トピックス 2016年11月号

2016/11/14
【目次】

(1)ブラジル穀物輸送インフラ改善に係るセミナーの開催

(2)クリチバ市における生け花展示会及び和食講演会・講習会の実施(在クリチバ総領事館)

内政
(1)統一地方選挙の実施
(2)マルセラ大統領夫人の「クリアンサ・フェリス」プログラム大使就任
(3)ルーラ元大統領に対する新たな起訴状の受理
(4)下院における選挙制度改革特別委員会の始動
(5)クーニャ前下院議長の逮捕
(6)コロール元大統領の捜査及び上院付警察官の逮捕
(7)歳出上限設定を定める憲法改正法案の進捗


外交
(1)テメル大統領のアルゼンチン訪問
(2)テメル大統領のパラグアイ訪問
(3)テメル大統領のBRICS首脳会合出席
(4)テメル大統領訪日
(5)ベネズエラ情勢
(6)CPLP閣僚・首脳会合
 

(1)ブラジル穀物輸送インフラ改善に係るセミナーの開催

     10月27日、ブラジリアにおいて、日本の農林水産省主催の「ブラジル穀物輸送インフラ改善に係るセミナー」が開催された。日本側からは農林水産省及び民間企業等、ブラジル側からは農務省、運輸省をはじめとする関係省庁及びマトピバ地域の4州政府等、双方合わせて約70名が参加した。セミナーでは、ブラジルにおける穀物輸送インフラ整備に関する日本側の関心事項に答える形で、ブラジル政府及び各州政府からのプレゼンテーションが実施された。
 
 

(2)クリチバ市における生け花展示会及び和食講演会・講習会の実施(在クリチバ総領事館)

(ア)10月22~23日,クリチバ総領事館はクリチバ市市営市場及びクリチバ日伯文化援護協会と共催し,同市場において生け花展示会及び和食講演会,同協会において和食講演会・講習会を実施した。

(イ)生け花展示会
     クリチバ市に所在する生け花3団体(池坊,小原,山月)がクリチバ市市営市場内において,生け花の展示及びレクチャー・デモンストレーションを実施した。会場には約1200人の市民が訪れ,生け花の美しさに加えて,各団体の花の生け方の違いを知る機会となり,日本文化への理解を深めた。

(ウ)和食講演会・講習会
     サンパウロ在住の小池信也日本食普及親善大使を当地に招へいし,クリチバ市市営市場及びクリチバ日伯文化援護協会において和食講演会・講習会を実施した。10月22日,クリチバ市市営市場では約150名の一般市民及び日本食レストラン関係者に対して「一汁三采」や「鰹節,昆布及び椎茸を使用した出し汁の取り方」について講演し,出し汁を使用した「南瓜のすり流し」を参加者に試食して頂いた。10月23日,クリチバ日伯文化援護協会では約40名の同団体婦人部会員他に対して上述内容の講演に加えて,「焼き鮭混ぜご飯」「リブロース味噌漬サイコロステーキ」「白和え」の料理講習会を実施した。講演会・講習会の参加者からは,出し汁のとり方や食材選びの大切さ,彩りの重要さ等,日本食に対する知識を深めることができたと評価する声が寄せられた。
 
    
    生け花展示会の様子1                                                                     生け花展示会の様子2

    
 クリチバ市市営市場和食講演会の様子1                                 クリチバ市市営市場和食講演会の様子2

    
クリチバ日伯文化援護協会和食講演会・講習会の様子1         クリチバ日伯文化援護協会和食講演会・講習会の様子2

 

内政

(1)統一地方選挙の実施

(ア)2日,統一地方選挙(全国約5,500市の市長選挙及び市議会議員選挙)が行われた。

(イ)主要7都市の市長選挙のうち,特定候補が過半数で当選したのはサンパウロ市のみ(ジョアン・ドリア候補,PSDB:ブラジル社会民主党)。リオデジャネイロやクリチバなど6市では,30日の決選投票に持ち越されることとなった。

(ウ)30日の市長選挙決選投票(18の州都を含む全国57市)では,PSDBが最多の14市で勝利,続くPMDBも9市で勝利した。PTはレシフェ市など7都市で候補者が決選に残っていたがいずれも敗北した。

(エ)第一回投票及び今次決選投票を通じて,最終的に,計5,482市長ポストのうち,PMDBが最多1,038ポストを獲得(前回選挙から1.67%増),次いでPSDBが803ポストを獲得した(前回選挙から15.54%増)。
 

(2)マルセラ大統領夫人の「クリアンサ・フェリス」プログラム大使就任

(ア)5日,大統領府において,マルセラ・テメル大統領夫人の「クリアンサ・フェリス(子供達の幸せ)」プログラム大使就任が発表された。

(イ)同プログラムは社会農村開発省と協力して実施され,ボルサ・ファミリア(低所得者向け条件付現金給付政策)の受給対象である児童約60万人に対して,生後3歳までの医療費を給付する計画。
 

(3)ルーラ元大統領に対する新たな起訴状の受理

(ア)13日,ブラジリア連邦区連邦裁オリヴェイラ判事は,ルーラ元大統領に対する新たな起訴状を受理。起訴内容は,同元大統領が大統領時代に,訪問した外国首脳に対し,伯大手ゼネコンによる建設事業受注に向けた口利きをした疑い。

(イ)これにより,ルーラ元大統領に対して3件の公判が動くこととなった。1件目の起訴内容はペトロブラス元国際局長に対する証言措置の働きかけ(捜査妨害),2件目はOAS社から保養地マンションや不正資金等の収賄及び資金洗浄の疑いとされる。
 

(4)下院における選挙制度改革特別委員会の始動

(ア)19日,連邦下院は,選挙制度改革に関する特別委員会を始動させた。下院は非拘束名簿式比例代表制を採用しており,拘束名簿式に改める是非等について今後議論されていく見込み。

(イ)なお,上院では,政治・選挙制度改革に関する憲法改正案が本会議に上程され,多数政党が存在する現行政治制度の見直し,当選後に離党した議員は議員資格を剥奪する等の措置が議論されている。一方,特に選挙制度の見直しについては様々な論点があり,そのため上院の審議に並行して,下院でも選挙制度改革に特化した特別委員会が設置されたもの。
 

(5)クーニャ前下院議長の逮捕

(ア)19日,連邦警察は,クーニャ前下院議長の身柄をブラジリアで拘束し,クリチバ連邦裁で取調べを行うために同前議長をクリチバに護送した。

(イ)クーニャ前議長は,様々な不正を通じて賄賂を得ていた上に,海外口座に不正資金を隠匿していたとされる。海外資産の所在により国外逃亡するおそれがあるとして,連邦警察は連邦裁モロ判事の許可を得て身柄拘束に踏み切ったもの。

(ウ)同日,連邦警察は,クーニャ前議長所有の高級自動車(ポルシェ2台の他,ランドローヴァー等7台)を含む資産についても家宅捜索で押収したと発表した。
 

(6)コロール元大統領の捜査及び上院付警察官の逮捕

(ア)21日,連邦警察捜査官はコロール上院議員(元大統領)の院内オフィス捜査,及び,上院内警察に対する家宅捜査を実施し,上院内警察4名を逮捕した。

(イ)同警察官4名の容疑は,コロール容疑者に対する捜査の動きを内密に把握し,捜査妨害を行おうとした疑い。

(ウ)コロール元大統領については,2010年から2014年にかけて,2,900万レアルに上る収賄の疑いで,ジャノー連邦検事総長が起訴状を発出していた。
 

(7)歳出上限設定を定める憲法改正法案の進捗

     25日,連邦議会下院は,歳出上限設定を定める憲法改正法案につき2度目の審議を行い,同法案を賛成359票,反対116票(棄権2。その他欠席)の賛成多数で可決した。これにより,12月にも上院での審議が開始される見込み。
 

外交

(1)テメル大統領のアルゼンチン訪問

(ア)3日,テメル大統領は,セーハ外相,ジュンギマン国防相,ペレイラ産業貿易相,モラエス法務相と共にアルゼンチンを公式訪問。マクリ亜大統領と首脳会談,共同記者会見等を行った。

(イ)両大統領は,本年5月に発足した「二国間政策調整メカニズム」を通じ政策協調を促進することで一致すると共に,両国間の通商・投資促進,各種障壁の撤廃,自動車生産における協力,農産品貿易の促進,航空分野及び観光分野での協力を促進することで一致した。

(ウ)テメル大統領は,伯,亜,ウルグアイ,パラグアイ4カ国がコンセンサスに基づき,ベネズエラにメルコスール規則遵守の最後の期間を設けたが,同期限が過ぎれば,ベネズエラは加盟国としての資格を失うであろうと述べると共に,より憂慮すべきは同国で起こっている人権侵害や政府による大統領罷免に向けた国民投票の拒否である旨表明した。
 

(2)テメル大統領のパラグアイ訪問

(ア)3日,テメル大統領は亜に続き,パラグアイを公式訪問し,カルテス大統領と会談すると共に,その後,両国閣僚を交えた拡大二国間会合が行われた。

(イ)両首脳は二国間及び地域のテーマについて意見を交わし,両国間の自動車協定,二重課税防止協定,民事・刑事分野における司法協力協定等の交渉を進めることに合意した。会談後,両国外相間で,ブロードバンドの相互接続に関する協力を強化する事業に関する覚書が署名された。

(ウ)メルコスールに関しては,民主機構の正常な機能が加盟国にとっての根本的な柱であるとの認識が共有された模様。テメル大統領は,カルテス大統領に伯を公式訪問するよう招待した。
 

(3)テメル大統領のBRICS首脳会合出席

(ア)15~16日,テメル大統領はインド・ゴアで開催されたBRICS首脳会合に出席すると共に,各国の企業家を交えた会合,BIMSTEC(ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアティブ)諸国との拡大首脳会合等に出席した。

(イ)席上,テメル大統領は,BRICSは伯にとって「主要な貿易パートナー」であり,「投資の源」として戦略的な重要性を有するフォーラムであると述べ,政治安定性,司法の保障,巨大な消費市場を有する伯への投資拡大を呼びかけた。

(ウ)17日,テメル大統領はモディ印首相と会談し,両国間の戦略的パートナーシップを確認すると共に,更なる協力強化及び投資円滑化を進めることで一致した。会談を受け,農業研究及び薬剤規制に関する当局間協力に係る覚書が署名され,今後伯からインドに対し各分野のミッションが派遣されることとなった。
 

(4)テメル大統領訪日

(ア)18~19日,テメル大統領は,伯国家元首の公式訪問として11年振りに日本を訪問した。19日,テメル大統領は東京において天皇陛下と会見し,その後,安倍総理との間で首脳会談を行った。

(イ)テメル大統領は,首脳会談後の共同記者会見で「伯では,法的安定性と規制予見可能性に係る環境を確立している。伯経済の回復は,外国からの更なる投資,対外貿易,特に日本の投資を通じてなされることを強く自覚している。」と述べ,安倍総理に対し,伯が投資にとって安全かつ良好な環境を強固にしていることを伝えた。会談後,日伯両国はインフラ分野プロジェクトに係る協力文書に署名を行った。

(ウ)テメル大統領は,経団連本部において日本企業との昼食会にも出席。伯大統領府によると,大統領は現政権が伯への投資を呼び寄せるために,必要なマクロ経済の安定と法的安定性の確保のために実施している方策を紹介した。
 

(5)ベネズエラ情勢

(ア)22日,伯はベネズエラ情勢に関する他のOAS諸国(米,亜,加,墨,チリ,コロンビア,コスタリカ,グアテマラ,ホンジュラス,パラグアイ,ペルー,ウルグアイ)と共に共同声明を発出した。

(イ)同声明は,ベネズエラ・ボリバル共和国の国家選挙評議会(CNE)が,国民投票実施に必要な20%の署名集めのプロセスを延期する決定を行ったことに対する深い懸念を表明しつつ,同国の全ての政治関係者が国民対話に向けた迅速かつ平和裏に努力を行うと共に,民主主義及び社会的安定に資する持続的解決がなされることを強く要請。
 

(6)CPLP閣僚・首脳会合

(ア)31日から11月1日にかけて,ブラジリアにおいて,ポルトガル語圏諸国共同体(CPLP)の第21回閣僚会合及び第11回首脳会合が開催された。加盟国(アンゴラ,ブラジル,カーボヴェルデ,ギニアビサウ,モザンビーク,ポルトガル,サントメ・プリンシペ,東ティモール,赤道ギニア)から首脳・閣僚級が訪伯し,会議に出席,テメル大統領,セーハ外務大臣は各国首脳・閣僚との間で二国間会談を行った。

(イ)首脳会合の結果,外交・政治協力,開発協力,ポルトガル語文化・言語普及等に関する「ブラジリア宣言」が採択された。伯は2018年のカーボヴェルデでの首脳会合までの間,議長国を務める。

(ウ)日本は2014年7月からCPLPのオブザーバー国であり,今般の会合には在ブラジル日本国大使館より,日本政府代表として藤村和広臨時代理大使他が出席した。