トピックス 2018年10月号

平成30年10月3日
ブラジル政治情勢(9月の出来事)
[内政]
(1)ボルソナーロ大統領候補の襲撃事件
(2)ルーラ元大統領の出馬辞退
(3)大統領選・世論調査結果(ボルソナーロ襲撃事件とルーラ出馬辞退の直後)
(4)大統領選・世論調査結果


[外政]
(1)テメル大統領の一般討論演説
(2)ベネズエラ関係
(3)ブラジル・パラグアイ外相会合


トピックス
(1)平成30年春の叙勲伝達式の開催

(2)安保理改革に関するG4外相会合

(3)セアラ州立大学(UECE)日本語講座25周年行事(在レシフェ総領事館)

(4)岩上ラウラ氏への外務大臣表彰(在レシフェ総領事館)

 

【内政】

(1)ボルソナーロ大統領候補の襲撃事件
     9月6日,ミナスジェライス州ジュイス・デ・フォーラ市でキャンペーン中のボルソナーロ候補が暴徒に襲撃される。ナイフが内臓を深く傷付け,同候補は同市内病院に緊急搬送され,手術を受けた後,8日,サンパウロ市内のアルバート・アインシュタイン病院に移送された。同候補は9月29日に退院し,地元リオに戻った。


(2)ルーラ元大統領の出馬辞退
     9月11日,PT(労働者党)は,ルーラ元大統領の代わりにアダッジ元サンパウロ市長を大統領候補とすることを決定。ルーラは,「ブラジル国民への手紙」と題する手紙を発表され,アダッジを自身の後継者として認めるとして,アダッジに投票して欲しいと支持者に語りかける内容。


(3)大統領選・世論調査結果(ボルソナーロ襲撃事件とルーラ出馬辞退の直後)
     9月15日に発表されたダータ・フォーリャ世論調査(9月13日~14日実施)は,ボルソナーロ26%(前回9月10日:24%),シロ・ゴメス13%(前回13%),アダッジ13%(前回9%),アルキミン9%(前回10%),マリナ・シルヴァ8%(前回11%)の結果に。ボルソナーロの支持率が更に上昇,アダッジの支持率急増が顕著に。


(4)大統領選・世論調査結果
     9月20日に発表されたダータ・フォーリャ世論調査(9月18日~19日実施)は,ボルソナーロ28%,アダッジ16%,シロ・ゴメス13%,アルキミン9%,マリナ・シルヴァ7%の結果。ボルソナーロの支持率が更に上昇,アダッジがこれを追い上げる形で支持率急増が継続。

 

【外政】

(1)テメル大統領の一般討論演説
     9月25日,テメル大統領は第73回国連総会で一般討論演説を実施。今回が最後の一般討論演説となる旨述べ,テメル政権による実績を強調しつつ,伯はこれからも開放と統合の精神をもって孤立主義と保護主義に対峙していくと発言。朝鮮半島問題について,伯は対話と連帯を重視する,非核化と平和を推進するための外交的解決を支持していると表明。


(2)ベネズエラ関係
(ア)9月26日,リマ・グループを中心とする6か国(亜,コロンビア,チリ,パラグアイ,ペルー,加)が,ベネズエラにおける人道上の罪に対する捜査をICCに寄託。これに対して,伯は参加せず。

(イ)9月28日,NY訪問中のヌネス伯外相はアレアサ・ベネズエラ外相と外相会談を実施。医療分野の協力や感染症に関する情報交換,国境を越える犯罪への対処,エネルギー分野の支払い等のバイの議題につき協議したと報じられる。


(3)ブラジル・パラグアイ外相会合
     9月11日,カスティグリオーニ・パラグアイ外務大臣が訪伯し,ヌネス伯外務大臣と外相会合。治安協力等のプロジェクトの開始を含むバイの主要アジェンダ,地域やマルチで相互利益をもたらす議題等につき協議。

 

トピックス

(1)平成30年春の叙勲伝達式の開催
     9月17日及び19日、在ブラジル日本国大使館大使公邸にて平成30年春の叙勲伝達式が開催された。
 
     17日、ルイス・アワズ・ペレイラ・ダ・シルバ氏に対して旭日中綬章の勲記及び勲章の伝達が行われ、山田大使による挨拶及び同氏によるスピーチが行われた。伝達式後に行われた会食では、アワズ氏及び同氏関係者、さらに大使館館員参加の間で、なごやかな雰囲気の中、意見交換が行われた。

      19日の伝達式では、タケシ・ミウラ氏に対して旭日双光章、ジュンイチ・ハヤカワ氏に対して旭日単光章のそれぞれの勲記・勲章伝達の後、山田大使による挨拶・各受章者によるスピーチが行われた(ハヤカワ氏についてはアカオカ氏(アレッシャンドレ・グスモン農村文化協会会長)代読)。式には各受章者関係者をはじめとする約60名が出席し、伝達式後、出席した受章者関係者・大使館館員は昼食をとりながら、共に懇談した。

各受章者の主要経歴・功績についてはこちらを参照。

◎9月17日アワズ氏への叙勲伝達式及び会食
 

山田大使挨拶
 

アワズ氏挨拶
 

出席者での写真撮影
 

式典後の関係者との会食
 


◎9月19日ミウラ氏及びハヤカワ氏への叙勲伝達式

山田大使挨拶
 

ミウラ氏挨拶
 

ハヤカワ氏挨拶(アカオカ氏代読)
 

ミウラ氏及び関係者
 

ハヤカワ氏及び関係者
 

昼食の様子
 


(2)安保理改革に関するG4外相会合
     9月25日(火曜日),国連総会出席のためニューヨークを訪問中の河野外務大臣は,午後5時頃(現地時間)から約40分間,安保理改革に関するG4(日本,ブラジル,ドイツ,インド)外相会合に出席した。会合の出席者及び議論のポイントは以下のとおり。

◎出席者
•日本:河野外務大臣
•ドイツ:マース外務大臣
•インド:スワラージ外務大臣
•ブラジル:ヌネス外務大臣

◎議論のポイント
1.会合では,安保理改革に関する最近の進展を振り返り,安保理改革実現に向けた政治的決意を確認するとともに,今会期の政府間交渉(IGN)でテキスト・ベース交渉を開始することを含め,今後のG4の取組について意見交換を行った。

2.G4外相は,安保理の正統性,実効性及び代表性向上のため,常任・非常任議席双方の拡大を含む形での安保理の早期改革の必要性を再確認した。

3.また,G4外相は,(1)安保理が21世紀の現実を反映する必要があり,そのことが安保理の正統性・信頼性の確保につながること,(2)来年は,安保理改革が国連総会の議題となってから40年目,さらに,現在行われている政府間交渉開始から10年目を迎える中,圧倒的多数の加盟国が安保理改革を支持しているにもかかわらず,いまだ実質的な進展が見られない状況の下で,前会期の政府間交渉において,これまでの取組の成果を取りまとめた文書が改訂されたことを評価し,今会期において進展を得るためにエスピノサ総会議長を支持すること,(3)G4として,他の加盟国との対話を強化していく必要があり,この点,アフリカ共通ポジションがテキスト・ベース交渉に反映されることを支持すること等で一致し,安保理改革前進に向けた今後の取組に関する検討作業を各国の事務方に指示することで合意した。

   


 
•国連安保理改革に関するG4(日本,インド,ドイツ,ブラジル)外相会合共同プレスステートメント(仮訳(PDF)英文(PDF)


(3)セアラ州立大学(UECE)日本語講座25周年行事(在レシフェ総領事館)
     9月19日~21日,セアラ州立大学において日本語講座25周年行事が行われ,丸橋在レシフェ総領事が出席した。

     同行事は,主に日本語講座に参加している学生が中心となり作成したプログラムで,当館主催の広報文化事業として邦楽公演や講演等が実施され,多くの人達を魅了した。

   
9月19日 日本週間での海藤三味太鼓による邦楽公演及び和太鼓ワークショップ
 

9月20日 日本の歴史についての講演
 

9月21日 生け花ワークショップ
 


(4)岩上ラウラ氏への外務大臣表彰(在レシフェ総領事館)
     9月19日,フォルタレーザ市において,丸橋総領事から岩上氏への外務大臣表彰の授与を行った。

     セアラ州立大学言語学教授の岩上氏は,1993年の同大学言語学センター内への日本語公開講座開設に大きく貢献し,以来25年にわたり日本語の普及及び日本文化の紹介に寄与してきた。

     日本文化発信及び日伯両国の架け橋となる教え子達を数多く育ててきている。

セアラ州立大学日本語公開講座創立25周年記念「日本週間」オープニング式典において