トピックス 2016年12月号

2016/12/21
【目次】

(1)我が国有識者による講演の実施

(2)佐藤新大使の着任

(3)佐藤大使の「琉球国祭り太鼓ブラジリア支部創立10周年記念イベント-ゆいまーる-」への参加

(4)百歳以上高齢者表彰式の実施(在サンパウロ日本国総領事館)

内政
(1)サントス日本人会館所有権譲渡法案の議会採択
(2)テメル政権の取組成果の発表
(3)リオ州要人の逮捕
(4)カレーロ文化大臣及びリマ大統領府政府調整庁長官の辞任
(5)汚職対策法案(汚職対策10の措置)に関する動向
(6)コロンビアにおける航空機墜落事故


外政
(1)米国大統領選挙に対する伯政府の反応
(2)セーハ外務大臣の西訪問
(3)天野IAEA事務局長の訪伯
(4)カストロ前キューバ国家評議会議長の逝去
 

(1)我が国有識者による講演の実施

(ア)10月31日と11月1日、渡邊頼純(わたなべよりずみ)慶應義塾大学総合政策学部教授と山上信吾(やまがみしんご)日本国際問題研究所所長代行が、総理大臣官邸の「有識者派遣事業」によりブラジリアに来訪した。

(イ)2名の有識者は、10月31日にブラジリア連邦大学・ブラジリア・カトリック大学共催で、11月1日にアレッシャンドレ・グスマン財団国際関係研究所で、それぞれ「国際貿易と安全保障:日本の視点」と題する講演会へ参加した。

(ウ)この機会に、渡邊教授は21世紀の日本の貿易政策と日本・中南米諸国間の経済的パートナーシップについて、山上所長代行は東アジアの安全保障環境と日本の安全保障政策について、具体的に詳しい内容の講演をした。また、講演に引き続き、非常に活発な質疑応答も行われた。
 

(2)佐藤新大使の着任

     15日,佐藤悟駐ブラジル日本国大使が着任した。
 

(3)佐藤大使の「琉球国祭り太鼓ブラジリア支部創立10周年記念イベント-ゆいまーる-」への参加

(ア)26日、佐藤悟大使は、ブラジリア市内のペドロ・カウモン劇場において当館共催で開催された「琉球国祭り太鼓ブラジリア支部創立10周年記念イベント−ゆいまーる−」に参加した。

(イ)開会式で、佐藤大使は、同支部創立10周年を祝い、挨拶を行った。その後、ブラジリア支部長であるハラ氏から、共催団体である中西部日伯協会連合会(FEANBRA)のスギノ会長と佐藤大使へ記念品が贈呈された。

(ウ)本イベントには、ブラジル各地にある他の9支部のメンバーに加え、Takaryu Hananokai(サンパウロの踊りグループ)、光史太鼓(サンパウロ)、沖縄三線奏者のウエマ・アキラ氏(ブラジリア)、光太鼓(ブラジリア)、日系ブラジル人歌手のミカミ・ヒロユキ氏(ブラジリア)やトヨタ・アンジェライザ氏(サンパウロ)も参加し、会場を盛り上げた。会場には、約900名の観客が集まり、大盛況だった。
 

(4)百歳以上高齢者表彰式の実施(在サンパウロ日本国総領事館)

(ア)11月30日、在サンパウロ総領事公邸にて百歳以上高齢者表彰式を行った。百歳を迎える高齢者の長寿を祝い、多年にわたり社会の発展に寄与してきたことに感謝し、内閣総理大臣からのお祝い状と記念品を贈呈した。本年度、海外在住で表彰を受けられる日本人の方は107名であるが、そのうちサンパウロ総領事館管内の対象者は56名と半数以上の方が当館管内に在住しておられる。

(イ)表彰式当日は18名の対象者ご本人が公邸にお越しになり、元気なお姿をお見せくださった。受賞者の中には車イスの方や103歳の方もおられたが、ご家族が献身的にお世話をする様子とともに、皆さまが今回の表彰を心から喜び祝福する心温まる様子が見られた。

(ウ)なお、中前総領事による祝辞の中で、冒頭、コロンビアにおいて飛行機事故のため多くのブラジルの方々がお亡くなりになったこと、その中にはサッカーを通じた日伯親善に多大の貢献をされた方々もおられたことに触れ、ブラジル国民の皆様に心より哀悼の意を表し、ご家族の方々に連帯の意を表した。
 
     


 

【内政】

(1)サントス日本人会館所有権譲渡法案の議会採択

     10日,サントス日本人会館所有権譲渡法案が下院本会議で可決され,制定された。同法案は,1994年に議会に提出されて以来,22年ごしとなる議会成立となった。(その後,12月6日に大統領裁可を経て官報に公示され,施行された)。
 

(2)テメル政権の取組成果の発表

     12日,大統領府は,テメル政権発足から6か月(暫定政権期からカウント)の成果を発表。歳出上限設定の憲法改正案審議の進捗,教育制度,保健・衛生などの主要分野における改革の取組実績等を強調した他,外交面でも,10月のテメル大統領訪日による戦略的パートナーシップ強化等,対日関係での成果を強調。
 

(3)リオ州要人の逮捕

     16日,ガロチーニョ元リオ州知事(1999~2002年4月まで)が,リオ州内北部カンポス・ドス・ゴイタカーゼス市の同市長選挙において,票の買収など選挙違反を主導した疑いで逮捕された。更に翌17日には,カブラル元リオ州知事(2007年~10年及び11年~14年の2期連続)がラヴァ・ジャット捜査の一環で大手ゼネコンからの収賄容疑で逮捕された。
 

(4)カレーロ文化大臣及びリマ大統領府政府調整庁長官の辞任

(ア)17日,カレーロ文化大臣は政府内の意見対立等を理由に辞表を提出。後任には,ロベルト・フレイレ下院議員(社会民衆党:PPS)が就任。カレーロ大臣は,リマ大統領府政府調整庁長官から私的な利権を要求されたとして右行為を批判し,テメル大統領やパディーリャ文官長からも不当な圧力を受けたとして連邦警察に告発した。

(イ)25日,リマ大統領府政府調整庁長官は事態収拾を図るため辞表を提出。
 

(5)汚職対策法案(汚職対策10の措置)に関する動向

(ア)23日,下院特別委員会は,賛成30票の満場一致で汚職対策法案を可決。一方,原案に含まれていた「公職従事者に対する清廉性テストの実施」等の項目は削除され,本法案の提出者である連邦検察庁はこれに反対。

(イ)24日,連邦検察庁は,「汚職対策10の措置:国連腐敗防止条約の観点から」と題するワークショップをUNODC(国連薬物・犯罪事務所)と共催。ジャノー検事総長は法案を骨抜きにしようとする議会を批判し,本法案は,ラヴァ・ジャット捜査の強化目的のみならず,国際社会の要請に応えるものであると説明。

(ウ)27日,テメル大統領及びマイア下院議長,カリェイロス上院議長の3者は共同記者会見を開き,本法案が規定する項目の一つである「不正な選挙献金の犯罪化」に関し,これを弱めるような議会修正(過去の不正献金を恩赦する方向)を認めないとする共通見解を発表。

(エ)29日未明,下院本会議は,検察当局者に権力乱用罪を設定する(捜査の動きを慎重とさせる内容)など,原案に大きな修正を加えた形で本法案を可決し,上院に上程。

(オ)30日,カリェイロス上院議長は,緊急動議により本法案の即日採決を求めたが,上院本会議では多数議員が反対し,否決された。
 

(6)コロンビアにおける航空機墜落事故

(ア)29日未明、南米杯決勝戦のため、コロンビアのメデジンに向けて移動中のブラジル・サッカー一部チーム「シャペコエンセ」の監督、選手、同行記者等を乗せたチャーター機が同国ラ・ウニオン市の山中に墜落。

(イ)同墜落事故により,19人の選手を含む計71人が犠牲となり,Jリーグでプレイしたエヴェルトン・ケンペス・ドス・サントス・ゴンサルベス選手(元セレッソ大阪,元ジェフユナイテッド市原),クレベール・サンタナ選手(元柏レイソル),カイオ・ジュニオール監督(元ヴィッセル神戸監督)等も犠牲となった。

(ウ)29日,テメル大統領は,「私たちにとって悲しみ極まりない出来事である。私たちに出来ることは,遺憾ながら,祈りを捧げること,そしてご家族を支援するための措置を連邦政府がとることである」とするメッセージを発出。

(エ)30日、メデジンのアナスタシオ・ヒラルド・スタジアムにおいて追悼式典が開催され、(対戦予定であった)アトレティコ・ナシオナルの選手を含め、約4万人の聴衆が出席。ブラジルからはセーハ外務大臣とフレイレ文化大臣が出席。セーハ大臣は、全ての関係者の連帯の意思に対する深い感謝の意を表した。

(我が国は,安倍総理からテメル大統領宛,岸田外務大臣からセーハ外務大臣宛,それぞれ弔意メッセージを伝達。)
 

【外政】

(1)米国大統領選挙に対する伯政府の反応

(ア)9日、米国大統領選のトランプ候補勝利を受けて、テメル大統領は同候補宛に祝意と共に、米伯は価値を共有する二大民主主義国であり、歴史上、様々な分野において強固な関係を保ってきた旨述べ、両国国民を結ぶ友好と協力の絆を一層強化していくことを確信する旨の公開書簡を発出した。

(イ)9日、伯外務省HPは本件選挙に係る声明を発表。伯は、トランプ氏の選出に対し祝意を表すると共に、同氏がスピーチにおいて、国民の分裂克服や全ての国との建設的関係の追求につき言及したことを歓迎するとした上で、「伯は米国との間で、両国国民に資する長年に亘る有益な絆を維持することに努める」とし、既存のコミットメント、及び、両国間のエネルギー、教育、イノベーション、技術、組織犯罪対策、規制の透明・効率化、インフラ、ビジネス促進等の協力アジェンダを踏まえ、トランプ氏が就任する2017年1月以降、新たな政権と協働すると共に、正当かつ協調的な世界秩序を構築する責任を果たすために、グローバルな課題についても対話と協力を推進する用意がある旨表明。
 

(2)セーハ外務大臣の西訪問

(ア)21日から23日にかけて、セーハ外務大臣はスペインを訪問。同大臣は21日、ポンセラ通商大臣と会談し、22日には国王フェリペ6世、ラホイ首相への表敬の他、ダスティス外務協力大臣と会談を行った。

(イ)これらの会談では、二国間の科学技術・イノベーション協力、貿易・投資等のテーマにつき協議が行われると共に、EU・メルコスール間のFTA交渉をはじめとする地域アジェンダについてもレヴューが行われた由。
 

(3)天野IAEA事務局長の訪伯

(ア)23日~25日、天野之弥IAEA事務局長はブラジルを訪問。23日、サンパウロ州イペロ市にあるアラマール実験センターを訪問し、伯多目的原子炉プロジェクトの視察を行った(注:同プロジェクトは核医学のための放射性同位体物質の自己管理を目指すものの由)。

(イ)24日、天野事務局長はブラジリアにおいて、カサビ科学技術・通信大臣、フェレイラ海軍司令官、ガルヴァオン外務大臣代行と会談を実施。

(ウ)25日、天野事務局長はリオデジャネイロ州アングラ・ドス・レイスのアルバロ・アルベルト原子力センターを訪問し、ブラジル・アルゼンチン核物質計量管理機関(ABACC)及び国家核エネルギー委員会等での会合に出席した。
 

(4)カストロ前キューバ国家評議会議長の逝去

(ア)26日、伯外務省はカストロ前キューバ国家評議会議長の逝去に対し、セーハ外務大臣名の声明を発出した。同声明では、「50年に亘りキューバ最高指導者として、同国の政治及び国際場裡において大きな存在を示し、20世紀における最も象徴的な政治指導者の一人として歴史に名を刻む。キューバ革命及び同国の政府の先頭に立ったフィデルの名とその思想及び行動への言及なくして、我々の大陸の歴史を理解することは困難」旨記され、伯政府としてキューバ国民に対し連帯の意と、同国政府及び遺族への哀悼の意が表明された。

(イ)29日、キューバで行われた葬儀には、セーハ外務大臣が出席した。