(1)中銀が週次で発表しているエコノミストへの調査に基づく経済成長予測に関し、6月27日の発表では、本年の経済成長見通しは1.10%と前週より下方修正、明年の経済成長見通しについても1.50%と前週より下方修正されている。
(2)6月26日、中銀は、四半期に一度公表している「インフレ報告書」において、本年の経済成長率見通しを1.6%、インフレ率を6.4%とした。
(1)6月4日、財務省は、期間6か月から1年の海外からの借入れに関して、6%の金融取引税(IOF)を撤廃すると発表した。財務省は、今回のIOF撤廃によって、国内企業や銀行の資金調達コストの引下げを支援するとした。
(2)6月11日、政府は、6月30日が期限であった伯亜自動車協定の1年延期を発表した。免税枠のクォータはこれまでの1.95から1.5に変更された(亜の輸出額100ドルに対し、伯の輸出額150ドルまで関税が免税となる)。
(3)6月16日、マンテガ財務大臣は、(ア)中小企業の株式公開促進のため、中小企業の株のキャピタルゲインに課せられる所得税を、2023年まで免除すること、及び(イ)インフラ関連社債の発行促進のため、特定の分野のインフラプロジェクトに関連する社債から得られるキャピタルゲインに課せられる所得税の免税措置を、2020年まで延長することを発表した。
(4)6月18日、マンテガ財務大臣は、(ア)輸出企業への税返還制度の恒久化、(イ)建築資材や資本財に対する工業製品税(IPI)の免税措置の継続、(ウ)滞納する税金の分割払い制度(Refis)の適用条件の緩和、(エ)資本財、バス・トラック、インフラに関する技術革新等特定の分野に関して低利での融資を認める投資継続プログラム(PSI)の延長及び拡大等、主に工業部門に対する経済政策を発表。
(1)6月5日、中銀は、5月28日に行われた通貨政策委員会(COPOM)の議事録を公表、今年の経済成長は2013年を下回るものの、インフレの上昇に対して引き続き警戒するとして、当面は政策金利(Selic)を据え置く方針を示唆した。
(2)6月6日、中銀は、6月末が期限となっていた為替介入プログラムを7月以降も延長すると発表。6月24日、為替介入プログラムを少なくとも年内は継続すると発表した。
(3)6月25日、中銀の国家通貨審議会は、これまでと同様2016年のインフレ目標の中央値を4.5%とし、目標レンジを上下2%とした。2014年及び2015年についても、目標値は4.5%、レンジは上下2%で据え置いた。あわせて、国家経済社会開発銀行(BNDES)の長期貸出金利も5%に据え置いた。
(ア)6月のドル・ レアル為替相場は、月のはじめ、米国経済が回復の兆しを示す一方で、GDP等の指標に見られる通りブラジル経済は停滞気味であったことから、2日にはレアルは前日比▲1.6%と急落、4日には1ドル=2.2831(買値)となり、月内で最安値を記録した。その後、政府は、海外から期間半年から1年の融資を受ける際に課される6%の金融取引税(IOF)の免除、及び昨年より実施している通貨スワップを倍増する方針を発表、月の半ばはレアルが値を戻す展開となった。
(イ)イラク情勢の緊迫化やロシアによるウクライナへのガス供給の停止を受け、有事のドル買いが進むとともに、米国の5月の消費者物価指数が予想を上回ったことでドルは再び上昇。ただし、米国FRBによる長期金利見通しが引き下げられたことや、中銀による為替介入プログラムを今年末まで継続すると発表したことでレアル高が強まり、月末の終値は1ドル=2.209レアル(買値)、前月末比で1.4%のレアル高となった。
(ア)6月のブラジル株式相場(ボベスパ指数)は、4月の鉱工業生産指数が前期比▲0.3%、前年同期比▲5.8%で、リーマンショック時の2009年9月に次ぐ悪い数値だったこともあり、月のはじめは横ばいで推移した。しかし、大統領選に関する世論調査でルセーフ大統領の支持率が低下したことで政府系企業を中心に株が買われ、また、5月の拡大消費者物価指数(IPCA)が前月比▲0.21%の0.46%と予想より低かったことで、株価は一日で3%超の大幅上昇となった。その後も、米国の株価が史上最高値を連日更新したこと、世論調査でルセーフ政権の不支持率が発足以降初めて支持率を上回ったこと、 ワールドカップの開幕直前、ブラジル代表の活躍への期待感が高まる中で、ワールドカップ期間中の取引中断を見越した買いが入ったことで上昇し、18日には55,202ポイントと今年の最高値を記録した。
(イ)しかし、GDPの中央銀行版といわれるIBC-Brが発表され、4月が前月比で僅か0.2%の伸びにとどまり、前年同月比では▲2.29%となったことから、ブラジル経済に対する悲観的な見方が強まると、株価は下落へと転じた。その後も、大統領選の世論調査でルセーフ支持が横ばいで減少しなかったことや、政府系金融機関の不良債権の増加傾向を示すデータが発表されたことを嫌気し、株価は続落。さらに、5月の政府財政が▲110億レアルと過去2番目に大きい赤字を記録、2014年の政府目標(GDP比1.9%)の達成は困難との見方が強まり、月末は53,162ポイントまで値を下げ取引を終了した。ただし、6月の終値は、前月末比では3.75%の上昇となった。