政治情勢・トピックス 2020年4月号

2020/5/11
ブラジル政治情勢(3月の出来事)

【内政】
(1)大統領動静
(2)新型コロナウイルス対策
(3)ボルソナーロ政権支持デモの発生
(4)ボルソナーロ大統領の演説動画


【外交】
(1)ボルソナーロ大統領のウルグアイ新大統領就任式への列席
(2)アウグスト・アンゴラ外務大臣の訪問
(3)ボルソナーロ大統領の訪米
(4)PROSUL首脳テレビ会議
(5)諸外国からの入国制限措置
(6)伯中首脳電話会談
(7)ボルソナーロ大統領のG20首脳テレビ会議出席


トピックス
(1)山田大使のアレッシャンドレ・グスモン農村文化協会(ARCAG)主催第5回グァバ祭り出席

(2)令和元年度天皇誕生日祝賀レセプションの開催

(3)高木昌弘在クリチバ総領事着任レセプション(在クリチバ総)

(4)Juntos!!中南米対日理解促進交流プログラム(在クリチバ総)

(5)渡邊頼純関西国際大学教授兼慶応大学名誉教授による講演会(在クリチバ総)

 

【内政】

(1)大統領動静
(ア)ボルソナーロ大統領の訪米に同行したヴァンガルテン大統領府広報局長が新型コロナウイルスに感染したことを受け,12日,同大統領は,同検査を受診したところ,陰性反応が出た旨ツイッター上で公表した。

(イ)17日,ボルソナーロ大統領は,マンデッタ保健大臣の勧告を受け,新型コロナウイルス感染の再検査を受けたところ,再び陰性反応が出た旨ツイッター上で公表。

(2)新型コロナウイルス対策
(ア)新型コロナウイルスに対する経済対策
     16日,ゲデス経済大臣は,新型コロナウイルス感染拡大に対する経済対策として,1,473億を拠出することを発表した。同施策は,主に,低所得者層及び高齢者の支援(834億レアル),伯国民の雇用維持(594億レアル)及び統合医療システム(45億レアル)から成る。

(イ)非常事態宣言の発令
     18日,ボルソナーロ大統領及び関係閣僚が会見を開き,「非常事態宣言(Decreto de Estado de Calamidade Pública)」につき説明した。20日,「非常事態宣言の承認」に関する法律が上院初のリモート投票により全会一致で可決され,成立した。同法律は,新型コロナウイルス感染拡大対策の支出を認めるものであり,その目的の下において,基礎的財政収支の赤字が目標額を超過しても財政責任法に抵触しないことを可能とする。

(ウ)共同体感染状態の宣言
     23日,伯政府は,伯全土が共同体感染状態(Estado de Transmissão Comunitária)であることを宣言する保健省令第454号を公布した。

(エ)保健大臣による社会的距離確保の要請
     28日,マンデッタ保健大臣は,記者会見を通じ,国民に対して社会的距離確保の実施を要請した(注:4月16日,同保健大臣は解任された)。

(オ)国家治安部隊の動員
     30日,法務・治安省は,新型コロナウイルス感染症対策のために国家治安部隊(FNSP)を動員する旨の省令第151号を発出した。

(3)ボルソナーロ政権支持デモの発生
(ア)15日,全国各地でボルソナーロ政権支持デモが発生した。ボルソナーロ大統領は,大統領府前に集まったデモ参加者に挨拶を交わした。

(イ)28日,全伯各地において,ボルソナーロ政権支持者により,社会的隔離の収束及び小売業の解禁を求める車道デモが実施された。翌29日,ボルソナーロ大統領は,連邦直轄区(DF)衛星都市及びブラジリアの官庁街を視察訪問し,社会的隔離の収束を主張した。

(4)ボルソナーロ大統領の演説動画
(ア)24日,ボルソナーロ大統領は,ラジオ及びテレビを通じ,新型コロナウイルス感染症対策に関する3度目の演説を行い,教育機関の閉鎖措置,各州知事及び各市長による対応(交通遮断や商店の閉鎖措置等)ならびにマスメディアを批判した。

(イ)31日,新型コロナウイルス感染症対策に関する4度目の声明を公表し,今般のパンデミックによって生命が失われること,失業,暴力及び飢餓によって生命が脅かされることに対する懸念を表明した。また,同大統領は,同声明を通じ,主に伯人の雇用及び所得を守るために可能な全ての措置を採用するようゲデス経済大臣に命じた旨述べた。

 

【外交】

(1)ボルソナーロ大統領のウルグアイ新大統領就任式への列席
     1日,ボルソナーロ大統領は,ラカジェ・ポウ・ウルグアイ新大統領の就任式に列席した。

(2)アウグスト・アンゴラ外務大臣の訪問
     3日,ボルソナーロ大統領は,訪伯中のアウグスト・アンゴラ外相と会談を行った。

(3)ボルソナーロ大統領の訪米
     7~11日,ボルソナーロ大統領は,マイアミ及びジャクソンヴィルを訪問した。

(ア)7日,同大統領は,トランプ米大統領別荘「マール・ア・ラゴ」において,同米大統領主催ワーキングディナーに出席。伯米首脳会談後の共同声明では,両国首脳は,伯米間のパートナーシップを深化させる二国間の戦略的同盟について再確認し,経済的繁栄の拡大,民主主義の強化及び平和や治安維持の促進に焦点を当てた旨記載された。

(イ)8日,ボルソナーロ大統領は,米南方軍基地を訪問し,二国間共同研究開発に関する伯米軍事協定に署名した。

(ウ)9日,ボルソナーロ大統領は,マイアミにおいて,在米伯人の支持者との会合に出席した。

(エ)10日,ボルソナーロ大統領は,マイアミで開催された伯米国際会議に出席した。

(オ)11日,ボルソナーロ大統領は,ジャクソンヴィル所在のEMBRAER社工場を視察した。同日,アラウージョ外相は,ワシントンにおいて,ポンペオ米国務長官と会談し,7日の伯米首脳会談における決定事項に関し,今後の進め方について協議した。

(4)PROSUL首脳テレビ会議
     16日,アラウージョ外務大臣は,PROSUL首脳テレビ会議にボルソナーロ大統領の代理で出席した。各国首脳は,南米地域における新型コロナウイルス感染症対策の強化について協議した。

(5)諸外国からの入国制限措置
(ア)18日,伯政府は,同日付でロライマ州におけるベネズエラとの国境を部分的に封鎖する旨の政令第120号を公布した。

(イ)19日,伯政府は,南米諸国からの外国人(日本人を含む)の陸路入国を15日間禁止する政令第125号を公布した。入国制限の対象国は,アルゼンチン,ボリビア,コロンビア,仏領ギアナ,ガイアナ,パラグアイ,ペルー及びスリナムの8か国・地域。

(ウ)19日,伯政府は,日本を含む36か国からの外国人による空路入国を23日以降30日間禁止する政令第126号を公布した。23日,本措置を修正する政令133号が公布された(主要な改正内容は,制限国にイランが追加された点,空港国際トランジットを認める点,及び一定の条件下での陸続きの他国国境にいる外国人が,居住帰還目的の搭乗のための伯への国境越えを可能とする点)。

(エ)22日,伯政府は,同日付でウルグアイからの陸路入国を部分的に30日間封鎖する旨の政令第132号を公布した。

(オ)26日,伯政府は,水運による伯領土内の港及びその他の地点における外国人の上陸を,国籍を問わず,30日間禁止する政令第47号を公布した。

(カ)27日,伯政府は,空路での国際便トランジット中の外国人は,トランジット後の行き先国,又は当該外国人の国籍国が,空路,陸路及び水路での当該外国人の入国を拒否する場合,その国籍を問わず,入国が禁止される法務・治安省令149号を公布した。

(キ)27日,伯政府は,伯への空路入国に関し,国籍に関係なく外国人を,30日以降30日間,一律に入国禁止する政令第152号を公布した。

(6)伯中首脳電話会談
     24日,ボルソナーロ大統領は,同日,習近平中国国家主席と電話会談を行い,「両国間の友好的関係,Covid-19の対応状況に関する情報交換,及び両国間の通商関係の拡大を再確認した」とSNSに投稿した。

(7)ボルソナーロ大統領のG20首脳テレビ会議出席
     26日,ボルソナーロ大統領は,G20首脳テレビ会議に出席し,抗マラリア剤の成分として知られるヒドロキシクロロキンの新型コロナウイルス感染症治療における有効性につき,伯におけるポジティブな成果を紹介して各国を勇気づけた旨SNSに投稿した。

 

トピックス

(1)山田大使のアレッシャンドレ・グスモン農村文化(ARCAG)主催第5回
     3月7日(土),山田大使は,アレッシャンドレ・グスモン農村文化協会(ARCAG)主催の第5回グァバ祭りに参加し,来賓挨拶を行った。同祭りには,連邦直轄区(DF)政府及びブラスランジア当局の政府関係者及び議員も来賓として出席し,大勢の来場者と共に,今が旬のグァバを味わった。なお,今後の同祭り開催予定日は,以下のサイトを確認頂きたい。

○アレッシャドレ・グスモン農村文化協会(ARCAG)Facebook
https://www.facebook.com/ARCAGkaikanBSB/
 
   


(2)令和元年度天皇誕生日祝賀レセプションの開催
     3月11日,在ブラジル日本国大使公邸にて令和初の天皇誕生日祝賀レセプションが開催され,ブラジル政府,連邦議会,日系社会,民間企業,教育・文化・スポーツ関係,外交団等,513名の出席者を得て,天皇誕生日を祝賀するとともに,交流が盛況に行われた。

     山田大使は,開会式における挨拶において,まずは冒頭にて,発生からちょうど9年となる2011年の東日本大震災に触れ被害者の方々に対して哀悼の意を捧げるとともに,現在世界的な流行を見せる新型コロナウイルスへの日本における対策の現状に言及しながら今年の東京オリンピック開催と成功を期待する旨述べた。その後,活発な要人往来を背景に,ブラジル・日本の二国間関係の更なる強化に向け邁進するとともに,日系社会との連携強化に向けて更に努力していく旨述べた。(山田大使の挨拶についてはこちら)。

     なお,会場では,和食のプロモーションとして,天ぷら・寿司・豚汁・日本酒等が提供された他,進出企業支援の一環として,ブラジルで活躍する日本企業6社(ヤクルト・NEC・トヨタ・ヤマハ・JRC・EPSON)が自社製品や技術の紹介を行った。
   

開会式の様子
大使の挨拶


(3)高木昌弘在クリチバ総領事着任レセプション(在クリチバ総領事館)
     2020年3月9日,高木昌弘在クリチバ日本国総領事の着任レセプションが公邸にて実施された。レセプションには,ニシモリ連邦下院議員,ペレイラ・パラナ州司法高等裁判所長官,カンポス同州選挙高等裁判所長官,リー・アベ同州議会議員,サレス・パラナ州武官長,セッシ・アサイ市長,ヤマカワ・アマポラン市長,クロダ・ロザリオドイヴァイ市長,タムラ・ロンドリーナ市議会議員,トミナガ同市長,トゥルミナ・パラナ商業協会会長等約200名が出席した。高木総領事は,着任挨拶において南部三州への日本企業の更なる投資を誘致する等,経済,文化を含む様々な分野で日伯関係の更なる強化のため尽力したい旨述べた。
 

高木総領事着任挨拶


(4)Juntos!!中南米対日理解促進交流プログラム(在クリチバ総領事館)
     2020年3月5日及び6日,Juntos!!中南米対日理解促進交流プログラム(ブラジル派遣事業)で,在日ブラジル人支援を展開する学生達6名が,クリチバ日伯文化援護協会,クリチバ学生寮(SENIBRAC),クリチバ日本語学校(文教),純心学園,日本語補習校,クリチバ市教育局を訪問し,日本における更なる支援向上を目的として当地の日系団体や教育機関,元出稼ぎ子弟等との意見交換会を実施した。
 

クリチバ日伯文化援護協会

日本語補習校

(5)渡邊頼純関西国際大学教授兼慶応大学名誉教授による講演会(在クリチバ総領事館) ‘Japan’s Trade Strategy In Japan-Latin America Relationships: Enhancing Japan-Mercosur Economic Partnership’
     2020年3月13日,クリチバ市パラナ日伯商工会議所において,ブラジルを訪問中の渡邊頼純(わたなべ よりずみ)関西国際大学教授兼慶応大学名誉教授による講演会を実施した。

     講演会において渡邊教授は,日本の経済連携協定(EPA)について説明し,交渉現場における経験を共有した。
また,同機会を利用し,在クリチバ総領事館は渡邊教授とともに,当地進出日本企業等(ハリマ・ド・ブラジル ,NTTデータ,ブラジル住友ゴム,兵庫県ブラジル事務所)との意見交換会を実施した。 意見交換では,各社の事業態勢のあり方や戦略的なビジネス計画などについて議論が交わされ,今後の在クリチバ総領事館との連携体制も確認された。
 
 
講演会の様子

ハリマ・ド・ブラジル社

ブラジル住友ゴム社

NTTデータ社