トピックス 2017年5月号

2017/5/19
ブラジル政治情勢

[内政]
(1)ルセーフ・テメル正副大統領の大統領選挙当選取消訴訟
(2)重要法案の審議
(3)ラヴァ・ジャット捜査の進展
(4)日本との関係


[外政]
(1)テメル大統領の本年の外遊予定
(2)ヌネス外務大臣のメルコスール関連会合出席
(3)米軍のシリアに対する軍事攻撃に係る伯外務省声明
(4)ヌネス外相のチリ訪問
(5)ラホイ・スペイン首相の伯訪問


トピックス

(1)佐藤大使のリオデジャネイロ出張

(2)賢人会議メンバーと佐藤大使の大統領訪問

(3)ジャパン・ハウスの開会式

(4)第15回北伯・東北伯マスター野球大会の開催
 

【内政】

(1)ルセーフ・テメル正副大統領の大統領選挙当選取消訴訟

(ア)4日,選挙高等裁判所で,ルセーフ・テメル正副大統領の当選取消訴訟の審理が開始。ただし新たな証人尋問等が決定され,審理は一時中断に。

(イ)13日 テメル大統領は,オーデブレヒト社元幹部の証言(2010年当時,テメル下院議長の事務所において同人立ち会いの下,ペトロブラス社とオーデブレヒト社の大型契約にかかる口利きの見返りとして4000万ドルをPMDBに支払うことで合意)に対し,契約や金額等については話していないと釈明するビデオ・メッセージを大統領府HPに掲載。

(2)重要法案の審議

(ア)4日,下院本会議でUberなど携帯アプリを使用した交通機関の規制緩和に関する法案が可決。

(イ)18日,下院本会議で地方財政救済法案が可決(財政難の州に対し,連邦政府及び政府系銀行への債務返済を3年間据え置く代わりに,財政再建策の提出を義務付ける内容)。

(ウ)25日,下院労働法改正特別委員会で労働法改正法案が可決。

(エ)26日,下院本会議で労働法改正法案が可決。有給休暇取得等に関し労使合意が法律に優先すること,組合献金の支払いの非義務化,パートタイム制導入等がポイント。

(オ)26日,上院本会議で議員の裁判管轄特権(裁かれるのは連邦最高裁に於いてのみ)を廃止する憲法改正案の第1回採決が可決。

(カ)26日,上院本会議で権力濫用防止法案が可決。原案に規定されていた「法解釈罪(控訴審で判決を覆された下級審判事を処罰対象とする)」は除外された。

(3)ラヴァ・ジャット捜査の進展

(ア)4日,ファキン連邦最高裁判事は,広告代理店代表のジョアン・サンタナ夫妻及び社員アンドレ・サンタナの司法取引を承認。

(イ)7日,クリチバ連邦裁は,ラヴァ・ジャット捜査関連の損害賠償請求訴訟に関し,進歩党(PP)及び同党所属の政治家10名の資産4.76億レアルの差し押さえを決定。

(ウ)10日,マルセロ・オーデブレヒト・オーデブレヒト社前社長は,クリチバ連邦最高裁において,2012年~2013年にかけてルーラ元大統領に計1300万レアルを贈賄したと証言。ルーラ側はこれを否定。

(エ)11日,ファキン連邦最高裁判事は,連邦検察庁の83件の捜査要請に対し,76件を許可。捜査対象者も公表され,文官長,外相,都市相,科学技術革新大臣など現職閣僚8名の他,上下両院議長を含む連邦議会議員63名,州知事12名,元大統領5名など,計100名以上の政治家が捜査対象に。

(オ)17日 米国連邦裁判所は,オーデブレヒト社に対し計26億ドルの罰金支払いを命令(贈賄関連の罰金としては史上最高額)。

(4)日本との関係

(ア)6日,ジャノー検事総長が訪日(9日まで)。7日に西川検事総長を表敬。

(イ)30日,サンパウロのジャパン・ハウス開館式に出席した麻生副総理とテメル大統領等が会談。
 

【外交】


(1)テメル大統領の本年の外遊予定

(ア)当地主要紙報道によれば,テメル大統領は,本年8月末から9月初めにかけて,国賓として中国を訪問する予定。同訪問は,ロシア訪問(6月第3週)及びブラジル・EUサミット(10月)と並び,本年の外交アジェンダのハイライト。また,大統領府は,トランプ大統領の招請を受けて,テメル大統領の訪米時期を水面下で調整中。

(イ)中国には,9月第一週に同国で開催されるBRICS首脳会合を利用して訪問し,習近平国家主席との会談が行われる。両国は,今後60日以内に「生産能力拡大のための協力基金」(200億ドル上限)の運用を開始する見込み。

(ウ)ロシアでは,プーチン大統領との首脳会談を行う。テメル大統領は副大統領当時,当時露首相であったプーチン大統領との間で,伯露ハイレベル委員会を開催。

(エ)ブラジル・EUサミットは毎年開催されてきたが,2014年に前回会合が開催されて以来,伯における政治危機の為に中断。次回は伯において行われる。

(オ)その他,テメル大統領は,G20首脳会合に出席するため,7月に訪独する予定。

(2)ヌネス外務大臣のメルコスール関連会合出席

7日,ペレイラ産業貿易大臣と共に,メルコスール原加盟国の閣僚会合に出席。その他,太平洋同盟諸国等との会合にも出席し,メルコスールと太平洋同盟との間の統合に向けた協議を行った。

(3)米軍のシリアに対する軍事攻撃に係る伯外務省声明

7日,伯外務省HPは本件に対する懸念の声明を発表。同声明において,伯政府は,シリアにおける軍事的紛争の拡大への懸念,及び,シリア紛争で化学兵器が使用されたとの報道に対する悲しみを表明。後者の出来事につき,公正かつ包括的な調査を通じた事実の解明と責任者の処罰の実施の重要性と共に,シリア紛争解決に向けた実効的な対話,並びに,国際法の完全なる遵守の必要性を表明。

(4)ヌネス外相のチリ訪問

10~11日,ヌネス外相はチリを初めて公式訪問。バチェレ大統領表敬の他,ムニョス外相との外相会談が行われ,二国間,地域,多国間アジェンダについて協議が行われた。また,同外相は,チリの主要ビジネスリーダーとの会合にも出席した。

(5)ラホイ・スペイン首相の伯訪問

(ア)24~25日,ラホイ・スペイン首相はテメル大統領の招請に応えて,同国現職首相としては9年振りに伯を訪問。

(イ)テメル大統領との首脳会談では,両首脳は,二年毎の二国間政策対話と共に,外務省間の局長級会合を強化することに合意。その他,分野毎の省庁間対話,議会交流,司法分野での協力,市民社会の連携強化,防衛産業協力,教育,開発協力,技術革新等に係る作業部会等の強化に合意。

(ウ)25日,ラホイ首相はサンパウロで開催された第1回伯西フォーラムに出席。アルキミン同州知事と会談すると共に,スペイン人コミュニティー代表との会合を行った。また,西対外貿易院(IECE),西企業連合(CEOE),西商工会議所,伯貿易促進庁(APEX)共催によるビジネスフォーラムにも参加した。
 

トピックス

(1)佐藤大使のリオデジャネイロ出張


4月3日、佐藤大使はリオデジャネイロにてクリヴェーラ・リオデジャネイロ市長を訪問し、オリンピック・パラリンピックや日系社会との連携について意見交換を行いました。また同日、バストス伯経済社会開発銀行(BNDES)総裁及びパレンテ伯石油公社(ペトロブラス)社長を訪問し、ブラジルの経済情勢、日伯経済関係などについて意見交換を行いました。
 

(2)賢人会議メンバーと佐藤大使の大統領訪問


4月6日、賢人会議メンバーと佐藤大使は、テメル大統領を訪問し、4月5日のリオデジャネイロの会合で合意された日伯賢人による提言書を提出し、説明を行いました。
 

(3)ジャパン・ハウスの開館式


4月30日、サンパウロにおいてジャパン・ハウスの開館式が行われ、日本政府から麻生太郎副総理兼財務大臣(日伯国会議員連盟会長)及び薗浦健太郎外務副大臣が、ブラジル政府からテメル大統領、ヌネス外務大臣、フレイレ文化大臣、アルキミン・サンパウロ州知事、ドリア・サンパウロ市長が出席しました。
 

(4)第15回北伯・東北伯マスター野球大会の開催


(ア)4月21日、22日に第15回北伯・東北伯マスター野球大会がマナウス・カントリークラブで開催されました。パラー州からサンタ・イザベル市代表,トメアス市代表,カスタニャル市代表の3チームが参加した他,本年はマット・グロッソ州からクイアバ市代表チームが特別参加し,地元アマゾナス州からはアマゾナス州代表チーム及びホストのマナウス・カントリークラブチームと併せ計6チームが参加しました。

(始球式 後藤総領事夫人)

(イ)広島,東北楽天に所属した玉木茂雄(エンリケ・シゲオ・タマキ)元プロ野球選手(クイアバ)のほか,日本・ブラジルの実業団・社会人チームに所属した元選手も参加しており,大変にレベルの高い試合が繰り広げられました。




(ウ)優勝は伯国野球界でも強豪と名高いクイアバ代表チーム,準優勝は投打に好選手をそろえたマナウス代表チームでした。大会MVPには今大会で唯一2ホームランを打ったマナウス代表チームの坂田氏(モト・ホンダ所属)が満場一致で選出されました。

(優勝:クイアバ市代表チーム)

(エ)移住地野球を担う次世代の野球人育成を目的として,今大会の運営・準備にはマナウス・ジュニアチームの子供達が参加。伯国の野球少年はいまも正々堂々とした日系移民野球の伝統を受け継いでいます。
21日の開会式では後藤在マナウス日本国総領事が挨拶し,ブラジルの野球は日本移民が持ち込んだものが原点であり,今日でも多くの日本人移住者の子弟が野球を楽しんでおり,野球は世代や地域を越えた交流のツールとして大きな役割を果たしていると述べました。

(オ)試合後の表彰式・歓迎会では、元野球少年達がお互いの健闘を称えあい交流を深めました。