Embaixada do Japão

最近の経済情勢 2013年06月

1.経済情勢・経済見通し

(1)中銀が週次で発表している市場(エコノミスト調査)の経済成長予測は、このところ下方修正が続いており、5月31日の発表では本年の経済成長見通しは2.77%と前週の2.93%から下方修正、明年の成長見通しについても、3.40%と前週の3.50%から下方修正された。

(2)5月29日、ブラジル地理統計院(IBGE)は、本年第1四半期のGDP成長率が前期比0.6%、前年同期比1.9%となったと発表した。農業が前期比9.7%、前年同期比17.0%の成長を見せた一方、サービス業は前期比0.5%、前年同期比1.9%の伸びに留まり、工業部門に至っては前期比マイナス0.3%、前年同期比1.4%とマイナス成長を記録した。

2.経済政策等

(1)5月14日、貿易審議会(CAMEX)は、資本財、情報通信機器157品目について関税を引き下げることを決定。

(2)5月20日、ブラジル政府は、昨年導入された新自動車産業支援策(イノバール・アウト)に関し、自動車メーカーが工業製品税(IPI)の減免(最大30%まで)に利用できるクレジットを獲得するために必要となるブラジル国内の生産ステージ数を拡大するなど制度の一部見直しを行うことを定めた政令を公布した。

(3)5月23日、ブラジル中銀は、預金保険の上限額を預金者一人当たり一金融機関につき現行の7万レアル(約350万円)から25万レアル(約1250万円)に引上げる決議を公布した。

3.金融政策

5月29日、ブラジル中央銀行の通貨政策委員会は、政策金利(Selic)を0.50%引き上げ、8.00%とする決定を全会一致で行った。中銀の発表概要以下の通り。

(1)金融政策委員会は政策金利の調整を継続し、予断することなく政策金利を年8.00%に引き上げることを全会一致で決定した。

(2)金融政策委員会は、この決定がインフレ率を低下させ、そのトレンドを来年も継続させることにつながると理解している。

4.為替相場・株式相場

(1)5月のドル・レアル為替相場は、月の半ば過ぎまで緩やかにドル高レアル安が進み、月末にその傾向が顕著となった。月のはじめ、欧州中央銀行が利下げに踏み切った影響や、米国の景気回復が堅調だとの見方が強まるなか、安定通貨のドルが買われる展開となった。その後、更に欧米諸国の景気回復傾向や、バーナンキFRB議長による「順調に景気が回復すれば金融緩和策の規模を縮小する可能性もある」との発言を好感し、ドルは上昇。5月22日には1ドル=2.05レアルを突破して本年のドル最高値を記録した。

(2)月末においても、米国の景気指標が予想を上回った一方でブラジルの国際収支が悪化したことや、ドル高レアル安傾向にも関わらず中銀が介入しなかったこと、さらに、発表されたブラジルの第1四半期GDPが予想と期待に反して景気停滞を示すものだったことなどから、レアルが大きく売られる展開となった。また、米国の景気回復とともに金融緩和政策が見直されるとの見方が強まり、中央銀行が介入したにも関わらず、ドルは更に上昇し、2009年5月以来のドル高となる1ドル=2.1314レアルに達した。

(3)5月のブラジルの株式市場(Bovespa指数)は、海外の株価下落を反映して始まったが、米国の失業率が低下したことや、米国や欧州の景気回復への期待感が高まったことから上昇。しかし、トンビーニ中銀総裁の「下半期から来年にかけインフレが低下するよう必要な措置を講ずる」との発言から、月末にSelicが引き上げられるとの観測が強まったことなどが影響し、株価は下落。

(4)さらに、月末発表されたブラジルの本年第1四半期のGDPが予想と期待を下回るとともに、それにも関わらず中銀がSelicを市場予測を上回る0.50%引き上げたことから、株価は大幅な下落となった。


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