トピックス 2019年8月号

ブラジル政治情勢(7月の出来事)

【内政】
(1)年金制度改革に関する憲法修正案
(2)伯大統領府情報庁(ABIN)長官の就任
(3)モーロ法務・治安大臣等に対するハッキング容疑者の逮捕


【外交】
(1)第3回伯中戦略対話の開催
(2)第3回BRICS外相会合の開催
(3)ドリアン仏外務大臣の訪伯
(4)ロス米国商務長官の訪伯
(5)米国,伯を「主要な非NATO同盟国」に指定


トピックス
(1)第22回日本ブラジル経済合同委員会の開催

(2)訪日観光促進イベント「Descubra os encantos do Japão(日本の魅力を再発見!)」の開催

(3)笹川日本財団会長及び山田大使のボルソナーロ大統領表敬訪問

(4)連邦上院議会における日本人ブラジル移住111周年特別記念式典の開催

(5)丸橋総領事のリオグランデドノルテ州知事表敬(レシフェ総)

(6)リモエイロ市の日本語講座(レシフェ総)

 

【内政】

(1)年金制度改革に関する憲法修正案
     7月10日,下院本会議において年金制度改革に関する憲法修正案の第1回投票が行われ,可決必要票を上回る379票で可決された(反対:131,棄権:3)。その後,第2回投票が8月6日に行われ,下院で承認。


(2)伯大統領府情報庁(ABIN)長官の就任
     7月11日,アレシャンドレ・ラマジェン氏が大統領府情報庁(ABIN)長官に就任。


(3)モーロ法務・治安大臣等に対するハッキング容疑者の逮捕
     7月23日,連邦警察は,セルジオ・モーロ法務・治安大臣等に対するハッキングの容疑者4人を逮捕した。

 

【外交】

(1)第3回伯中包括的戦略対話の開催
     7月25日,第3回伯中包括的戦略対話がブラジリアで開催され,アラウージョ外務大臣及び王毅中国国務委員兼外交部長が共同議長を務めた。両国外相は,両国の外交関係樹立45周年につき祝意を述べ,本年のハイレベル往来日程を確認しつつ,二国間アジェンダの堅固さを強調。また,二国間協力に加え,WTO,G20,BRICS等,両国の域内及び国際アジェンダに関するテーマについても協議した。


(2)第3回BRICS外相会合の開催
     7月26日,BRICS外相会合がリオデジャネイロで開催され,伯,露,印,中,南アの代表者が出席。各国外相は,国際アジェンダにおける主要問題につき協議。また,相互尊重・理解,平和,連帯,開放性,包括性,及び,互恵的な協力を特徴とするBRICS協力の進展を歓迎し,経済,平和・安全保障,人物交流という3つの柱に基づく協力を更に深化していくことで合意。


(3)ドリアン仏外務大臣の訪伯
     7月27~30日,ドリアン仏外相が伯に公式訪問し,アラウージョ外相と外相会談を実施。ドリアン仏外相は,ブラジルのOECD加盟につき支持表明。両国外相は,EUメルコスールFTAの可能性につき協議し,ベネズエラ情勢(及び同国における民主主義の回復)等の域内・国際問題についても意見交換した。


(4)ロス米国商務長官の訪伯
     7月31日,ロス米国商務長官は,ボルソナーロ大統領と会談を行い(ゲデス経済大臣同席),二国間経済・貿易関係の緊密化に向けた話し合いが行われた。


(5)米国が伯を「主要な非NATO同盟国」に指定
     7月31日,米国政府は伯を「主要な非NATO同盟国」に指定した。

 

トピックス

(1)第22回日本ブラジル経済合同委員会の開催
     7月29-30日、サンパウロ市において、第22回日本ブラジル経済合同委員会が開催されました。

     日本ブラジル経済合同委員会は、日本側は経団連、ブラジル側はブラジル全国工業連盟(CNI)が中心となって、両国の民間企業代表が一堂に会して討議する場です。1975年に始まり,本年で第22回目となり,およそ430名,うち日本側から130名の出席者を得て開催されました。

     日本国大使館からは山田大使が出席し、開会の挨拶において、日伯間の活発な経済交流を喜ばしいとしつつ,潜在能力等を考えれば,まだ伸びる余地はあること,ブラジルの年金制度改革,税制改革,対外経済開放等の進展が期待されていること,今年に入り,安倍総理大臣とボルソナーロ大統領が二度会談を行い,両国間で幅広い分野における協力を一層推進することで認識を共有している旨を述べました。

     今回の経済合同委員会では、日ブラジル経済の短期・長期的概況、日メルコスールEPA,農業・インフラ整備,日ブラジルの持続可能な開発目標(SDGs)及び2030年に向けた協力など,幅広い分野について活発な意見交換が行われました。また,飯島経団連日本ブラジル経済委員会委員長とバルトロメオ・ブラジル日本委員会委員長との間で日メルコスールEPAに向けた共同声明を採択しました。

     今回の経済合同委員会が、日ブラジル両国における経済交流の一層の増進につながっていくことが期待されます。

   
 
(山田大使が,7月28日に日本側出席者へのブリーフィングで用いた資料はこちら


(2)訪日観光促進イベント「Descubra os encantos do Japão(日本の魅力を再発見!)」の開催
     7月11日、在ブラジル日本大使館は、JNTO(日本政府観光局)と共に、訪日観光促進イベント「Descubra os encantos do Japão(日本の魅力を発見!)」を開催し、訪日観光のプロモーションを行った。

     本イベントでは、伊勢尚史JNTOニューヨーク事務所長、山田大使、河野賢二JAPAN TRAVEL社代表、ホベルト・マクスウェルTabiji社代表が訪日観光の魅力を紹介したほか、航空会社・ホテルなど日本の企業とブラジリアの旅行業者による商談会も開催され、メディアの方々も多数出席する中で、観光関係者による意見交換が活発に行われた。

     また、参加者には厳選された日本酒等、日本産酒類と野原一峰公邸料理人による日本食も提供され、訪日観光の魅力としての「食」のPRも併せて行われた。
 

(1)商談会の様子

(2)厳選された日本酒等の日本産酒類


(3)笹川日本財団会長及び山田大使のボルソナーロ大統領表敬訪問
     7月8日,当地訪問中の笹川陽平日本財団会長は,山田大使とともに,ボルソナーロ大統領を表敬訪問し,ブラジルにおけるハンセン病対策等について意見交換を行った。

     笹川氏は,世界保健機関(WHO)ハンセン病制圧大使として長年ハンセン病問題に取り組んでおり,我が国政府は,2007年から同氏に「ハンセン病人権啓発大使」を委嘱している。

     会談では,ボルソナーロ大統領の発案で急遽フェイスブックによるライブ配信が行われるとともに,ハンセン病に関する正しい知識の普及の重要さと,ブラジル政府としても日本財団と協力して取り組んでいく旨大統領と同席のマンデッタ保健大臣,アルヴェス女性・家族・人権大臣が述べ,笹川氏は伯政府とも協力してハンセン病対策を推進していきたい旨述べた。



 
(4)連邦上院議会における日本人ブラジル移住111周年特別記念式典の開催
     7月8日,連邦上院議会・本会議場において,日本人ブラジル移住111周年特別式典が開催されました。レイラ・ド・ヴァレー上院議員(PSB,連邦直轄区)が議長を務め,山田大使が来賓の一人として出席した。

     冒頭,レイラ・ド・ヴァレー上院議員より,ブラジリアへの首都移転時の日系社会の貢献を含め,経済,医療,教育,スポーツ,文化など各分野における日本人移住者の貢献に感謝したい旨の挨拶が行われた。

     山田大使からは,本年は,伯にボルソナーロ新政権が発足し,我が国でも令和時代が始まり,両国も新時代を迎えている,先月末にはボルソナーロ大統領がG20大阪サミット出席のため訪日し,安倍総理と二度目の首脳会談が実施された,歴史的な両国関係を更に前進させていきたい旨述べた。

     その他,セシリア・イシタニ伯外務省日本・朝鮮半島・太平洋局長や佐藤洋史JICA伯事務所所長,ルイス・ニシカワFEANBRA会長が来賓挨拶を行った。

山田大使の挨拶はこちら
連邦上院ウェブサイトの記事はこちら


(5)丸橋総領事のリオグランデドノルテ州知事表敬(レシフェ総)
     7月2日,丸橋在レシフェ総領事は,リオグランデドノルテ州のファッチマ・ベゼッハ知事を表敬訪問した。

     州都ナタルの州政庁の知事室において,同知事をはじめ,ロベルト副知事,サルダーニャ農牧畜漁業局長他,関係局長と日本と同州の関係について意見交換を行った。

     ベゼッハ知事からは,同州は再生可能エネルギー(風力・太陽光)分野でポテンシャルがあると共に,ブラジル有数の果実の輸出州であり,特にメロンは,日本人移住者がもたらしたものとの話があった。ブラジルの北東地方は,サンパウロをはじめとする南東部に比して,日系社会や日本のプレゼンスは小さいものの,農業面における日系人の貢献が垣間見られた。


リオグランデドノルテ州知事表敬

 
(6)リモエイロ市の日本語講座(レシフェ総)
     7月24日,丸橋在レシフェ総領事は,ペルナンブコ州の州都レシフェから北西に車で2時間弱にあるリモエイロ市(人口約6万人)の日本語講座を訪問した。この講座は,もともとMOA(世界救世教)が創設した講座ですが,今は公立小中学校の生徒600人あまりが初歩の日本語や折り紙,踊り,歌等を通じて日本文化に親しんでいる。

     丸橋総領事は,同講座の生徒による様々な発表を見学すると共に,学習ノート,色鉛筆,クレヨン,将棋・囲碁のセットなどを寄贈して,北東ブラジルで日本文化を熱心に楽しむ子供たちを励ました。

     ブラジルの北東部は,サンパウロやパラナ州など,南東部や南部ブラジルに比べて日本人や日系人の数は少ないものの,日本人や日系人の顔を見ないペルナンブコ州の地方都市でも,多くの子供たちが,熱心に日本語を勉強し,カラオケ,ヨサコイ・ソーランを踊っている姿が見られた。
 

(1)リモエイロ日本語講座への文房具類の寄贈
 

(2) リモエイロ日本語講座の発表会会場の様子
 

(3)丸橋総領事による挨拶