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最近の経済情勢 2014年2月

1.経済情勢・経済見通し

(1)中銀が週次で発表しているエコノミストへの調査に基づく経済成長予測に関し、1月31日の発表では、本年の経済成長見通しは1.91%、明年の経済成長見通しは2.20%と共に前週から据え置きとなっている。

(2)1月6~7日、ブラジル国債の格付けに関し、各社が以下のとおり発表。

(ア)S&P:本年10月の大統領選挙前に現在のBBB(見通し:ネガティブ)から格下げの可能性あり。
(イ)フィッチ:本年はBBB(見通し:安定的)に格付け維持の方針。
(ウ)ムーディーズ:本年はBaa2(見通し:安定的)に格付け維持の方針。ただし、政府債務比率が対GDP比65%に近づけば格下げとなる可能性がある。

(3)1月21日、IMFは昨年10月に発表した「世界経済見通し」の改定版を発表し、ブラジルの経済成長率について、本年2.5%、明年2.8%となると予測。

(4)1月24日、ブラジル中銀により発表された2013年の経常赤字額は813億7400万ドルとなり2001年以降最大規模となった。

2.経済政策・要人発言等

(1)1月24日、ルセーフ大統領は、スイス・ダボスにて開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)において、ブラジル政府によるインフレ目標の達成及び財政規律の強化の努力を強調しつつ、ブラジルには旺盛な需要に裏打ちされた豊富なビジネス機会が存在しており、特にインフラ分野への外国資本による積極的な投資を求める旨の演説を行った。

(2)1月24日、マンテガ財務大臣は、ダボス会議においてBRICS経済の見通しに関するパネルディスカッションに参加し、BRICS諸国が引き続き今後の世界経済の牽引力となる旨の発言を行った。

(3)1月28日、マンテガ財務大臣は、ブルームバーグのインタビューにおいて、(ア)足元のレアル安がインフレをあおることはなく、対米ドルレートは均衡に向かって推移する、(イ)ブラジルの財政政策は拡張的ではなくインフレの鎮静化に寄与する、(ウ)ブラジルに資本逃避の兆候はなく経済のファンダメンタルズは強固である、(エ)本年の経済成長は2.5%を上回る等述べた。

3.中銀の金融政策等

(1)1月15日、通貨政策委員会は、政策金利(Selic)を前回に引き続き0.50%引上げ、10.50%とする全会一致の声明を発表した。

(2)1月27日、トンビーニ伯中銀総裁は、ロンドンにおける講演で、中銀による利上げは、インフレ及び新たに台頭した世界的な金融情勢に対処するためであるとし、ブラジルレアルの下落がインフレに及ぼす影響に対処していく旨を強調した。
また、同総裁は、ダボス会議におけるルセーフ大統領の演説に関して、健全な財政政策を採用することがブラジルにとって最優先の課題であることを示すものであると述べた。

4.為替市場・株式市場

(1)為替市場

(ア)1月のドル・レアル為替相場は、月の前半はもみ合いながらもレアル高の展開となったが、月の後半は新興国経済に対する不安の高まりからドル高が進行した。

(イ)月初は、中国の工業に関する指標が悪かったことや米国の金融緩和政策の変更見込みが強まったことに加え、ブラジルの経常収支が2001年以降最大の赤字となったこともあり、大幅なドル高レアル安で始まった。

(ウ)これに対しマンテガ財務相が、2013年の財政収支は目標を上回る見込みであると発表したことなどから、市場では安心感が広がりレアルが買われた。

(エ)その後、米国の好調な雇用統計を受け金融緩和政策の変更が早められるとの見方が強まったこと等からドルが上昇したものの、米国の新規雇用創出数が予想を下回ったことに加え、ブラジルの拡大消費者物価指数(IPCA)が予想より高かったことによる利上げ期待からドルを売ってレアルを買う動きが強まり、20日には月内のレアル最高値となる1ドル=2.3329レアル(買値)を記録した。

(オ)月の下旬になると、政策金利の引き上げがブラジル経済に悪影響を与えるとの見方に加え、トルコやアルゼンチンの通貨が大幅安となったことに連動して、新興国通貨のレアルは下落に転じた。また、米国が金融緩和政策を2月から更に縮小すると発表したため金利上昇を見込んだドル買いも強まった。

(カ)月末になると、トルコなどの金利引き上げにより新興諸国通貨が買われたことや、ブラジルの2013年の失業率が現在の統計が開始されて以降で最低だったことから、レアルは若干値を戻したものの、前月末比マイナス3.57%のレアル安となる1ドル=2.4263レアル(売値)で1月の取引を終えた。

(2)株式市場

(ア)1月のブラジルの株式相場は、海外の主要株価が下落したことに加え、経常収支をはじめブラジル経済ファンダメンタルズに対する悲観的な見方が強まり、昨年末比マイナス2.26%の大幅下落で今年の取引が始まった。その後も、ペトロブラスの財務状況が不安視されたこと、S&Pがブラジル国債の格付けを年内に引き下げる可能性があると示唆したこと等から、ブラジル経済に対する外国投資家の信用が低下し、株価は50,000ポイントを割って続落した。

(イ)月の半ば以降は、年央に燃料価格が引き上げられるとの情報でペトロブラス株が買われ、株価全体が上昇する場面も見られたが、中国などの新興国経済に対する懐疑的な見方が強まったことで下落。

(ウ)その後、新興国経済への不安の高まりや通貨安に対し、トルコやインドが金利を引き上げたことが好感され、株価は一時反発したが、米国が金融緩和政策の解除等から株価は再び値を下げ、月末は前月末比7.51%マイナスとなる47,639ポイントで1月の取引を終了した。


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