海外安全対策情報平成29年度第2四半期
平成29年10月27日
1.治安情勢及び一般犯罪の傾向
当事務所管轄の7州(セアラ州,リオ・グランデ・ド・ノルテ州,パライバ州,ペルナンブコ州,アラゴアス州,セルジッペ州,バイア州)では,人通りの多い場所や観光スポット周辺,路線バス,メトロ車内においてけん銃を使用した強盗事件が昼夜問わず発生しており,強盗と警察との銃撃戦で一般市民が被害に遭うケースは少なくない。また,当地は運転マナーも悪く,速度超過や信号無視,運転時の不注意などによる交通事故が多発しており,各地で死傷者が出ている(2012年の伯地理統計院調査における各州都別における交通事故死者数は,レシフェ市が10万人あたり34.7人と各州都中最悪であった)。
2.レシフェ市と周辺における殺人・強盗等凶悪犯罪に係る事例等
(1)7月7日午後3時35分,ボアビアージェン地区の某マンションビルの受付に1人の若い男が現れ,預かり物を受取るための来訪であるとして住人の氏名を告げたところ,住人は留守であったため立ち去った。その10分後,身なりの良い別な男が「借りようと思っているマンションを見に来た。所有者が鍵を貸してくれたので中に入れて欲しい。」と告げ,怪しまれることなくビル内に入り,最初の男が留守宅であると確認したマンションにドアを破って侵入,貴重品のみを盗んで逃亡した。(2)8月27日午後7時15分頃,ボアビアージェン地区エドゥアルド・ワンレルレイ・フィーリョ街のタクシー乗り場において,オートバイに乗った2人組みの強盗から逃れようとしたタクシー運転手がコンセリェイロ・アギアール通りを走って横切ろうとしたところ乗用車に撥ねられて死亡した。犯人らは逃走した。同タクシー乗り場及びその近辺ではタクシー運転手を狙った強盗事件が数件発生している。
(3)8月28日午後3時00分頃,ボアビアージェン地区フランシスコ・ダ・クーニャ街とアントニオ・ファルコン通りの交差点付近で,ペルナンブコ州文民警察の覆面パトカーが犯罪組織のメンバーと思われる男4人が乗った車を停止さたところ,その車は突然後進してアントニオ・ファルコン通りに入り,走ってきた車に側面を激突され走行不能となり,男4人は軍用ライフル及び拳銃を手にして車から飛び出し,覆面パトカーに発砲,銃撃戦が発生,一時は近くの住人及び通行人がパニックに陥った。2名が現行犯で逮捕され,残りの2名は逃走した。
(4)9月4日午後7時頃,ボアビアージェン地区エルネスト・デ・パウラ通りにあるダンスホールから出てきた若い男の集団が通行人から金品等を奪い取った。集団は,警官が駆けつけたため,レシフェ・ショッピングセンターの駐車場に逃げこんで,そのまま屯していたため,追いかけてきた警官が拳銃を空に向かって発砲し,集団を威嚇した(当事務所より直線距離約250m)。
(5)17日午後6時30分頃,ボアビアージェン地区にあるレシフェ・ショッピングセンターのブルーノ・ベローゾ街に面した駐車場出口付近の路上(当事務所より直線距離約580m)に停車した乗用車の中に2人の男がガソリンを撒いて点火,車は炎上した。その男達は別の乗用車で現場を立ち去る際に空へ向けて拳銃を3発撃った。その内の1発が道路に面したマンション13階のベランダに飛び込んだが住人に怪我等はなかった。なお,焼けた車の後部座席から黒焦げの2死体が見つかった。被害者の身元は不明,麻薬密売組織の関係者と警察では見ており,ボアビアージェン地区を舞台とする麻薬密売組織による抗争の一環として捜査を開始した。