トピックス 2019年4月号
平成31年4月16日
ブラジル政治情勢(3月の出来事)
[内政]
(1)年金制度改革関連等
(2)汚職関連
[外交]
(1)ボルソナーロ大統領の米国訪問
(2)ボルソナーロ大統領のチリ訪問
(3)ベニテス・パラグアイ大統領の訪伯
(4)ボルソナーロ大統領のイスラエル訪問
(5)日米加豪に対するブラジル査証免除措置
トピックス
(1)山田大使とネルソン・トラッジ・フィーリョ上院外交・国防委員長との意見交換
(2)山田大使によるポンテス科学技術革新通信大臣を表敬訪問
(3)マナウス・サンパウロ日系友好会(在マナウス総領事館)
(ア)3月13日,ロベルト・カンポス・ネト氏が中銀総裁に就任。
(イ)3月13日,連邦行政機関における2万1,000人分の政治任用ポストを廃止する旨の大統領が公布される。
(ウ)3月20日,軍人年金制度改革を含む軍組織再編法案が下院に提出。
(エ)3月27日,上下両院委員会における公聴会で閣僚が演説(アラウージョ外相,コスタ・リマ鉱山・エネルギー相,モーロ法務・治安相,ゲデス経済相,マンデッタ保健相,サレス環境相,ポンテス科学技術相)。
(2)汚職関連
(ア)3月1日,収賄罪で服役中のルーラ元大統領が,病死した孫の葬儀に参列するため,一時的に釈放された。
(イ)3月6日,サンパウロ連邦地裁は,ソウザ元サンパウロ州道路建設公社幹部(元PSDB財務担当)に対し,公金横領及び犯罪組織結社罪で禁固145年の有罪判決を言い渡した。
(ウ)3月21日,リオデジャネイロ州のアングラ第3原発建設事業を巡る約100万レアルの収賄容疑でテメル前大統領が逮捕された。また,本件に関与したとして,モレイラ・フランコ前鉱業エネルギー相及びジョアン・バチスタ・リマ・フィーリョ元リオ州警察官も逮捕。同月25日,本件で逮捕された全8名につき,逮捕の根拠不十分として弁護団が提出した人身保護令をリオ連邦地裁が受理し釈放。なお,28日,テメル前大統領は,本件に加え,別件の約50万レアルの収賄容疑で起訴されている。
(ア)3月17-19日,ボルソナーロ大統領が就任後初の外遊として米国への公式訪問を行った。
(イ)18日,伯米両国間において,(1)アルカンタラ・ロケット発射基地の利用に関する技術保障措置協定,(2)ブラジル宇宙庁(AEB)と米航空宇宙局(NASA)との間での共同開発に関する合意文書,(3)ブラジル環境省と米国際開発庁(USAID)との間のアマゾン多様性保全等に関する協力文書が署名された。
(ウ)19日,ボルソナーロ大統領とトランプ米大統領の間で伯米首脳会談が行われた。ボルソナーロ大統領は,会談後の記者会見で,自身が米国の友人であることを改めて強調し,今後の伯米関係の新たな幕開けを印象付けつつ,トランプ大統領によるOECD加盟申請への支援に謝意を表明。また,エネルギー・フォーラムの新規立ち上げに合意したこと,伯から一方的な査証免除を決定したこと,防衛分野や先端技術分野での協力拡大に合意したこと,テロや組織犯罪対策,特に資金洗浄と麻薬対策で連携を強化していくこと等を確認した旨発言。
(2)ボルソナーロ大統領のチリ訪問
(ア)3月21-23日,ボルソナーロ大統領がチリへの公式訪問を行った。22日,サンティアゴのモネダ宮で「南米の進歩と開発のためのフォーラム(PROSUR)」第1回首脳会合が開催され,上記2か国に加え,アルゼンチン,コロンビア,エクアドル,パラグアイ,ペルーの大統領及びガイアナの代表が出席した。会合後には,地域対話の場を創造する提案を再確認するための共同宣言(サンティアゴ宣言)が発表され,署名が行われた。
(イ)23日,ボルソナーロ大統領とピニェラ・チリ大統領との間で首脳会談が行われ,両大統領は両国の良好な関係を強調し,今後数年にわたる対話,経済統合及び持続的発展を促進するためのロードマップに署名した。
(3)ベニテス・パラグアイ大統領の訪伯
(ア)3月13日,ボルソナーロ大統領は,ブラジリアでアブド・ベニテス・パラグアイ大統領の公式訪問を受け,首脳会談を行った。
(イ)両大統領は,メルコスールにおける市場アクセス及び競争力強化,二国間貿易投資促進のためのメカニズムの再活性化,国際組織犯罪対策,イタイプ水力発電所の共同管理,両国間に架かる橋梁建設等につき協力関係を強化する旨の共同声明を発出した。また,ベネズエラ情勢については,民主主義の再生へ向け,同国国民及びグアイド暫定大統領への支持を表明した。
(ウ)ベニテス大統領は,ボルソナーロ大統領をパラグアイへの公式訪問に招待した。
(4)ボルソナーロ大統領のイスラエル訪問
(ア)3月31日,ボルソナーロ大統領がイスラエルを公式訪問。
(イ)31日,ボルソナーロ大統領はテルアビブ空港でネタニヤフ・イスラエル首相の出迎えを受け,本年1月に発生したブルマジーニョ鉱滓ダム決壊事故後のイスラエルによる捜索救済活動に対して謝意を表明した。
(ウ)同日,両国は,エネルギー,防衛,航空サービス,医療,科学技術の分野にかかる協力協定を締結。また,ボルソナーロ大統領は,ネタニヤフ首相と会談を行った後,合同記者会見において,貿易投資,科学技術及びイノベーションの促進をねらいとした通商事務所をエルサレムに開設する旨公表した。
(5)日米加豪に対するブラジル査証免除措置
ブラジル政府は,3月18日付官報号外にて,本年6月17日以降,日本,米国,カナダ及びオーストラリア国籍者に対しブラジル短期滞在査証を免除とする大統領令を公布。本件にかかる詳細は以下のとおり。
(ア)査証免除の対象:上記4か国の有効旅券を所有する,観光,商用,通過,芸術・スポーツ活動を目的とする者,または,国益に関わる例外的な状況にある者で,居住を意図しない場合。
(イ)90日までの滞在を期限とし,最初の入国の日から数えて12か月の間に180日を超えない範囲で90日の延長可能。
(ウ)2019年6月17日より施行。
3月26日,山田大使は,ネルソン・トラッジ・フィーリョ上院外交・国防委員長を往訪しました。山田大使から要職への就任に祝意を述べつつ,日伯関係の更なる強化に向けて委員長の協力を求めました。トラッジ委員長からは,カンポグランデ市長を長く務めてきた関係で,同市の日系社会とは懇意にしており,自身が親日派であることを述べつつ,両国関係のために尽力したい旨の発言がありました。
(2)山田大使によるポンテス科学技術革新通信大臣を表敬訪問
3月26日,山田大使は,マルコス・ポンテス科学技術革新通信大臣を表敬訪問しました。海洋科学,宇宙,生物多様性,防災,デジタルテレビ等,日本とブラジルの科学技術分野での協力関係について意見交換するとともに,今後,更に協力関係を強化していくことで一致しました。
(3)マナウス・サンパウロ日系友好会(在マナウス総領事館)
3月22日(金)~24日(日),レナト・イシカワ/サンタクルス病院理事長を筆頭にマルセロ・ヒデシマ氏,マルシア・ナカノ氏等を中心とするサンパウロ若手日系人11名がマナウスを訪問し,ノブオ・ミキ氏が代表を務めるマナウス次世代日系人と「サンパウロ・マナウス日系友好会」が開催された。サンパウロおよびマナウスの両日系社会の若手の代表達が活発に交流を行うとともに,日系社会のアイデンティティと今後の日系社会のあり方を議論し,様々な意見交換を実施しました。こうした地域間を越えた日系社会の連携と相互啓発による活動が,今後サンパウロ・マナウス間に限らず他地域間でも拡大・拡充していくことを期待しています。
【日系友好会概要】
サンパウロ若手日系人グループは22日(金)にヤマハ・マナウス工場を見学した後,在マナウス総領事館にて関口総領事と意見交換を行い,夜は公邸にてマナウスの若手日系人らと共に夕食懇談会に出席しました。
また23日(土)は,サンパウロの日本人移住の歴史をレナト・イシカワ氏が,西部アマゾン地域の日本人移住史をケン・ニシキド氏が自身の体験を交えて説明しました。その後,サンパウロ若手日系人が所属する各団体の紹介(ブラジル日本文化福祉協会,JCI,等)を行った他,日本人アマゾン移住90周年に関する説明がなされました。午後は日系人のアイデンティティ,役割や,これからの日系社会のあり方を掘り起こすワークショップ等が行われました。
24日(日)は,マナウス・カントリークラブを訪問し野球の指導等活動の説明を受け,交友を深めました。
[内政]
(1)年金制度改革関連等
(2)汚職関連
[外交]
(1)ボルソナーロ大統領の米国訪問
(2)ボルソナーロ大統領のチリ訪問
(3)ベニテス・パラグアイ大統領の訪伯
(4)ボルソナーロ大統領のイスラエル訪問
(5)日米加豪に対するブラジル査証免除措置
トピックス
(1)山田大使とネルソン・トラッジ・フィーリョ上院外交・国防委員長との意見交換
(2)山田大使によるポンテス科学技術革新通信大臣を表敬訪問
(3)マナウス・サンパウロ日系友好会(在マナウス総領事館)
【内政】
(1)年金制度改革関連等(ア)3月13日,ロベルト・カンポス・ネト氏が中銀総裁に就任。
(イ)3月13日,連邦行政機関における2万1,000人分の政治任用ポストを廃止する旨の大統領が公布される。
(ウ)3月20日,軍人年金制度改革を含む軍組織再編法案が下院に提出。
(エ)3月27日,上下両院委員会における公聴会で閣僚が演説(アラウージョ外相,コスタ・リマ鉱山・エネルギー相,モーロ法務・治安相,ゲデス経済相,マンデッタ保健相,サレス環境相,ポンテス科学技術相)。
(2)汚職関連
(ア)3月1日,収賄罪で服役中のルーラ元大統領が,病死した孫の葬儀に参列するため,一時的に釈放された。
(イ)3月6日,サンパウロ連邦地裁は,ソウザ元サンパウロ州道路建設公社幹部(元PSDB財務担当)に対し,公金横領及び犯罪組織結社罪で禁固145年の有罪判決を言い渡した。
(ウ)3月21日,リオデジャネイロ州のアングラ第3原発建設事業を巡る約100万レアルの収賄容疑でテメル前大統領が逮捕された。また,本件に関与したとして,モレイラ・フランコ前鉱業エネルギー相及びジョアン・バチスタ・リマ・フィーリョ元リオ州警察官も逮捕。同月25日,本件で逮捕された全8名につき,逮捕の根拠不十分として弁護団が提出した人身保護令をリオ連邦地裁が受理し釈放。なお,28日,テメル前大統領は,本件に加え,別件の約50万レアルの収賄容疑で起訴されている。
【外交】
(1)ボルソナーロ大統領の米国訪問(ア)3月17-19日,ボルソナーロ大統領が就任後初の外遊として米国への公式訪問を行った。
(イ)18日,伯米両国間において,(1)アルカンタラ・ロケット発射基地の利用に関する技術保障措置協定,(2)ブラジル宇宙庁(AEB)と米航空宇宙局(NASA)との間での共同開発に関する合意文書,(3)ブラジル環境省と米国際開発庁(USAID)との間のアマゾン多様性保全等に関する協力文書が署名された。
(ウ)19日,ボルソナーロ大統領とトランプ米大統領の間で伯米首脳会談が行われた。ボルソナーロ大統領は,会談後の記者会見で,自身が米国の友人であることを改めて強調し,今後の伯米関係の新たな幕開けを印象付けつつ,トランプ大統領によるOECD加盟申請への支援に謝意を表明。また,エネルギー・フォーラムの新規立ち上げに合意したこと,伯から一方的な査証免除を決定したこと,防衛分野や先端技術分野での協力拡大に合意したこと,テロや組織犯罪対策,特に資金洗浄と麻薬対策で連携を強化していくこと等を確認した旨発言。
(2)ボルソナーロ大統領のチリ訪問
(ア)3月21-23日,ボルソナーロ大統領がチリへの公式訪問を行った。22日,サンティアゴのモネダ宮で「南米の進歩と開発のためのフォーラム(PROSUR)」第1回首脳会合が開催され,上記2か国に加え,アルゼンチン,コロンビア,エクアドル,パラグアイ,ペルーの大統領及びガイアナの代表が出席した。会合後には,地域対話の場を創造する提案を再確認するための共同宣言(サンティアゴ宣言)が発表され,署名が行われた。
(イ)23日,ボルソナーロ大統領とピニェラ・チリ大統領との間で首脳会談が行われ,両大統領は両国の良好な関係を強調し,今後数年にわたる対話,経済統合及び持続的発展を促進するためのロードマップに署名した。
(3)ベニテス・パラグアイ大統領の訪伯
(ア)3月13日,ボルソナーロ大統領は,ブラジリアでアブド・ベニテス・パラグアイ大統領の公式訪問を受け,首脳会談を行った。
(イ)両大統領は,メルコスールにおける市場アクセス及び競争力強化,二国間貿易投資促進のためのメカニズムの再活性化,国際組織犯罪対策,イタイプ水力発電所の共同管理,両国間に架かる橋梁建設等につき協力関係を強化する旨の共同声明を発出した。また,ベネズエラ情勢については,民主主義の再生へ向け,同国国民及びグアイド暫定大統領への支持を表明した。
(ウ)ベニテス大統領は,ボルソナーロ大統領をパラグアイへの公式訪問に招待した。
(4)ボルソナーロ大統領のイスラエル訪問
(ア)3月31日,ボルソナーロ大統領がイスラエルを公式訪問。
(イ)31日,ボルソナーロ大統領はテルアビブ空港でネタニヤフ・イスラエル首相の出迎えを受け,本年1月に発生したブルマジーニョ鉱滓ダム決壊事故後のイスラエルによる捜索救済活動に対して謝意を表明した。
(ウ)同日,両国は,エネルギー,防衛,航空サービス,医療,科学技術の分野にかかる協力協定を締結。また,ボルソナーロ大統領は,ネタニヤフ首相と会談を行った後,合同記者会見において,貿易投資,科学技術及びイノベーションの促進をねらいとした通商事務所をエルサレムに開設する旨公表した。
(5)日米加豪に対するブラジル査証免除措置
ブラジル政府は,3月18日付官報号外にて,本年6月17日以降,日本,米国,カナダ及びオーストラリア国籍者に対しブラジル短期滞在査証を免除とする大統領令を公布。本件にかかる詳細は以下のとおり。
(ア)査証免除の対象:上記4か国の有効旅券を所有する,観光,商用,通過,芸術・スポーツ活動を目的とする者,または,国益に関わる例外的な状況にある者で,居住を意図しない場合。
(イ)90日までの滞在を期限とし,最初の入国の日から数えて12か月の間に180日を超えない範囲で90日の延長可能。
(ウ)2019年6月17日より施行。
トピックス
(1)山田大使とネルソン・トラッジ・フィーリョ上院外交・国防委員長との意見交換3月26日,山田大使は,ネルソン・トラッジ・フィーリョ上院外交・国防委員長を往訪しました。山田大使から要職への就任に祝意を述べつつ,日伯関係の更なる強化に向けて委員長の協力を求めました。トラッジ委員長からは,カンポグランデ市長を長く務めてきた関係で,同市の日系社会とは懇意にしており,自身が親日派であることを述べつつ,両国関係のために尽力したい旨の発言がありました。

山田大使とネルソン・トラッジ・フィーリョ上院外交・国防委員長
(2)山田大使によるポンテス科学技術革新通信大臣を表敬訪問
3月26日,山田大使は,マルコス・ポンテス科学技術革新通信大臣を表敬訪問しました。海洋科学,宇宙,生物多様性,防災,デジタルテレビ等,日本とブラジルの科学技術分野での協力関係について意見交換するとともに,今後,更に協力関係を強化していくことで一致しました。

山田大使とポンテス科学技術革新通信大臣
(3)マナウス・サンパウロ日系友好会(在マナウス総領事館)
3月22日(金)~24日(日),レナト・イシカワ/サンタクルス病院理事長を筆頭にマルセロ・ヒデシマ氏,マルシア・ナカノ氏等を中心とするサンパウロ若手日系人11名がマナウスを訪問し,ノブオ・ミキ氏が代表を務めるマナウス次世代日系人と「サンパウロ・マナウス日系友好会」が開催された。サンパウロおよびマナウスの両日系社会の若手の代表達が活発に交流を行うとともに,日系社会のアイデンティティと今後の日系社会のあり方を議論し,様々な意見交換を実施しました。こうした地域間を越えた日系社会の連携と相互啓発による活動が,今後サンパウロ・マナウス間に限らず他地域間でも拡大・拡充していくことを期待しています。
【日系友好会概要】
サンパウロ若手日系人グループは22日(金)にヤマハ・マナウス工場を見学した後,在マナウス総領事館にて関口総領事と意見交換を行い,夜は公邸にてマナウスの若手日系人らと共に夕食懇談会に出席しました。
![]() マナウス日本国総領事館にて |
![]() 総領事公邸における懇談会 |
また23日(土)は,サンパウロの日本人移住の歴史をレナト・イシカワ氏が,西部アマゾン地域の日本人移住史をケン・ニシキド氏が自身の体験を交えて説明しました。その後,サンパウロ若手日系人が所属する各団体の紹介(ブラジル日本文化福祉協会,JCI,等)を行った他,日本人アマゾン移住90周年に関する説明がなされました。午後は日系人のアイデンティティ,役割や,これからの日系社会のあり方を掘り起こすワークショップ等が行われました。
![]() 西部アマゾン日伯協会での交流1 |
![]() 西部アマゾン日伯協会での交流2 |
![]() 日系人のアイデンティティに関するワークショップ |
![]() 参加者記念撮影 |
24日(日)は,マナウス・カントリークラブを訪問し野球の指導等活動の説明を受け,交友を深めました。
![]() マナウス・カントリークラブ1 |
![]() マナウス・カントリークラブ2 |