トピックス 2016年10月号

2016/10/17
【目次】

(1)平成28年度外務大臣表彰式、在外公館長表彰式及び梅田邦夫大使離任レセプションの実施

(2)リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックにおける日本選手団の応援(在リオデジャネイロ総領事館)

内政
(1)ルセーフ前大統領の訴え却下
(2)クーニャ前下院議長の議員資格剥奪
(3)政治・選挙制度改革に関する憲法改正案の審議
(4)検察庁によるルーラ前大統領に対する攻勢
(5)マンテガ元財務大臣の逮捕


外交
(1)テメル大統領の訪中(BRICSサミット出席等)
(2)伯米関係
(3)北朝鮮の核実験
(4)メルコスール議長国移行問題
(5)テメル大統領の国連総会出席
(6)伯のパリ協定批准
(7)コロンビア政府とFARCとの和平最終合意
(8)ペレス・イスラエル前大統領の逝去
 

(1)平成28年度外務大臣表彰式、在外公館長表彰式及び梅田邦夫大使離任レセプションの実施

(ア)23日、平成28年度外務大臣表彰式、在外公館長表彰式及び梅田邦夫大使離任レセプションを実施した。

(イ)表彰式は、ブラジルにおいて柔道の普及に大きな貢献を果たしてきたミウラ道場道主ミウラ・タケシ氏、2015年の日伯外交関係樹立120周年に際して交流事業の実施に貢献した2つの日系団体、及び、日本食の継承・普及への貢献と日系団体の活動を支えてきた10の日系団体婦人会に対し、これまでの功績を顕彰するために行われた。式典には、表彰対象者及びその関係者約250名のほか、来賓としてマリア・ヴィエイラ外務省東アジア局長が出席した。

(ウ)梅田大使は、2014年のFIFAワールドカップ・ブラジル大会、2015年の日伯外交関係樹立120周年、本年のリオ・オリンピック・パラリンピック等を振り返りつつ、2年7か月の在任期間中、「日系社会との連携強化」は自身の最重要業務の一つと位置付けてきたこと、また、2014年の安倍総理夫妻の訪伯や2015年の秋篠宮同妃両殿下のブラジル6州9都市の訪問の際の日系社会による温かなお迎えへの謝意と共に、ブラジル各地の発展、ブラジル全土の親日感醸成、日本文化普及等に大きな貢献を果たしている日系社会への敬意を表しつつ、「特別な人的絆」を有する日伯関係の益々の発展を祈念する旨述べ、離任の挨拶とした。
 

(2)リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックにおける日本選手団の応援(在リオデジャネイロ総領事館)

     リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックが終了して間もない。開始前は治安、準備の遅れ、ジカ熱などの感染症等、様々な懸念が指摘されていたが、大会は無事かつ盛況のうちに終了したというのが大方の評価である。

     さて、在リオデジャネイロ総領事館を中心としたブラジル在外公館が当地日系・在留邦人社会と協力して実施した日本選手団の応援イベントを紹介したい。この取り組みは本年3月に遡る。大会関連情報・安全関連情報の共有及び日本選手団の応援のあり方を検討することを目的として、在伯在外公館長、政府関係機関、在留日本人・日系社会の代表から成る「リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック連絡協議会」(委員長:梅田大使、事務局:在リオデジャネイロ総領事館)を設置し、7月までに計4回もの会合を開催した。

     日本選手団の応援イベントは、多くの日系・在留邦人が一か所に集合しやすいものでなければならず、その一方で、安全性を確保できる場所であることも担保する必用があった。総合的に勘案して慎重に検討を重ねた結果、以下のものを実施した。
 

(ア)オリンピック日本選手団本隊リオ到着時の空港出迎え(8月1日)

     日本選手団本隊到着時に合わせ、当地日系・在留邦人社会代表者、梅田大使、山元在リオ総領事、在リオ総館員等がガレオン空港で出迎え。引地リオデジャネイロ日本人学校校長から、生徒が作成した応援バナー等を山下日本選手団副団長に寄贈した。寄贈された応援バナーは選手村の宿泊棟に飾られた。

    

 

(イ)オリンピック日本選手歓迎慰労レセプション(8月14日)

     日本オリンピック委員会(JOC)、日本陸上連盟及び女子マラソン選手輩出企業の協力を得て、当地日系団体及び日本商工会議所と在リオデジャネイロ総領事館の共催により、リオ市内ホテルで実施。女子200m平泳ぎで金メダルを獲得した金藤理恵選手を始めとする6名の水泳メダリスト、陸上選手9名、ライフル射撃選手2名の参加が実現するとともに、竹田JOC会長、橋本日本選手団長、初代スポーツ庁長官である鈴木大地長官にも参加頂き、当地日系・在留邦人(日本人学校生徒を含む)と交流した。参加者の総勢は200名強にのぼった。

    

 

(ウ)パラリンピック車椅子バスケットボール男子日本代表の応援(9月8日)

     当地日系・在留邦人(日本人学校生徒を含む)の希望者を中心とした一団により、初戦のトルコ戦の応援を実施。この応援には、当地訪問中の閣僚、国会議員等、要人一行も多数加わった。参加者の総勢は100名強にのぼった。
 

    


     また、上記連絡協議会で決定した応援イベントの他にも、リオ総領事館が中心となって実施したイベントを紹介する。
 

(エ)オリンピック女子マラソン沿道応援(8月14日)

     リオ大会に女子マラソン選手を輩出した日本企業である第一生命(田中智美選手)、ワコール(福士加代子選手)、大塚製薬(伊藤舞選手)から、沿道のどの場所で応援をするのが適当であるかの照会があったことから、リオ総より2つの応援ポイントを紹介。その結果、このポイントに3社の関係者だけでなく、在留邦人・日系人の方々も自然的に集まることとなり、リオ在留邦人・日系人コミュニティとして3選手に対して大きな声援を送ることとなった。在リオ総館員有志も当該ポイントに行き、応援に参加した。
 

(オ)パラリンピック日本選手団本隊リオ到着時の空港出迎え(8月31日)

     オリンピック時にも行った日本選手団本隊の空港出迎えを、リオ総領事館有志が当地日系社会代表者とともに実施。
 

(カ)パラリンピック日本選手団入村式時のリオ日本人学校生徒選手村訪問(9月2日)

     日本パラリンピック協会からの、日本選手団入村式にリオ日本人学校の生徒を招待したいという打診を受けて、リオ総領事館が支援・調整を行った結果、リオ総領事館立ち会いのもと、日本人学校生徒・教員が入村式へ参加。日本選手団へ声援を送った。
 

(キ)パラリンピックマラソン沿道応援(9月18日)

     リオ総領事館館員及び応援出張者有志でマラソン競技の沿道応援を実施。
 

    
(オリンピック女子マラソン沿道応援風景)                                      (パラリンピック日本選手団出迎え)    


     これらの応援イベントは、日本選手団の励みになると共に、多数の邦人及び日系人が参加したことにより、日本のメディアにも多く取り上げられ、日本におけるリオ大会の盛り上げという観点で高い広報効果が得られたともに、在留邦人・日系人コミュニティの結束強化の一助にもなったと考えられる。
 

内政

(1)ルセーフ前大統領の訴え却下

     8日,最高裁判所のザヴァスキー判事は,弾劾裁判の無効を求めるルセーフ前大統領の訴えを棄却した。同判事は、棄却理由として「最高裁判所が立法府の決定に干渉しなければならないほど深刻な理由は見当たらない」と述べた。
 

(2)クーニャ前下院議長の議員資格剥奪

     12日,連邦議会下院は,クーニャ前下院議長に対する議員資格の剥奪を決定した。クーニャ前下院議長は、2015年5月に開催されたペトロブラス社の不正疑惑に関する下院調査委員会において、同社からの不正資金受領や、自らの海外口座の所有を否定していたが、その後、海外口座の存在が明らかとなり、下院倫理委員会は議員資格の剥奪を求めていた。
 

(3)政治・選挙制度改革に関する憲法改正案の審議

(ア)13日、上院憲法司法委員会は、政治・選挙制度改革に関する憲法改正案を可決した。

(イ)同法は、現存する多数の政党数を制限する趣旨から、リカルド・フェラソ上院議員(PSDB)及びアエシオ・ヌーヴェス上院議員(PSDB)が提案したもの。今後、上院及び下院の本会議で可決されれば、小規模政党の乱立に歯止めがかかり、政治の安定化に資すると期待されている。
 

(4)検察庁によるルーラ前大統領に対する攻勢

(ア)14日、連邦検察庁クリチバ支部は臨時プレス会見を行い、ルーラ前大統領に対する起訴を発表するとともに、同前大統領は一連の汚職事件の主犯格として、過去のメンサロン事件や今般のペトロブラスを巡る汚職事件を含め、汚職網の最高司令官的存在であったとする起訴内容を説明した。

(イ)20日、パラナ州連邦裁判所モロ判事は、上記起訴状を受理した。
 

(5)マンテガ元財務大臣の逮捕

     22日、連邦警察は、深海底油田関連の大型設備の入札過程に不正があったとの疑いで、ギド・マンテガ元財務大臣(ルーラ第二政権及びルセーフ第一政権で財相)の身柄を拘束した(その後、パラナ州連邦裁判所モロ判事は一時的に身柄の拘束を解除する旨決定)。マンテガ元財務大臣は、伯有数の企業家で富豪のアイキ・バチスタ氏に対して、労働者党(PT)に対する相当額の献金や賄賂を要求したと見られる旨報じられていた。
 

外交

(1)テメル大統領の訪中(BRICSサミット出席等)

(ア)2日、テメル大統領は、上海で伯・中国ビジネスセミナーに出席した後、杭州で習近平中国国家主席と個別会談を行った。テメル大統領就任後、外国首脳と会談したのはこれが初めて。両首脳は約40分間に亘り、中国の対伯投資等について意見交換。同日、セーハ外相は、首脳会談後、「習主席は、テメル大統領の訪中(国賓待遇)を招請した。同主席は、伯の政情安定化及び経済の回復を確信していると述べた」旨表明。

(イ)4日、テメル大統領は、G20サミットの5つのセッションのうち、「包摂的開発」及び「持続可能な開発のための2030アジェンダへのG20による支援」の2セッションにおいて、他国首脳と並んで、オープニング・スピーチを行った。

(ウ)5日、テメル大統領は、安倍総理、ラホイ・スペイン首相、レンツィ・イタリア首相及びサルマン・サウジアラビア副首相等と個別会談を行った。テメル大統領は安倍総理に対し、伯がインフラ整備に対する投資の誘致、並びに、農産物の輸出拡大に関心を有していることを伝達した模様。
 

(2)伯米関係

     7日、バイデン米副大統領は、第20回ラテンアメリカ開発銀行会合において、「米国がテメル政権と仕事をする準備はできている。伯国民は、憲法に則り、政治経済的に困難な状況に立ち向かってきた。伯は、米国にとり、最も近いパートナーであり続ける」旨表明。
 

(3)北朝鮮の核実験

     9日、伯外務省は北朝鮮による核実験に関しステートメントを発出。右によると、伯政府は、北朝鮮の核実験を「断固拒否」すると共に、「国連安保理関連決議に違反し、朝鮮半島の緊張を高める行為を非難する」として、「核兵器が軍事ドクトリンにおいて重要な役割を果たし続けることは許容できないと考える」旨表明。
 

(4)メルコスール議長国移行問題

(ア)13日、伯、亜、パラグアイ、ウルグアイは、本年12月1日までこれら4か国がメルコスールの共同議長国となること、また、ベネズエラに対して、その間にメルコスール加盟国としての条件(同国国内法において主に関税に係る約500の項目及び人権関連規定について法令化すること)を全てクリアするよう求めること、そして上記期日までにベネズエラが条件を履行しない場合は加盟国としての資格を停止することを決定(ウルグアイは棄権)。

(イ)これに対し、ベネズエラは14日「同決定は違法」と批判した。伯外務省は、ベネズエラが未曾有の危機に陥っていることから、12月までにメルコスールの条件を満たすことはできないと見ている模様。
 

(5)テメル大統領の国連総会出席

(ア)20日、テメル大統領は国連総会に出席。一般討論演説では、(1)現在の世界認識、(2)伯外交の基本的価値、(3)理想とする国連像、(4)国際場裡での重要課題に係る伯政府の立場、(5)地域外交、(6)ルセーフ前大統領弾劾手続に係る立場、(7)伯自身の課題への対応等について表明した。

(イ)特に、ルセーフ前大統領の弾劾手続については、全て憲法を全面的に遵守して行われたものであると強調。伯自身の課題としては、経済成長回復及び雇用創出を挙げ、財政及び社会分野での責任を果たす姿勢を表明。経済への信用が既に戻り始めつつあるとして、主に投資、貿易、科学技術における連携を通じた開発の推進を掲げた。

(ウ)テメル大統領は、NY訪問中、難民及び移民に関する国連サミット(19日)に出席すると共に、ポルトガル、ウルグアイ、ペルー、パレスチナ等の首脳、バイデン米副大統領、潘国連事務総長等と会談を行った。
 

(6)伯のパリ協定批准

(ア)21日、気候変動に関するパリ協定批准書寄託のためのハイレベル・イベントにおいて、テメル大統領は、サルネイ・フィーリョ環境大臣を伴い、パリ協定の批准書をパン・ギムン国連事務総長に提出した。

(イ)ハイレベル・イベントの結果、これまでに世界の温室効果ガス排出量の47.76%を占める60カ国が批准書を提出。なお、協定の発効には、少なくとも排出量の55%を占める55カ国の批准が必要。
 

(7)コロンビア政府とFARCとの和平最終合意

     26日、セーハ外相は、コロンビア・カルタヘナで開催されたコロンビア政府・FARC間の和平最終合意署名式典に伯政府を代表して出席した。
 

(8)ペレス・イスラエル前大統領の逝去

     29日、セーハ外相は、ペレス・イスラエル前大統領の逝去に伴いエルサレムで行われた国葬に、伯外務省を代表して出席した。訪問中、セーハ外相はネタニヤフ・イスラエル首相との間で短時間会談を行った。