トピックス 2019年3月号

平成31年3月12日
ブラジル政治情勢(2月の出来事)
[内政]
(1)連邦議会・法制関連
(2)汚職関連
(3)大統領動静


[外交]
(1)閣僚の外遊
(2)対ベネズエラ関係
(3)ベニテス・パラグアイ大統領の訪伯


トピックス
(1)山田大使とエドゥアルド・ボルソナーロ下院議員との意見交換

(2)2019年新規国費留学生壮行レセプションの開催

(3)平成30年度秋の叙勲伝達式及び祝賀会レセプション(在レシフェ総領事館)

 

【内政】

(1)連邦議会・法制関連
(ア)2月1~2日,連邦上下両院で議長選挙が行われ,ロドリゴ・マイア下院議長が再選,ダヴィ・アルコルンブレ上院議員が上院議長に当選した。

(イ)2月12日,テロ対策法案が下院通過。

(ウ)2月19日,連邦政府,犯罪対策法案を下院に提出。

(エ)2月20日,連邦政府,年金制度改革案(憲法修正案)を下院に提出。

(オ)2月26日,連邦上院,ロベルト・カンポス・ネト氏の次期中銀総裁就任を承認。


(2)汚職関連
(ア)2月4日,連邦最高裁判所(STF)は,テメル前大統領が裁判管轄権に関する特権を喪失したことに伴い,同前大統領の不正疑惑に関する刑事訴訟3件(収賄,犯罪組織結社罪等)及び捜査1件をブラジリア及びサンパウロ連邦裁判所に移管した。

(イ)2月6日,クリチバ連邦裁判所第13法廷は,ルーラ元大統領に対し,収賄及び資金洗浄の罪(注:サンパウロ郊外の別荘改築費用として,OAS社やオーデブレヒト社等から約100万レアル相当を受領)で禁固12年11か月の有罪判決を言い渡した。


(3)大統領動静
(ア)ボルソナーロ大統領は,計17日間の入院を経て,2月13日にサンパウロ市内のアルバート・アインシュタイン病院を退院。同月27日,術後検査のため同病院を訪問した。

(イ)2月28日,ボルソナーロ大統領は,大統領府にて当国メディア関係者との朝食会を開催。

 

【外交】

(1)閣僚の外遊
(ア)2月5~7日,アラウージョ外務大臣がワシントンを訪問し,ポンペオ米国務長官とベネズエラ情勢及び3月に予定されているボルソナーロ大統領の訪米について協議。また,ボルトン大統領補佐官,ロス商務長官,ライトハイザーUSTR代表とも会談した。

(イ)2月14日,アラウージョ外務大臣がワルシャワ中東会議に出席し,マージンでネタニヤフ・イスラエル首相と会談。

(ウ)2月25日,ダマーレス・アルヴェス女性・家族・人権大臣がジュネーブで開催された国連第40会期人権理事会開会セッションに出席し,ボルソナーロ政権が女性や少数民族,LGBT,児童等の人権擁護を重要課題に掲げていることを強調した。ベネズエラ情勢に関しては,「独裁者マドゥーロによって自国民への暴力が続いている」と批判しつつ,ブラジルは平和的解決を望むと述べ,軍事介入の選択肢を否定した。


(2)対ベネズエラ関係
(ア)2月11日,アラウージョ外務大臣がグアイド・ベネズエラ暫定大統領の駐伯外交代表であるマリア・ベランドリア氏と会談し,ベネズエラ国民向けの人道支援について協議した。

(イ)2月23日,ブラジル政府は,米国及びコロンビアと連携し,ベネズエラに対する支援物資の搬入を試みるも失敗。

(ウ)2月25日,モウラォン副大統領及びアラウージョ外相がボゴタで開かれた第11回リマ・グループ会合に出席し,軍事介入の可能性を改めて否定。

(エ)2月28日,ボルソナーロ大統領がブラジリアを訪問中のグアイド・ベネズエラ暫定大統領と会談を行い,記者会見において,ベネズエラに民主主義を再生させるための努力を惜しまない旨発言。


(3)ベニテス・パラグアイ大統領の訪伯
     2月26日,ベニテス・パラグアイ大統領がフォス・ド・イグアス市で開催されたイタイプー発電公社伯側新理事長就任式に出席。ボルソナーロ大統領も右就任式に出席し,両国を結ぶ2基の国際橋を建設する方針について改めてベニテス大統領と確認した。

 

トピックス

(1)山田大使とエドゥアルド・ボルソナーロ下院議員との意見交換
     2月6日,山田大使は,エドゥアルド・ボルソナーロ下院議員(PSL:自由社会党)を議員事務所に往訪し,日ブラジル関係等につき意見交換を行った。

     山田大使からは,昨年の下院選挙での歴代最多得票での再選に祝意を述べつつ,良好な二国間関係を更に強化していきたいと述べた。エドゥアルド・ボルソナーロ下院議員からは,昨年2月に父ボルソナーロ大統領(当時は下院議員)の訪日に同行したことにも触れつつ,1月23日の日ブラジル首脳会談(於:ダボス)にも同席したが,非常に良い内容であった等と述べるところがあった。

     その他,両国が協力可能な分野,6月のG20サミットの機会のボルソナーロ大統領の訪日,翌週から本格化する議会審議の見通し等について意見交換を行った。

右から山田大使、エドゥアルド議員、若枝書記官


(2)2019年新規国費留学生壮行レセプションの開催
     2月13日、在ブラジル日本国大使館主催で「2019年新規国費留学生壮行レセプション」が開催され、47名が参加した。

     本年4月から日本に留学する新規国費留学生5名(研究留学生4名、学部留学生1名)を激励するとともに、ブラジリア元国費留学生の同窓会(ABRAEX)幹部及びブラジリア日本関係機関関係者とも意見交換が行われ、ネットワークが強化された。

     壮行レセプションでは、山田大使から激励の言葉が送られたほか、ルシアーノ・ABRAEX事務局長による挨拶が行われた。

     壮行レセプションにおける山田大使の挨拶はこちらを参照。
 

挨拶する山田大使
 

山田大使と新規国費留学生
 

懇談の様子

集合写真


(3)平成30年度秋の叙勲伝達式及び祝賀会レセプション(在レシフェ総領事館)
     2月5日(火),丸橋在レシフェ総領事はオギバウダ・デバイ・デ・ソウザ・トーレス氏及びタダオ・ナガイ氏に対する平成30年度秋の叙勲伝達式及び祝賀会レセプションを総領事公邸において行った。

     トーレス氏は,バイア州伯日文化協会会長として日本・ブラジル間の文化交流促進の他,特に日本の「鈴木メソッド」を導入し,音楽を通じた両国の相互理解促進への貢献,また,ナガイ氏は,レシフェ日本文化協会会長として日本・ブラジル間の友好親善促進の他,特に柔道を通じた両国の相互理解促進への貢献が各々称えられ,旭日双光章を受章した。

     同伝達式及びレセプションには,両氏の家族や友人等約30名が出席し,受章の喜びを分かち合った。
 

オギバウダ・デバイ・デ・ソウザ・トーレス氏

 

オギバウダ・デバイ・デ・ソウザ・トーレス氏と親族
・ご友人
 

タダオ・ナガイ氏夫妻
 

タダオ・ナガイ氏夫妻と親族・ご友人
 
オデシウ・コスタ・オリベイラ在サルバドール日本名誉総領事による乾杯