4月17日、IMFはWorld Economic Outlookを公表し、ブラジルのGDPは、2011年に英国を抜き、世界第6位となったが、2012年に再び英国に抜かれ第7位に戻り、2015年に第6位に再度戻る見通しとなっている。なお、2017年にはフランスを抜き世界第5位となる見込みである。IMFの2012年ブラジルGDP予測は3.0%。
ブラジルのGDPは、2006年は約1兆ドルであったが、2011年には約2.4兆ドルであり、5年間で2倍以上に増加した。
GDP順位上位10ヶ国 (単位:10億ドル)
順位 |
2006年 |
2011年 |
2012年 |
2015年 |
2017年 |
|||||
1 |
米国 |
13,377 |
米国 |
15,094 |
米国 |
15,610 |
米国 |
17,784 |
米国 |
19,705 |
2 |
日本 |
4,357 |
中国 |
7,298 |
中国 |
7,992 |
中国 |
10,581 |
中国 |
12,714 |
3 |
ドイツ |
2,905 |
日本 |
5,869 |
日本 |
5,981 |
日本 |
6,372 |
日本 |
6,696 |
4 |
中国 |
2,713 |
ドイツ |
3,577 |
ドイツ |
3,479 |
ドイツ |
3,741 |
ドイツ |
3,893 |
5 |
英国 |
2,448 |
フランス |
2,776 |
フランス |
2,712 |
フランス |
2,984 |
ブラジル |
3,268 |
6 |
フランス |
2,260 |
ブラジル |
2,493 |
英国 |
2,453 |
ブラジル |
2,872 |
フランス |
3,198 |
7 |
イタリア |
1,875 |
英国 |
2,418 |
ブラジル |
2,450 |
英国 |
2,851 |
英国 |
3,168 |
8 |
カナダ |
1,279 |
イタリア |
2,199 |
イタリア |
2,067 |
ロシア |
2,659 |
ロシア |
3,106 |
9 |
スペイン |
1,238 |
ロシア |
1,850 |
ロシア |
2,022 |
インド |
2,384 |
インド |
2,906 |
10 |
ブラジル |
1,089 |
カナダ |
1,737 |
カナダ |
1,805 |
イタリア |
2,158 |
イタリア |
2,248 |
(出所)IMF: World Economic Outlook
ルセーフ大統領は、メーデー(5月1日)の演説にて、「もし、金利が国際市場と同水準となったら、ブラジルは十分に競争力を持つだろう。政府による経済を安定させる努力によって、金利は低下している。銀行は基本金利(Selic)が低下している中、現行と同じ金利にて企業や消費者の貸付けを続けることはできない。Selicは下落し、インフレは安定しているが、クレジットカード等の利率は下がっていない。連邦貯蓄金庫(CAIXA)とブラジル銀行は金利引下げを行った」との旨述べ、銀行に対し利下げを促した。
5月3日、ブラジル政府はポウパンサ預金(貯蓄預金)の新規預金に対し、利率を変更(旧来は年利6.17%+参考金利(TR)で固定)し、基本金利(Selic)が8.5%以下となる場合、同預金の利率をSelicの70%+参考金利(TR)にすることとした。もし、ポウパンサ預金の利率が旧来のままで、Selicが8.5%以下に引き下げられた場合、国債等の利率(税金等課税後)が、ポウパンサ預金の利率より低くなることから、投資資金が国債等からポウパンサ預金の移動してしまう事態が生じる。今回の利率引下げ措置の目的は、投資資金の国債等からポウパンサ預金への移動を防ぎ、今後のSelic引下げ余地を作ることにある。なお、現在のポウパンサ預金の口座数は1億、口座残高は4310億レアルである。