Embaixada do Japão

最近の経済情勢 2015年1月

1.経済情勢等

(1)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に基づく経済成長予測に関し、12月26日時点の発表では、2014年の経済成長見通しは0.14%と前週より上方修正され、2015年の経済成長見通しは0.55%と前週から変わらずとなった。

(2)12月23日、伯中銀は、インフレ報告書(四半期に一度公表)を発表し、本年の経済成長率を0.2%(前回9月の報告書の0.6%)から下方修正)、インフレ率を6.4%(前回9月の報告書の6.3%から上方修正)とした。

2.経済政策等

(1)12月3日、ルセーフ大統領は、JPモルガン主催の経済シンポジウムに当てたメッセージにおいて財政安定化に向けた支出抑制に努めるとともに、基礎的財政収支の黒字幅を構造的に引き上げると宣言した。

(2)12月4日、マンテガ財務大臣は在任中を振り返り、ブラジル経済の変革と発展を成功させたことに確信を持っており、とりわけ80年間で最も深刻な世界的金融危機の最中、ブラジル経済を底固いものとし、歴史的低水準の失業率をもたらしたことを誇りに思うと述べた。

(3)12月8日、政府は、2015年連邦予算指針において、向こう3年間のプライマリーバランス目標を決定する際に民間エコノミストの成長率予想を勘案する旨発表した。

(4)12月15日、2014年度年間予算法(LDO)の修正案が、ルセーフ大統領の裁可を得て発効し、これにより2014年度の基礎的財政収支目標について、上限を670億レアルとして、成長加速化計画(PAC)及び減税措置による税収減を差し引くことができることとなった。

(5)12月18日、レヴィ次期財務大臣は、テレビでのインタビューにおいて、貯蓄率を引上げ、貯蓄を原資とした更なる投資を増やすと同時に不安定性を増している金融市場への対応を行う必要があると述べた。

(6)12月19日、伯財務省は、2013年の税収に関する報告書を公表し、税収総額が対GDP比35.95%となり、前年に比べ0.9%上昇したと発表した。

(7)12月29日、ブラジル政府は、低所得労働者に支給する年末ボーナスや失業保険、死亡年金等の給付規則をこれまでよりも厳しくする計画を議会に提出した。これにより年間の歳出を180億レアル削減するとしている。

3.中銀の金融政策等

(1)12月3日、伯中銀は政策金利(Selic)を0.50%引上げ、11.75%とする通貨政策委員会の声明を全会一致で発表した。

(2)12月17日、トンビーニ伯中銀総裁は、ブラジル経済は現在採られている金融政策によって調整過程にあり、外貨準備や財政再建への期待が外部ショックに対するバッファーとなっているとし、改めて2016年中にはインフレ率を目標の中央値である4.5%に持っていくよう市場と対話していくと強調した。

(3)12月30日、伯中銀は、現行の為替市場介入プログラムを少なくとも来年3月まで延長するが、介入規模については一日あたり2億ドルから1億ドルに半減させると発表した。ただし、「必要であれば他の方法でドル売りを行う手段を有している」との姿勢も強調した。

4.為替市場・株式市場の動向

(1)為替市場

(ア)12月のドル・レアル為替相場は、ブラジルの政策金利(Selic)が引き上げられたこともあり、月のはじめはドル売りレアル買いが見られた。しかし、その後は月の半ばまで急激なドル高レアル安が進行することとなった。

(イ)レアル安の要因としては、Selicの引き上げを決めた通貨政策委員会(Copom)の声明文や議事録において、今後の金利引き上げに消極的な姿勢やインフレ対策の欠如が示されたこと、原油をはじめとするコモディティの国際価格が下落し、ペトロブラスをはじめとするブラジルの企業および経済への悪影響が懸念されたこと、ロシアの金利引き上げにもかかわらずルーブルが対ドルで大幅安となった影響を受け、レアルを含む資源国通貨の売りが加速したことなどが挙げられる。

(ウ)また、ドル高の要因としては、米国の雇用情勢に回復傾向が見られたことや、原油価格の下落でリスクテイクの動きが後退しドルを選好して買う動きが強まったことが挙げられる。12月17日には、2005年以来のドル高レアル安となる1ドル=2.7246レアル(売値)を記録した。

(エ)その後、ロシアが大規模な為替介入を実施したことや、ブラジル中銀が現在行っている連日のスワップによる為替介入を少なくとも本年3月末まで継続すると発表したこともあり、急激なドルの上昇に歯止めがかかったものの、米国の第3四半期GDPが大幅上方修正されたことを好感し、再びドル高に振れる場面も見られた。そして月末は、レアルが前月末比3.75%の下落となる1ドル=2.6562レアル(売値)で今年の取引を終えた。なお2014年のドル・レアル相場は、レアルが前年末比13.39%下落する結果となった。

(2)株式市場

(ア)12月のブラジルの株式相場(Bovespa指数)は、世界の主要国経済の停滞を示す指標が発表されたことや株式配当への更なる課税がなされるとの見方から、月のはじめに一時ストップ安まで下落した。その後、米国の雇用統計が市場予測を上回ったことで上昇したが、月の半ばにかけて急落する展開となった。その要因としては、中国の貿易収支の悪化や鉄鉱石などのコモディティ価格の値下がり、原油の国際価格の下落が世界経済およびペトロブラスへ与える悪影響などが挙げられる。特にペトロブラスに関しては、主要格付け会社が同社の格付けを引き下げたことに加え、決算報告の発表を延期するなど業績悪化に対する懸念が高まったため、同社株は過去10年間で最安値を記録することとなった。その結果、株価は16日に47,008ポイントまで下落した。

(イ)月の後半は、米国が利上げを慎重に進める姿勢を示したことや、中国と米国のGDPが上方修正されたことで景気回復への期待感が高まり上昇。ただし月末にかけては、クリスマスと年末休暇との関係から取引が薄い中、財務や汚職疑惑で信用の悪化しているペトロブラス株が大幅に売られたため、月末は50,007ポイントと前月末比8.52%の下落で今年の取引を終了した。この結果本年の終値は前年末と比べ2.91%のマイナスとなった。

法的事項  |  アクセシビリティについて  |  プライバシーポリシー

Copyright © 2012 - Embaixada do Japão - Todos os direitos reservados