政治情勢・トピックス 2019年11月号

ブラジル政治情勢(10月の出来事)

【内政】
(1)選挙資金の上限設定に関する法案の成立
(2)北東部沿岸における油汚染
(3)年金制度改革に関する憲法修正案の成立


【外交】
(1)シーヤールトー・ハンガリー外相の訪伯
(2)伯の国連人権理事会理事国選挙の当選
(3)ボルソナーロ大統領のアジア及び中東歴訪


トピックス
(1)山田大使による「柔道グランドスラム2019・ブラジリア」観戦

(2)平成29年度草の根・人間の安全保障無償協力「連邦区ブラスランディア地区教育支援センター整備計画」供与式

(3)坂本雅幸氏・神谷俊一郎氏による和太鼓を通じた日本文化紹介(在クリチバ総領事館)

(4)阿波踊りチーム(レポレーザ)による春祭り公演(在クリチバ総領事館)

 

【内政】

(1)選挙資金の上限設定に関する法案の成立
     3日,ボルソナーロ大統領は,全国市長及び市会議員の選挙運動資金の上限にインフレ調整を施す旨の法案を裁可した。同法律は,2020年統一地方選挙において適用される。

(2)北東部沿岸における油汚染
(ア)5日,ボルソナーロ大統領は,伯北東部に漂着した油に関し,連邦警察,海軍司令部,伯環境・再生可能天然資源院(IBAMA)及びシコ・メンデス生物多様性保全院(ICMBio)に対し,原因及び責任の調査を行うことを命じた。

(イ)9日,IBAMAは,海軍及びペトロブラス社(伯石油公社)の調査に基づき,北東部沿岸で発見された物質が原油であることを結論づけた。また,ペトロブラス社によれば,当該原油は伯産ではないとの由。

(3)年金制度改革に対する憲法修正案の成立
     22日,上院本会議で年金制度改革に関する憲法修正案の基本文書が承認された。これをもって同修正案は成立となる。今後10年間で約8,000億レアルの歳出削減効果が見込まれる(11月12日,上院において,年金制度改革に係る修正憲法の公布式典が開催された)。

 

【外交】

(1)シーヤールトー・ハンガリー外相の訪伯
     7~8日,シーヤールトー・ハンガリー外相が訪伯し,8日,ブラジリアでアラウージョ外相と会談し,第5回伯ハンガリー共同経済委員会を開催した。両国外相は,グローバル課題及び国境を越えた問題に懸念を表明し,多国間システムの役割,両国間の経済的自由,環境保護及び最近の二国間のハイレベル会合につき言及した。更に,両国外相は,迫害を受けたキリスト教徒の擁護に関する協力を確認し,また,グアイド・ベネズエラ暫定大統領の承認を再確認し,自由で公正な選挙の早期実施の期待を表明した。

     また,シーヤールトー外相はボルソナーロ大統領への表敬訪問を行った。

(2)伯の国連人権理事会理事国選挙の当選
     17日,第74回国連総会で実施された人権理事会理事国選挙において,伯は,193票のうち153票を獲得して当選した。任期は2020年から2022年まで。

(3)ボルソナーロ大統領のアジア及び中東歴訪
     22~29日,ボルソナーロ大統領は,日本,中国,UAE,カタール及びサウジアラビアを訪問した。

(ア)22日,ボルソナーロ大統領は天皇陛下即位礼正殿の儀に参列した。翌23日,同大統領は安倍総理大臣と本年3度目となる日伯首脳会談を行い,二国間協力案件,国際場裏における協力及び日系社会との連携等について協議した。また,同日,アラウージョ外相は,茂木外相との間で日伯外相会談を行い,二国間関係の強化等について協議した。

(イ)24~26日,ボルソナーロ大統領は,習近平中国国家主席の招待を受けて中国への公式訪問を行った。25日,同大統領は,習国家主席と伯中首脳会談を行い,伯中間のグローバル戦略的パートナーシップを深化及び強化する意思を確認した。同会談において,計8件の合意文書への署名が行われた。

(ウ)27日,ボルソナーロ大統領は,UAEへの公式訪問を行い,ムハンマド・アブダビ皇太子及びムハンマド・マクトゥーム副大統領兼首相兼ドバイ首長と会談した。両国は戦略的パートナーレベルの二国間関係を高めることで一致し,安全保障,経済協力,電力,観光,文化及びスポーツに関する覚書に署名した。

(エ)28日,ボルソナーロ大統領は,カタールを訪問し,タミーム・カタール国首長と会談した。両国首脳は,伯・カタール外交関係樹立45周年の年に,政治,経済及び投資分野で二国間関係が深化していることに満足を示した。ボルソナーロ大統領の滞在中,一般旅券所持者に対するビザ免除措置(双方)に関する文書に署名がなされた。

(オ)29日,ボルソナーロ大統領はサウジアラビアを訪問し,ムハンマド・サウジアラビア皇太子と会談を行い,サウジアラビアの公的投資基金(PIF)により,最大100億米ドルの対ブラジル投資が発表された。両国は,農業,工業,電力,鉱業,インフラ,輸送及び科学・技術イノベーション等の協力及び投資に関する相互の関心を確認し,投資協定の交渉開始を発表した。ボルソナーロ大統領の滞在中,防衛,文化及び査証に関する覚書に署名がなされた。

 

トピックス

(1)山田大使による「柔道グランドスラム2019・ブラジリア」観戦
     10月6日から8日にブラジリアで開催された柔道グランドスラムのオープニングセレモニーが7日に行われ,伯柔道連盟からの招待を受け,山田大使が出席した。グランドスラムは国際柔道連盟の主催の国際大会で,ブラジルでは2012年以来の開催となり,55カ国316選手が参加した。

     山田大使は,オープニングセレモニー後の試合を観戦し,日本選手・ブラジル選手を応援するとともに,男子81キロ級の表彰式のプレゼンターを行い,同階級で優勝した永瀬貴規選手に金メダルを授与した。また,試合後,日本選手団の井上康生監督とブラジル選手団の藤井裕子監督のもとを訪れ,選手団の健闘を称えた。

     当館においては,柔道を通じて日本の教育・文化の発信を行うとともに,来年東京オリンピック・パラリンピックが開催される機会を活かし,「リオから東京へ」を合い言葉に、ブラジル政府とも連携しながら日ブラジル両国のスポーツ協力の推進に引き続き力を入れていく。


(2)平成29年度草の根・人間の安全保障無償協力「連邦区ブラスランディア地区教育支援センター整備計画」供与式
     10月30日、日本政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力による「連邦区ブラスランディア地区教育支援センター整備計画」(供与限度額額 80,833米ドル)供与式がメニーノヘスス・シスター協会にて行われました。山田大使と連邦区ブラスランジア地区より,ジュジエル・コスタ・ホサ地区長、スエリ・ファティマ・ダヴァレス メニーノヘスス・シスター支援協会長らが出席しました。

     被供与団体であるメニーノヘスス・シスター支援協会は,1976年に創立され、以来40年以上にわたり、連邦区ブラスランディア地区において、幼児教育をはじめとした教育への支援活動を続けています。

     このたび日本政府は,同協会より,幼児教育からより年齢の高い子供たちへの支援を拡大しており、同協会の有する調理場の増築が必要であるとして支援の要請を受けました。日本政府は,この要請を受け,同施設の増築費用として,$80,833米ドルを供与することを決定し、今般同施設が完成しました。

     供与式では、被供与団体から適切な環境の下で、同施設を利用する子供たちの教育環境の向上に貢献できるようになったことへの謝意が表明され、施設に通う子供たちにより歌と踊りが披露されました。
 

スピーチをする山田大使

供与プレート

(3)坂本雅幸氏・神谷俊一郎氏による和太鼓を通じた日本文化紹介(在クリチバ総領事館)
     10月2日~6日,令和元年度在外公館文化事業「春祭り(クリチバ)における日本文化紹介」のためにクリチバ市を訪問したプロの和太鼓奏者,坂本雅幸氏・神谷俊一郎氏(両名元鼓動正規メンバー)が,イヴォーネ・ピメンテル州立学校及びルイーザ・ロス州立学校における教育広報,当地日系太鼓グループへのワークショップ,クリチバ春祭り公演と,様々な活動を行った。

(1)教育広報:州立学校における太鼓公演
(ア)10月3日:イヴォーネ・ピメンテル州立学校
     イヴォーネ・ピメンテル州立学校は,貧困家庭からの生徒達も多く通っており,将来に希望が持てない閉塞感や荒れた家庭環境から非行や自殺を選択してしまう子供達も少なからずおり,同校では昨年2人目の自殺者がでたばかりだった。同校は,学校をあげて自殺防止月間を設定し,未来ある生徒達が旅立ってしまったことへの哀悼と,命の大切さを祈る全校生徒による千羽鶴活動も実施された。今回の太鼓公演による教育広報は,イザベル・モタ校長より,「自殺防止月間の最終日は,太鼓の生きる活力や楽しみを実感できる演奏で飾りたい」と,クリチバ日伯文化援護協会を通じ依頼があり,坂本氏・神谷氏の快諾を得て実現した。

(イ)10月4日:ルイーザ・ロス州立学校
     ルイーザ・ロス州立学校は,年に一度「国際文化月間」を実施しており,各々のクラスに異なる国々が割り振られ,生徒達は自分のクラスが担当する国の文化や生活を調べ,踊りや歌等を通じ,校内で発表会を行っている。その中でも日本は人気が高く,多くのクラスが担当を希望するため毎年抽選を行います。会場には演奏を楽しみにした子供達が集まり,その数は513人に上った。太鼓の準備中には,会場を元気に走り回る子供たちも見られましたが,演奏が始まると,皆さん真剣な顔で太鼓に聴き入り,1時間近く行われた公演の間,誰も立ち歩かなかった。演奏が終わると大きな拍手と歓声があがり,太鼓奏者2名は,握手と記念撮影を求める子供達に囲まれた。

(2)在外公館文化事業:ワークショップ及び春祭り公演
     10月2日から4日の3日間,坂本氏・神谷氏より,クリチバ市太鼓グループ「若葉太鼓」他グループとクリチバ日伯文化援護協会協力の下,平成29年度草の根文化無償スキームで整備した多目的施設を利用し,和太鼓他ワークショップを実施した。時間はほぼ毎日15:00-21:00のハードスケジュールであったが,参加者は最後まで歯を食いしばりながらも生き生きと練習に励み,めざましい上達を見せていた。

     また,10月5日及び6日に,毎年2万人が集まる日本祭り「春祭り(クリチバ)」において,坂本氏・神谷氏が2日間の和太鼓公演を実施した。公演は大盛況をおさめ,両名による尽力のおかげで,和太鼓の魅力を多くの当地市民に届けることができた。


(4)阿波踊りチーム(レプレーザ)による春祭り公演(在クリチバ総領事館)
     2017年のパラナ連邦工科大学と徳島大学が学術提携,そして昨年の移民祭りで深まったパラナ州と徳島県の友好関係を活かし,本年の春祭り(クリチバ)において阿波踊りチーム(レプレーザ)46名をサンパウロ州より招聘し,阿波踊り公演を実施いただきました。会場は,その華やかな踊りと音楽に魅せられ,多くの参加者が一緒に踊ると共に,舞台は大きな成功をおさめました。