(1)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に基づく経済成長予測に関し、2月27日の時点では、本年の経済成長見通しはマイナス0.58%と前週より下方修正、明年の経済成長見通しは1.5%と前週から据え置きとなっている。
(2)2月11日、財務省国庫局は、「2014年の国債報告及び2015年の資金計画」を発表し、非居住者の国債保有割合は全体18.6%で昨年16.1%から増加したこと等を明らかにした。
(3)2月24日、ムーディーズは、ペトロブラス社の格付を「Baa3」から投資不適格となる「Ba2」に引き下げた。
(1)2月5日、レヴィ財務大臣は各州の財務次官に対し2015年の財政政策の調整について各州も連邦政府と同様の財政規律改善に向けた取り組みを行うよう促した。
(2)2月9日、トルコで開催されたG20財務大臣・中銀総裁会議に関連した会議においてブラジル政府は4月までに成長を回復するための政策の一環として新たな投資促進戦略を策定する予定であると発表した。
(3)2月18日、レヴィ財務大臣は、ニューヨークで内外の投資家に対してブラジル経済に関する講演を行い、2014年の経済成長率がマイナスになる可能性があることに言及した。
(4)2月22日、レヴィ財務大臣は当地エスタード・デ・サンパウロ紙のインタビューにおいて、本年のプライマリーバランス黒字目標であるGDP比1.2%の達成には、疑いを持っていない、これまで発表してきた補助金及び減税措置の削減政策は、新たな税制の導入や異例の措置を実施しているというわけではなく、単に反景気循環的な観点で緩んでいたものを通常状態に戻しているだけである旨強調した。
(5)2月23日、ベルキオール前企画予算大臣が、連邦貯蓄公庫(カイシャ・エコノミカ)の総裁に就任し、カイシャは100%公的金融機関であるとし、同行の民営化について否定的な発言を行った。
(6)2月26日及び27日、財務省は、複数の歳出削減及び歳入増加策(各省庁の経費削減、企業の社会保険料削減策の廃止、輸出企業への税の還付額の引下げ等)を発表した。これに関連してレヴィ財務大臣は、本年のプライマリーバランス黒字目標を達成するための補助金削減及び増税政策の効果は、1110億レアルに達した、プライマリーバランス目標への到達のためには、これまでに発表された政策で充分だと確信しているが、税収額が予想を下回る場合はさらなる調整が必要となる可能性があると述べた。
(7)2月27日、レヴィ財務大臣は、上記の企業の社会保険料削減策の廃止について、これまでの削減策が全く企業の雇用増加につながっていないとして第一次ルセーフ政権の政策を批判した。これに対してルセーフ大統領は、「レ」大臣の発言は大変遺憾であると発言。
(1)2月8日、トンビーニ中銀総裁は、トルコでのG20財務大臣・中銀総裁会議に出席し、ブラジルが今後数年の市場の信頼感を改善し、現在実行している政策が2016年以降の中期的見通しを改善するとしてG20各国を説得できることに自信を持っていると述べた。また同総裁は国際金融協会(IIF)での講演において、主要通貨の相場が引き続き不安定な中、中銀の通貨スワップを通じた市場介入策が企業にとってプラスとなっていること、原油価格の下落はブラジルの経常収支改善に資すること、短期的なインフレ期待は上昇しているが、長期的な見通しは改善しつつあること等を述べた。
(2)2月10日、アワズ・ペレイラ伯中銀副総裁は、米ドルの上昇がブラジルにとってインフレ圧力となっており、こうした状況は、少なくとも本年前半は継続するとした上で、中銀はインフレに寛容となることはなく引き続き警戒を続けるとし、今後の政策金利引上げサイクルの継続を示唆した。
(ア)2月のドル・レアル為替相場は、1月にレヴィ財務大臣が為替市場への介入に対して消極的な姿勢を示して以降、ドル高レアル安傾向が加速し、月のはじめに1ドル=2.6888レアル(買値)という月内ドル最安値でスタートし、その後もドル高レアル安が進行する展開となった。レアル売りの要素としては、汚職問題の渦中にあるペトロブラスの経営陣後退をめぐる騒動と新総裁にベンディーネ・ブラジル銀行頭取が選ばれたことへの失望、ペトロブラスの格付け引き下げなどが挙げられる。さらに、干ばつの影響によるブラジルの電力と水の不足への懸念が増したことも影響している。
(イ)他方、ドル買いの要素としては、米国の雇用統計が良かったことや、ギリシャの財政問題に関してEU内で一応のコンセンサスが得られたことが挙げられる。ドルは米国FRBのイエレン議長がゼロ金利解除に慎重な姿勢を示したことで売られる場面も見られたが、一時的な動きにすぎず、23日には1ドル=2.8811レアル(売値)というほぼ11年ぶりとなる2004年9月以来のドル高レアル安水準を記録した。月末は前月末比8.11%ものレアル安となる1ドル=2.8782レアル(売値)で取引を終えた。
(ア)2月のブラジルの株式相場(ボベスパ指数)は、月内最安値となる47,651ポイントでスタートした後、特に月の半ばから緩やかに上昇する展開となった。月のはじめ、ペトロブラス社のフォスター総裁が辞任の意向を示し、ルセーフ大統領がそれを受け入れるとともに同社の経営陣全員を交代させると発表したことを好感し、ペトロブラス株は過去16年間で最大となる15%もの大幅上昇となった。しかし、ルセーフ統領が新総裁にブラジル銀行の頭取という政府に近い人物を選んだことで市場は落胆し、同社株とともに株価全体は再び下落した。その後も、危機的な状態と今後への懸念が伝えられる水不足問題や、ペトロブラスのムーディーズによる投資不適格への格下げなど、ブラジル経済に関しては全般的に悲観的な要素が多く、株価の押し下げ要因となった。
(イ)他方、中国が景気回復策を講じるとの期待感からヴァーレやペトロブラスなどコモディティ関連株が上昇したことや、ウクライナやギリシャ情勢が沈静化に向かうとの観測が強まったことなどが、株価の上昇要素として挙げられ、13日に今年初めて株価は50,000ポイントを回復した。そして、月末は前月末比9.97%プラスとなる51,583ポイントで2月の取引を終了した。