンシング、通商及び教育等の幅広い分野に及んだ。また、習主席は首脳会談において、エンブラエル社のジェット機及び航空機60機の購入、ブラジル産牛肉に対する制限の解除及び中国自動車企業Cherryが4億ドルを投資して工場を建設することを表明した。
(1)7月16日、伯中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策金利(Selic)を11.00%に据え置く旨の声明を全会一致で発表した。また、同24日、16日のCopomの議事録が公表され、近いうちに金利を引下げる公算は小さく、経済が景気後退への瀬戸際にあっても根強いインフレの抑制に注力する方針をした。
(2)7月25日、伯中銀は景気低迷を打開するため、金融機関の準備要件を変更し、約300億レアル(約135億ドル)の資金が金融システムに供給されるようにするとの政策を発表した。
(ア)7月のドル・レアル為替相場は月の前半、ポルトガルの銀行で経営問題が浮上したことでEUの金融システムへの不安が広がり、ユーロ売りからドルが買われた一方、ワールドカップでのブラジルの大敗を受け、ルセーフ政権の支持率が低下するとの見方からレアルを買う動きも強まり、狭いレンジでの取引となった。
(イ)月の半ば、ウクライナで航空機が撃墜されたことで緊張感が高まり、ドルが一時急上昇する場面も見られたが、その後は大統領選の世論調査におけるルセーフ大統領の支持率の上下により、レアルが若干影響を受ける程度で小幅な取引が続いていた。
(ウ)しかし月末に向け、ウクライナや中東情勢の緊張化により有事のドル買いが進んだことに加え、米国の第2四半期GDP成長率が市場予測を上回ったことでドルが上昇。31日には、隣国アルゼンチンの債務危機という火の粉や、ポルトガルの民間銀行の経営悪化の再燃を受け、大幅なドル高レアル安となり、月末の終値は1ドル=2.2674レアル(売値)で、前月末比2.95%ものドル高で7月の取引を終えた。
(ア)7月のブラジルの株式相場(Bovespa指数)は、月の半ば過ぎまで、ほぼ右肩上がりの上昇となった。月のはじめ、発表された米国の雇用統計が予想を上回ったことや、ブラジルがワールドカップで大敗を喫したため、経済運営が批判されているルセーフ政権にとってマイナスになるとの見方が強まり、政府系企業を中心とした株が買われ株価は上昇。
(イ)月の半ば、米国とロシアの関係悪化を懸念して一時下落する場面もあったが、大統領選の世論調査でルセーフ大統領と野党の有力候補の支持率が拮抗したこと、ヴァーレの鉄鉱石生産量や中国経済に関するデータが好調だったことで鉄鉱石関連株が買われたこと、Copomが議事録でSelicの引き下げを否定した次の日に中央銀行が景気回復のため与信促進策を発表したことなどから、24日には57,978ポイントの今年の最高値を記録した。
(ウ)しかし月末に向け、格付け会社のムーディーズがラテンアメリカの石油公社をめぐる信用状況が悪化していると指摘したためペトロブラス株が大きく売られ、また、米国の第2四半期GDPが好調であったものの、FRBが量的金融緩和の前倒しは行わないと発表したことで株価は下落に転じた。
(エ)月末、対外的にアルゼンチンのデフォルト懸念やポルトガルの民間銀行をめぐる懸念が高まったこと、本年上半期の連邦政府財政が半期として過去最悪だったことで株価は大幅に下落し、月末は55839ポイントまで値を下げ取引を終了した(それでも前月末比で5.01%の上昇となった)。