Embaixada do Japão

最近の経済情勢 2013年07月

1.経済情勢・経済見通し

(1)中銀が週次で発表している市場(エコノミスト調査)の経済成長予測は、下方修正が続いており、6月21日の発表では本年の経済成長見通しは2.46%と前週の2.49%から下方修正、明年の成長見通しも3.10%と前週の3.20%から下方修正された。

(2)6月27日、ブラジル中銀は、本年の経済成長率は2.7%(3月の前回見通しより0.4%下方修正)、インフレ率は6.0%(3月の前回見通しより0.3%上方修正)との見通しを示した。

2.経済政策等

(1)6月4日、ルセーフ大統領及びアンドラーデ農務大臣は、貯蔵施設向けの低利融資枠の設定等を盛込んだ2013/14年農畜産業計画を発表。

(2)6月5日、ルセーフ大統領は、港湾業界の効率的な管理・運営を損なう恐れがあるため、一部の業者に特権を与えることは適切でないとして、議会で承認された港湾法改正にかかる暫定措置令の一部に拒否権を行使。

(3)6月10日、ベルキオール企画予算大臣は、成長加速プログラム(PAC)2の進捗状況について、本年4月末までに総額の54.9%について事業が完了したとして、順調に進捗しているとの発表を行った。

(4)6月13日、マンテガ財務大臣は、通貨デリバティブ取引にかかる金融取引税の廃止を発表。

(5)6月17日、ルセーフ大統領及びパトリオッタ外相は、伯外務省リオブランコ研修所修了式において、多極主義の重要性を指摘しつつ、ブラジルの通商問題は多数国間、地域的及びグローバルな枠組みにおいてのみ解決可能であるとして、二国間の通商協定よりも多数国間の枠組みの重要性を強調するスピーチを行った。

(6)6月18日、ルセーフ大統領は、長く懸案となっていた鉱業法改正案(ロイヤルティの変更、規制機関の改組、探査開発のためのコンセッション契約等を定める。)を議会に提出。

(7)6月21日、ルセーフ大統領は、国内各地での大規模デモを受け、国民に向けたメッセージを発出し、①財政規律による経済の安定、②外国人医師の導入による公的医療の改善、③政治・選挙改革のための国民投票の実施、④公共交通機関の整備に対する500億レアルの投資、⑤石油ロイヤルティ収入全額の教育への投資、の5項目の改革案を提示。

3.中銀の金融政策

(1)レアルの下落に対抗するため、6月10日、18日、21日、25日等複数回にわたり通貨スワップ入札を行い市場介入を実施。

(2)トンビーニ中銀総裁は、6月17日付バロール・エコノミコ紙のインタビュー記事で、「金融政策において、なされるべきことを実行する」と述べ、政策金利(Selic)を二桁に引き上げるかどうかという質問にも「我々に制限はない」と述べた。

(3)6月25日、レアル支援措置の一環として、国内銀行に課しているドルショートポジションの準備率を撤廃することを発表。

4.為替相場・株式相場

(1)6月のドル・レアル為替相場は、バーナンキ連邦準備理事会(FRB)議長の「順調に景気が回復すれば金融緩和策の規模を縮小する可能性もある」との発言や、ブラジルの1-3月のGDP統計が市場予測を下回ったこと、とりわけ貿易赤字の拡大が嫌気されたこと、中国経済の減速等から投資家のリスク回避傾向が一層強まったこと等から、レアル売りドル買いの動きが続き、レアルの対ドルレートは下落し、6月前半は1ドル=2.1~2.2レアル台の水準で推移。

(2)その後、ブラジル国内での大規模抗議デモの広がりが、投資家の短期資金の引上げの動きに拍車をかけ、中銀の度重なる市場介入や金融取引税(IOF)の一部廃止といった措置にもかかわらずレアルは下落し、6月21日には2.2648レアルまで達した。しかし、その後の中銀の介入や、銀行のドルショートポジション準備率の廃止等の措置から、24日には2.2276レアル、6月27日には2.1レアル台にまで回復した。

(3)ブラジルの株式市場(Bovespa指数)も、米国が経済回復基調にあることや、S&P等大手格付け会社が軒並み新興国の国債格付けを引き下げるとの憶測が広まっていることなどを原因として、他の新興市場国株式とともに下落を続けていた。その後、大規模抗議デモの発生が主として外国投資家に懸念材料となり、6月6日の最初の抗議デモ発生時には52884.83ポイントであったが、大規模抗議デモの全伯的な広がりを受け、25日には46,893.04ポイントとなり(1週間で4.6%下落)、2009年4月以来の低水準を記録した。

(4)しかし、25日以降は、商品相場の上昇、米国経済の回復に支えられた米国株式の上昇への連動、更に、ここ1か月程の大幅下落を受けた国内ファンドの押し目買いなどを受けてウジミナスなど鉄鋼メーカーを中心に若干の値上がりを見せ、27日には1週間ぶりの高値である47069ポイントまで回復した。


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