Embaixada do Japão

最近の経済情勢 2013年08月

1.経済情勢・経済見通し

(1)中銀が週次で発表している市場(エコノミスト調査)の経済成長予測について、7月26日の発表では本年の経済成長見通しは2.28%で11週ぶりの据え置き、明年の成長見通しも2.60%と前週の見通しから据え置きとなった。

(2)7月9日、IMFは、ブラジルの本年の経済成長率は2.5%(4月時点の見通しより0.5%下方修正)、明年の経済成長率は3.2%(4月時点の見通しより0.8%下方修正)との見通しを示した。

2.経済政策等

(1)7月8日、ルセーフ大統領は、6月24日に発表した「大社会協約(grande pacto)」の一環として、①公共医療施設の充実、②医師が不足している地域への医師の派遣、③医師の育成、の3つを柱とする「保健に関する国家協約」を発表。

(2)7月9日、石油監督庁(ANP)は、プレサル油田鉱区にかかる初めての入札に関する入札図書案を公表。入札公示は8月23日、入札締切りは10月21日。対象はブラジル最大規模のリブラ鉱区で、従来のコンセッション方式ではなく、初めて生産物分与方式で行われる。

(3)7月22日、ブラジル財務省は、本年度予算の執行に関し、2ヶ月に1度の見直しを行い、100億レアルの歳出削減計画を発表。歳出削減の発表は、5月の280億レアルに続いて本年2度目。

(4)8月1日、マンテガ財務大臣は、昨年9月から実施されている100品目の輸入税の引上げ措置が9月末で失効予定であるところ、足下でレアル安が進行していることから、インフレ対策のため、同措置の延長は行わないことを発表。

3.中銀の金融政策等

7月10日、ブラジル中央銀行の通貨政策委員会(COPOM)は、政策金利(Selic)を前回(5月29日)に引き続き0.50%引き上げ、8.50%とする決定を全会一致で行ったところ、中銀の発表概要以下の通り。本年4月に引上げに転じて以降、今回で3回目の引上げとなる。

(1)金融政策委員会は、政策金利の調整を継続し、予断することなく政策金利を年8.50%に引き上げることを全会一致で決定した。

(2)金融政策委員会は、この決定がインフレ率を低下させ、そのトレンドを明年も継続させることにつながると理解している。

4.為替相場・株式相場

(1)7月のドル・レアル為替相場は、初旬は大規模抗議デモをめぐる政治的混乱や経済状況の悪化を受け、レアルから安全通貨のドルへと資金を移動させる動きが強まったことや、発表された米国の雇用統計が市場の予想を上回ったことなどから、レアルは7月1日の1ドル2.23から2.27にまで下落。

(2)月半ばには、中国の第2四半期GDPや、米国の6月小売売上高などの経済指標が市場予想を下回ったことにより景気の先行き不透明感が高まったこと、米国が金融緩和政策の維持を決定したことから、レアルは上昇。その後、概ね1ドル2.22~2.24で推移。

(3)月の後半に向け、ブラジルの6月の失業率が6.0%に上昇するなど、思わしくない結果となったことや、中国経済の成長鈍化がより鮮明となったことで、コモディティに依存するブラジルの通貨が売られ、一時1ドル2.3レアル台までレアルが下落したものの、その後中央銀行が累次の為替介入を実施し、1ドル2.28で7月の取引を終えた。

(4)ブラジルの株式市場(Bovespa指数)も、月の前半は大きく値を下げ、3日には45044ポイントと、2009年4月以来の低水準を記録した。その要因としては、(ア)大規模抗議デモの影響で政治的な不透明感が高まったこと、(イ)資源開発会社OGXによるリオ沖の海底油田発掘中止の発表やペトロブラスが海底油田開発のために必要とする公債発行額が市場予想の50億レアルをはるかに上回る150億レアルと発表されたことを受けた資源関連株の大幅下落、(ウ)鉱工業生産指数や中央銀行の経済活動指標が予想より大幅に悪かったこと等から、外国人投資家が資金を引き揚げたことが挙げられる。

(5)しかし、月の半ばからは、(ア)米国連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が金融緩和政策を継続すると発言したこと、(イ)国立経済社会開発銀行(BNDES)がエイケ・バチスタ氏のグループ企業の支援に乗り出すとの情報が伝わったこと、(ウ)値を下げていたブラジル株に対する値頃感やレアル安の進行により輸出企業を中心に買いが入ったことから、株価は上昇に転じた。月末は、前月末比で今年初めてのプラスとなる48234ポイントで取引を終了した。


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