政治情勢・トピックス 2020年6月号
令和2年6月25日
ブラジル政治情勢(5月の出来事)
【内政】
(1)新型コロナウイルス対策
(2)法定アマゾンの違法伐採対策
(3)保健大臣の辞任
(4)大統領動静
(5)民主主義擁護デモの発生
【外交】
(1)新型コロナウイルス感染拡大に伴う諸外国からの入国制限
(2)駐伯ベネズエラ外交団に対する退去命令の差止め
(3)伯のWTO政府調停協定への加入要請
(4)NDB次期総裁選挙の結果
(5)新型コロナウイルス感染症に対する伯米間協力
(6)閣僚の国際テレビ会合出席
トピックス
(1)新型コロナウイルス関連
(2)ブラジル渡航者の米国入国禁止措置
(3)山田大使とエドゥアルド・ボルソナーロ下院議との意見交換
(4)日本人ブラジル移住112周年特別動画の配信(在クリチバ総)
(ア)5日,タイシ保健大臣は,保健省定例記者会見に出席し,社会的距離確保措置の有効性について説明した。
(イ)15日,連邦最高裁判所(STF)は,マラニョン州,マトグロッソ州及びトカンチンス州の3州に関し,ラヴァ・ジャット汚職捜査作戦で回収した資産をCovid-19対策に使用することについて承認した。
(ウ)地方自治体救済法案の成立
27日,ボルソナーロ大統領が新型コロナウイルス対策に関する地方自治体救済法を裁可し,同法律が成立した(翌28日付官報公布をもって発効)。同法律の施行により,新型コロナウイルス感染症で財政上の影響を受けた地方自治体(州,連邦直轄区(DF)及び市町村)に対し,連邦政府は,計600億レアルの支援を行うことが可能となる。このうち,100億レアルは,保健活動や社会支援のために充てられる。300億レアルが州及びDF向け,200億レアルが市町村向け。
(2)法定アマゾンの違法伐採対策
11日,伯政府は,法定アマゾンにおける違法伐採及び火災の予防及び抑止のための第二次「緑のブラジル(Verde Brasil)」作戦を開始する旨発表した。同作戦では,5月11日から6月10日までの間,副大統領の指揮の下,国境地帯,先住民居住地及び環境保護区等において,環境管理及び治安機関の支援を目的とした軍隊の動員が可能となる。(注:6月10日,伯政府は,作戦期間を7月10日まで延長する旨発表した。)
(3)保健大臣の辞任
15日,タイシ保健大臣は,記者会見を開き,辞任を表明した(注:6月22日時点で,後任は未定。パズエーロ保健省次官が保健大臣代理を務めている)。
(4)大統領動静
(ア)ボルソナーロ大統領支持デモの発生
3日,大統領府前の三権広場でボルソナーロ大統領支持デモが開催され,同大統領が姿を見せ,デモ隊に声がけした。17日にも同じく大統領府前でボルソナーロ大統領支持デモが行われ,同大統領及び10名の閣僚が大統領府のスロープ上に集まった。更に,31日に行われた同大統領支持デモでは,同大統領は,アゼヴェード国防大臣の同伴により,伯軍ヘリでブラジリア上空を飛行し,官庁街に展開するデモ隊に手を振って挨拶。その後,DF警察の騎馬に乗って大統領府前のデモ参加者に声をかけた。
(イ)ボルソナーロ大統領による連邦最高裁長官訪問
7日,ボルソナーロ大統領は,ゲデス経済大臣及び企業家を伴い,大統領府から連邦最高裁判所(STF)まで行進し,トフォリSTF長官を訪問した。同大統領は,トフォリSTF長官に対し,社会的距離確保措置の緩和及び経済活動の再開を求めた。
(ウ)ボルソナーロ大統領の新型コロナウイルス検査結果
エスタード・デ・サンパウロ紙がボルソナーロ大統領の新型コロナウイルス検査結果の開示を求めた訴訟の第三審に関し(注),同社がSTFに上訴したことを受け,13日,連邦総弁護庁(AGU)は,陰性結果を示す検査結果をSTFに提出した。
(注:8日,司法高等裁(STJ)は,同大統領に同検査結果の開示を義務づけた第一審及び第二審判決を覆し,同大統領には開示義務がない旨の判決を下した。)
(エ)閣僚会談ビデオの公開
22日,セルソ・デ・メロSTF判事は,モーロ前法務・治安大臣の請求に応じ,ボルソナーロ大統領が連邦警察に政治的干渉を行ったか否かを明らかにするため,4月22日に正副大統領,閣僚及び公的銀行頭取との間で行われた会談のビデオの公開を決定。同日中,伯国内メディアで同ビデオの内容が放送された。
(5)民主主義擁護デモの発生
31日,サンパウロ市において,民主主義の擁護を掲げるデモが発生した。同デモ隊は,ボルソナーロ大統領支持派のデモ隊と衝突した後,警戒にあたっていた州警察とも衝突した。
22日,伯政府は,国籍を問わず,外国人の陸路,空路及び水運による入国を制限する措置を同日より30日間延長する旨の政令第255号を公布した。
(2)駐伯ベネズエラ外交団に対する退去命令の差止め
16日,バホーゾ最高裁(STF)判事は,新型コロナウイルスのパンデミックが収束するまでの間,伯連邦政府による駐伯ベネズエラ外交団の強制退去命令を差し止める旨の予備判決を承認した。
(3)伯のWTO政府調達協定への加入申請
19日,パローラ伯寿府代大使は,アゼヴェードWTO事務局長に対し,政府調達協定(GPA)への加入申請を提出した。なお,中南米諸国でGPA加入申請を行った国はこれまでで伯のみ。
(4)NDB次期総裁選挙結果
27日,BRICS構成国の財務大臣から成る新開発銀行(NDB,通称BRICS銀行)理事会の臨時オンライン会合が開催され,全会一致により,マルコス・トロイジョ経済省貿易・国際問題担当次官が次期NDB総裁に選出された。任期は本年7月より5年間。
(5)新型コロナウイルス感染症に対する伯米間協力
31日,伯外務省は,保健分野における伯米協力に関する共同声明を発表。同声明によれば,米国政府は,200万服のヒドロキシクロロキン(HCQ)を伯国民に提供した。更に,米国政府は,人工呼吸器1000台を間もなくブラジルに送付する由。同日,アラウージョ外相は,200万服のHCQが伯に到着した旨ツイートした。
(6)閣僚の国際テレビ会合出席
(ア)8日,第二次世界大戦終戦75周年を記念する国連安保理非公式テレビ会合にアラウージョ外相が出席し,伯は民主主義及び自由を擁護する旨述べた。
(イ)11日,アラウージョ外務大臣は,新型コロナウイルスに関する米国主催関心国外相会合に出席した(伯,米,豪,イスラエル,印,韓の外相及び茂木外務大臣が出席)。
(ウ)18日,パズエーロ保健大臣代行が第73回WHO世界保健総会テレビ会議に参加した。同大臣代行は,新型コロナウイルス感染症犠牲者の遺族に対するブラジルの連帯並びに,診察,医薬品,ワクチン及び治療のための国際的なイニシアティブ及び協力への伯の支持参加を強調した。
(エ)22日,ポンテス科学技術革新通信大臣は,伯EU間の科学,技術及びイノベーション分野における連携活動の促進対話に関するテレビ会議に出席し,双方が新型コロナウイルス対策について協力していく旨発表した。同協力枠組において,伯及びEUの研究者が新型コロナウイルス対策に関するプロジェクトに共同で取り組む予定。
(オ)26日,アラウージョ外務大臣は,EU及びスペイン政府主催の「ベネズエラ避難民に関するテレビ会合」に出席した。同会合に参加した40か国及び国際機関は,総額25億4400万ユーロの支援パッケージを立ち上げた。
(ア)7日,連邦直轄区政府は,条例で営業が停止されていた商業施設の営業停止期間を,同日付条例により,更に5月18日まで延長した。(注:16日付条例により,更に期限を定めずに延長された。)
(イ)22日,ブラジル政府は,ブラジルへの陸路,空路及び水運による外国人の入国を,国籍に関わらず制限する措置を30日間延長する旨発表した(同日付政令で施行)。
(ウ)26日,連邦直轄区政府は,経済活動再開に関する条例(26日付施行)を公布した。
[主な改正点]
・ショッピングセンターは,定められた安全措置を講じた上で,5月27日以降,13:00から21:00までの営業を新たに許可。
・活動が停止されない産業・サービスは,業種によって3つのカテゴリーに分けられ,それぞれに営業時間を設定。
・教育機関における「対面の」教育活動は,期限を定めずに引き続き停止。
・イベント,スポーツイベント,映画館・劇場,スポーツジム,博物館・公園,ナイトクラブ,飲食店(デリバリーを除く),美容院,理髪店などの活動は,期限を定めずに引き続き停止。
(2)ブラジルからの渡航者の米国入国禁止措置
25日,米国政府は,ブラジルからの渡航者(過去14日以内にブラジル滞在歴のある者で,米国籍者・市民権保有者等を除く)の米国入国を禁止する措置(24日発表)の発効5月26日23時59分(米東海岸時間)に前倒しする旨の修正を発表した。
上記修正措置の発効後は,米国内の空港で入国手続きを必要とする航空機の乗り継ぎはできなくなり,第三国からブラジルの空港内で国際トランジットを行なって帰国する場合にも同様の制限が適用される。
(3)山田大使とエドゥアルド・ボルソナーロ下院議員との意見交換
5月26日,山田大使は,来館したエドゥアルド・ボルソナーロ下院議員と日ブラジル関係及び新型コロナウイルス対策等につき意見交換を行った。(風通しの良い屋外で,十分な距離をとり,近接接触を避ける形で実施。)
山田大使からは,基本的価値を共有する両国の関係を更に強化していきたいと述べた。エドゥアルド・ボルソナーロ下院議員からは,昨年6月のG20大阪サミットの際,父ボルソナーロ大統領に同行して訪日し,その際の日ブラジル首脳会談の内容が非常に良かった等と述べるところがあった。その他,両国が協力可能な分野等について意見交換を行った。
(4)日本人ブラジル移住112周年特別動画の配信(在クリチバ総)
6月18日,在クリチバ総領事館は,日本人ブラジル移住の日に合わせて,本年の日本人ブラジル移住112周年及び兵庫パラナ姉妹都市50周年を祝賀する特別動画を作成し,フェイスブック上で配信した。動画では,高木総領事による挨拶の他,「移民の父」水野龍のご子息である水野龍三郎氏,ニシモリ下院議員,アベ・パラナ州議会議員等による祝意メッセージ,クリチバ若葉太鼓による和太鼓演奏等を放送し,配信直後に1万件を超える再生数を記録した。オンライン上ではあったが,本件動画の配信には,パラナ州日系社会からも多くの好評が寄せられ,本年の移住の日を幅広く祝賀することに資した。
【内政】
(1)新型コロナウイルス対策
(2)法定アマゾンの違法伐採対策
(3)保健大臣の辞任
(4)大統領動静
(5)民主主義擁護デモの発生
【外交】
(1)新型コロナウイルス感染拡大に伴う諸外国からの入国制限
(2)駐伯ベネズエラ外交団に対する退去命令の差止め
(3)伯のWTO政府調停協定への加入要請
(4)NDB次期総裁選挙の結果
(5)新型コロナウイルス感染症に対する伯米間協力
(6)閣僚の国際テレビ会合出席
トピックス
(1)新型コロナウイルス関連
(2)ブラジル渡航者の米国入国禁止措置
(3)山田大使とエドゥアルド・ボルソナーロ下院議との意見交換
(4)日本人ブラジル移住112周年特別動画の配信(在クリチバ総)
【内政】
(1)新型コロナウイルス対策(ア)5日,タイシ保健大臣は,保健省定例記者会見に出席し,社会的距離確保措置の有効性について説明した。
(イ)15日,連邦最高裁判所(STF)は,マラニョン州,マトグロッソ州及びトカンチンス州の3州に関し,ラヴァ・ジャット汚職捜査作戦で回収した資産をCovid-19対策に使用することについて承認した。
(ウ)地方自治体救済法案の成立
27日,ボルソナーロ大統領が新型コロナウイルス対策に関する地方自治体救済法を裁可し,同法律が成立した(翌28日付官報公布をもって発効)。同法律の施行により,新型コロナウイルス感染症で財政上の影響を受けた地方自治体(州,連邦直轄区(DF)及び市町村)に対し,連邦政府は,計600億レアルの支援を行うことが可能となる。このうち,100億レアルは,保健活動や社会支援のために充てられる。300億レアルが州及びDF向け,200億レアルが市町村向け。
(2)法定アマゾンの違法伐採対策
11日,伯政府は,法定アマゾンにおける違法伐採及び火災の予防及び抑止のための第二次「緑のブラジル(Verde Brasil)」作戦を開始する旨発表した。同作戦では,5月11日から6月10日までの間,副大統領の指揮の下,国境地帯,先住民居住地及び環境保護区等において,環境管理及び治安機関の支援を目的とした軍隊の動員が可能となる。(注:6月10日,伯政府は,作戦期間を7月10日まで延長する旨発表した。)
(3)保健大臣の辞任
15日,タイシ保健大臣は,記者会見を開き,辞任を表明した(注:6月22日時点で,後任は未定。パズエーロ保健省次官が保健大臣代理を務めている)。
(4)大統領動静
(ア)ボルソナーロ大統領支持デモの発生
3日,大統領府前の三権広場でボルソナーロ大統領支持デモが開催され,同大統領が姿を見せ,デモ隊に声がけした。17日にも同じく大統領府前でボルソナーロ大統領支持デモが行われ,同大統領及び10名の閣僚が大統領府のスロープ上に集まった。更に,31日に行われた同大統領支持デモでは,同大統領は,アゼヴェード国防大臣の同伴により,伯軍ヘリでブラジリア上空を飛行し,官庁街に展開するデモ隊に手を振って挨拶。その後,DF警察の騎馬に乗って大統領府前のデモ参加者に声をかけた。
(イ)ボルソナーロ大統領による連邦最高裁長官訪問
7日,ボルソナーロ大統領は,ゲデス経済大臣及び企業家を伴い,大統領府から連邦最高裁判所(STF)まで行進し,トフォリSTF長官を訪問した。同大統領は,トフォリSTF長官に対し,社会的距離確保措置の緩和及び経済活動の再開を求めた。
(ウ)ボルソナーロ大統領の新型コロナウイルス検査結果
エスタード・デ・サンパウロ紙がボルソナーロ大統領の新型コロナウイルス検査結果の開示を求めた訴訟の第三審に関し(注),同社がSTFに上訴したことを受け,13日,連邦総弁護庁(AGU)は,陰性結果を示す検査結果をSTFに提出した。
(注:8日,司法高等裁(STJ)は,同大統領に同検査結果の開示を義務づけた第一審及び第二審判決を覆し,同大統領には開示義務がない旨の判決を下した。)
(エ)閣僚会談ビデオの公開
22日,セルソ・デ・メロSTF判事は,モーロ前法務・治安大臣の請求に応じ,ボルソナーロ大統領が連邦警察に政治的干渉を行ったか否かを明らかにするため,4月22日に正副大統領,閣僚及び公的銀行頭取との間で行われた会談のビデオの公開を決定。同日中,伯国内メディアで同ビデオの内容が放送された。
(5)民主主義擁護デモの発生
31日,サンパウロ市において,民主主義の擁護を掲げるデモが発生した。同デモ隊は,ボルソナーロ大統領支持派のデモ隊と衝突した後,警戒にあたっていた州警察とも衝突した。
【外交】
(1)新型コロナウイルス感染拡大に伴う諸外国からの入国制限22日,伯政府は,国籍を問わず,外国人の陸路,空路及び水運による入国を制限する措置を同日より30日間延長する旨の政令第255号を公布した。
(2)駐伯ベネズエラ外交団に対する退去命令の差止め
16日,バホーゾ最高裁(STF)判事は,新型コロナウイルスのパンデミックが収束するまでの間,伯連邦政府による駐伯ベネズエラ外交団の強制退去命令を差し止める旨の予備判決を承認した。
(3)伯のWTO政府調達協定への加入申請
19日,パローラ伯寿府代大使は,アゼヴェードWTO事務局長に対し,政府調達協定(GPA)への加入申請を提出した。なお,中南米諸国でGPA加入申請を行った国はこれまでで伯のみ。
(4)NDB次期総裁選挙結果
27日,BRICS構成国の財務大臣から成る新開発銀行(NDB,通称BRICS銀行)理事会の臨時オンライン会合が開催され,全会一致により,マルコス・トロイジョ経済省貿易・国際問題担当次官が次期NDB総裁に選出された。任期は本年7月より5年間。
(5)新型コロナウイルス感染症に対する伯米間協力
31日,伯外務省は,保健分野における伯米協力に関する共同声明を発表。同声明によれば,米国政府は,200万服のヒドロキシクロロキン(HCQ)を伯国民に提供した。更に,米国政府は,人工呼吸器1000台を間もなくブラジルに送付する由。同日,アラウージョ外相は,200万服のHCQが伯に到着した旨ツイートした。
(6)閣僚の国際テレビ会合出席
(ア)8日,第二次世界大戦終戦75周年を記念する国連安保理非公式テレビ会合にアラウージョ外相が出席し,伯は民主主義及び自由を擁護する旨述べた。
(イ)11日,アラウージョ外務大臣は,新型コロナウイルスに関する米国主催関心国外相会合に出席した(伯,米,豪,イスラエル,印,韓の外相及び茂木外務大臣が出席)。
(ウ)18日,パズエーロ保健大臣代行が第73回WHO世界保健総会テレビ会議に参加した。同大臣代行は,新型コロナウイルス感染症犠牲者の遺族に対するブラジルの連帯並びに,診察,医薬品,ワクチン及び治療のための国際的なイニシアティブ及び協力への伯の支持参加を強調した。
(エ)22日,ポンテス科学技術革新通信大臣は,伯EU間の科学,技術及びイノベーション分野における連携活動の促進対話に関するテレビ会議に出席し,双方が新型コロナウイルス対策について協力していく旨発表した。同協力枠組において,伯及びEUの研究者が新型コロナウイルス対策に関するプロジェクトに共同で取り組む予定。
(オ)26日,アラウージョ外務大臣は,EU及びスペイン政府主催の「ベネズエラ避難民に関するテレビ会合」に出席した。同会合に参加した40か国及び国際機関は,総額25億4400万ユーロの支援パッケージを立ち上げた。
トピックス
(1)新型コロナウイルス関連(ア)7日,連邦直轄区政府は,条例で営業が停止されていた商業施設の営業停止期間を,同日付条例により,更に5月18日まで延長した。(注:16日付条例により,更に期限を定めずに延長された。)
(イ)22日,ブラジル政府は,ブラジルへの陸路,空路及び水運による外国人の入国を,国籍に関わらず制限する措置を30日間延長する旨発表した(同日付政令で施行)。
(ウ)26日,連邦直轄区政府は,経済活動再開に関する条例(26日付施行)を公布した。
[主な改正点]
・ショッピングセンターは,定められた安全措置を講じた上で,5月27日以降,13:00から21:00までの営業を新たに許可。
・活動が停止されない産業・サービスは,業種によって3つのカテゴリーに分けられ,それぞれに営業時間を設定。
・教育機関における「対面の」教育活動は,期限を定めずに引き続き停止。
・イベント,スポーツイベント,映画館・劇場,スポーツジム,博物館・公園,ナイトクラブ,飲食店(デリバリーを除く),美容院,理髪店などの活動は,期限を定めずに引き続き停止。
(2)ブラジルからの渡航者の米国入国禁止措置
25日,米国政府は,ブラジルからの渡航者(過去14日以内にブラジル滞在歴のある者で,米国籍者・市民権保有者等を除く)の米国入国を禁止する措置(24日発表)の発効5月26日23時59分(米東海岸時間)に前倒しする旨の修正を発表した。
上記修正措置の発効後は,米国内の空港で入国手続きを必要とする航空機の乗り継ぎはできなくなり,第三国からブラジルの空港内で国際トランジットを行なって帰国する場合にも同様の制限が適用される。
(3)山田大使とエドゥアルド・ボルソナーロ下院議員との意見交換
5月26日,山田大使は,来館したエドゥアルド・ボルソナーロ下院議員と日ブラジル関係及び新型コロナウイルス対策等につき意見交換を行った。(風通しの良い屋外で,十分な距離をとり,近接接触を避ける形で実施。)
山田大使からは,基本的価値を共有する両国の関係を更に強化していきたいと述べた。エドゥアルド・ボルソナーロ下院議員からは,昨年6月のG20大阪サミットの際,父ボルソナーロ大統領に同行して訪日し,その際の日ブラジル首脳会談の内容が非常に良かった等と述べるところがあった。その他,両国が協力可能な分野等について意見交換を行った。

(4)日本人ブラジル移住112周年特別動画の配信(在クリチバ総)
6月18日,在クリチバ総領事館は,日本人ブラジル移住の日に合わせて,本年の日本人ブラジル移住112周年及び兵庫パラナ姉妹都市50周年を祝賀する特別動画を作成し,フェイスブック上で配信した。動画では,高木総領事による挨拶の他,「移民の父」水野龍のご子息である水野龍三郎氏,ニシモリ下院議員,アベ・パラナ州議会議員等による祝意メッセージ,クリチバ若葉太鼓による和太鼓演奏等を放送し,配信直後に1万件を超える再生数を記録した。オンライン上ではあったが,本件動画の配信には,パラナ州日系社会からも多くの好評が寄せられ,本年の移住の日を幅広く祝賀することに資した。
![]() 水野龍三郎氏のメッセージ |
![]() クリチバ若葉太鼓の演奏 |