トピックス 2018年1月号
平成30年2月1日
ブラジル政治情勢(12月の出来事)
[内政]
(1)政界の主な動向
(2)次期大統領選挙関連
(3)閣僚人事
(4)汚職捜査関連
[外政]
(1)第51回メルコスール首脳会合
(2)ボリビア関係
(3)マケドニア関係
(4)アルゼンチン関係
(5)ベネズエラ関係
トピックス
(1)平成29年度天皇誕生日祝賀レセプション
(2)平成29年度官民合同会議の開催
(3)山田大使のアルキミン・サンパウロ州知事、ドリア・サンパウロ市長との会談
(4)アマゾナス日系商工会議所30周年記念式典(マナウス総)
(ア)同9日,PSDBはブラジリアで党大会を開催し,アルキミンSP州知事の党首就任を決定。
(イ)同9日,アナ・アメリア上院議員を団長とする連邦議員一行が,平成29年度「Juntos!!」招聘で訪日(~16日まで本邦滞在)。
(ウ)同13日,連邦議会は,2018年度連邦政府予算案を承認。
(エ)同19日,PMDBはブラジリアで党大会を開催し,党名を従前のMDB(伯民主運動)に戻すことを決定。
(オ)同20日,IBOPE社の世論調査結果が発表され,テメル政権支持率に好転の兆しを見せる(前回9月調査:3%→今回12月調査:6%)
(カ)同22日,連邦議会閉会。
(2)次期大統領選挙関連
(ア)12月2日,REDE(持続可能性ネットワーク党)はマリナ・シルヴァ元環境相の次期大統領選出馬を発表。
(イ)同3日,ダータ・フォーリャ社が発表した世論調査結果では,ルーラ元大統領が高支持を維持(ルーラ元大統領:34%,ボルソナーロ下院議員:17%,マリナ・シルヴァ元環境相:9%,アルキミンSP州知事:6%,シロ・ゴメス下院議員:6%, バルボーザ元連邦最高裁長官:5%,メイレレス財相:1%)
(ウ)同20日,ルーラ元大統領は記者会見を行い,第2審(2018年1月24日予定)で敗訴しても控訴し,あくまで大統領選に立候補する意向を表明。
(3)閣僚人事
(ア)12月8日,インバサイ大統領府政府調整庁長官(PSDB)が辞任。
(イ)同15日,カルロス・マルン下院議員(PMDB)が大統領府政府調整庁長官に就任。
(ウ)同27日,ノゲイラ労働大臣(PTB)が2018年下院議員選への出馬を理由に辞表提出。
(4)汚職捜査関連
(ア)12月19日,マルセロ・オーデブレヒト元オーデブレヒト社社長(禁錮10年)がクリチバの留置所から釈放され,SP市内の自宅謹慎措置に処される。
(イ)同20日,ファキン連邦最高裁判事の命令で,元SP州知事のパウロ・マルフ下院議員(PP)が収監(本年5月に,マネロン罪で禁錮7年9か月の有罪となっていたもの)
(ウ)同20日,メンデス連邦最高裁判事の決定により,ガロチーニョ元RJ州知事(PR)及びロドリゲス上院議員(PR党首)の未決勾留が解除され,釈放。
(ア)12月21日,ブラジリアで第51回メルコスール首脳会合が開催。メルコスール加盟国から,資格停止中のベネズエラを除く,テメル伯大統領,マクリ亜大統領,カルテス・パラグアイ大統領,バスケス・ウルグアイ大統領が出席した他,準加盟国から7か国の各代表が出席。
(イ)首脳会合では,伯からパラグアイに議長国が引き継がれた他,メルコスール・太平洋同盟間の連携強化のための「ブラジリア宣言」等が採択・発表された。
(ウ)首脳会合に先立ち,20日に開催された第51回メルコスール共同市場理事会(CMC)では,公共調達に関するメルコスール議定書,及び,消費の国際契約に適用可能な法律に関するメルコスール協定が承認された。
(2)ボリビア関係
12月5日,モラレス・ボリビア大統領が伯を公式訪問。両国の関係強化と経済社会発展を創出するための二国間協定に調印された他,国境部の治安強化とインフラ統合を改善するための覚書に署名がなされた。
(3)マケドニア関係
12月11日~15日にかけて,イヴァノフ・マケドニア大統領が伯を公式訪問。12日には大統領府で首脳会談、伯イタマラチ宮で午餐会が行われた。訪問中、イヴァノフ大統領は、マケドニアにとってラ米初となる大使館の開設を発表。
(4)アルゼンチン関係
(ア)12月10日,テメル大統領,第11回WTO閣僚会議開会式(アルゼンチン)に出席。
(イ)同21日,イペロ地域圏先端技術地区財団及び亜企業UNVAPの間で,伯多目的原子炉(RMB)プロジェクトの新たな段階を開始するための契約が署名された。
(5)ベネズエラ関係
(ア)12月23日,ベネズエラ政府が駐ベネズエラ伯大使をペルソナノングラーダ措置に処したことに対し,同日付で伯外務省は,「ニコラス・マドゥーロ政権が,全体主義で,あらゆる対話に応じる考えが欠如していることを改めて示すもの」と非難する声明を発出。
(イ)同26日,伯外務省は,駐伯ベネズエラ大使の国外退去を求める対抗措置(ただし公式発表無し)。
11月28日、在ブラジル日本国大使公邸にて平成29年度天皇誕生日祝賀レセプションが行われた。同レセプションには、ブラジル政府、連邦議会、国軍、日系社会、民間企業、教育・文化・スポーツ関係、外交団等、多岐にわたる分野からご出席を得て、その数は約500名にのぼった。
会場では、食のプロモーションとして、日本酒コーナー、日本産新米を使ったちらし寿司・手巻きコーナーをはじめ、天ぷら及び寿司の屋台を設け、出席者の人気を博した。また、スクリーンにて日本のインフラ・プロモーションDVD及び観光促進のための我が国の風景等の動画を上映した他、進出企業支援の一環として、ブラジルで活躍する日本企業5社(ヤクルト、キッコーマン、 NEC、FUJIFILM、新日鐵住金)に自社製品の紹介等を行って頂いた。
山田大使は、挨拶を行い、日ブラジル両国の首脳間で合意された「戦略的グローバル・パートナーシップ」強化に向けた協力について言及しながら、日本人移住110周年を迎える来年に向け、日ブラジル両国の強い人的絆を背景として両国間の各分野においてさらなる関係強化に努めたい旨を述べた。
(2)平成29年度官民合同会議の開催
12月14日、サンパウロ市ジャパン・ハウスにおいて、平成29年度官民合同会議が開催された。
今回の官民合同会議では、日本商工会議所、ブラジル日本商工会議所、アマゾナス日系商工会議所、南伯日本商工会議所、パラナ日伯商工会議所及びリオデジャネイロ日本商工会議所の各代表と、外務省の中南米局及び在ブラジル日本国大使館を始めとする在伯8公館並びにJICA、JBIC及びJETROの各代表、合わせて約50名が参加し、国側と民間側それぞれにおける最近の活動状況について報告を行うとともに、ビジネス環境整備、AGIR活動、日本産農林水産物輸出・食品の輸出促進等に関して、活発な意見交換を行った。
在ブラジル日本国大使館からは山田大使が出席し、開会の挨拶において、今年参加した日伯経済合同委員会、貿易投資促進・産業協力合同委員会、インフラ協力会合といった会合での日本の経済界、ブラジルの商工会議所による活発な活動について高く評価するとともに、来年開催予定の日伯賢人会議、日伯経済合同委員会及び日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会並びに、インフラ協力会合などの次回会合に向けて、ブラジル側と協議を進めていくことや、今後とも引き続き、民間レベル、政府レベルでの経済対話を積み重ね、ブラジルの経済制度の改革を進展させるため、官民一体となって、粘り強い働きかけを継続することが重要である旨を述べた。
今般の会議が、ブラジルにおける経済制度の改革の一層の増進につながっていくことが期待される。


(3)山田大使のアルキミン・サンパウロ州知事、ドリア・サンパウロ市長との会談
12月15日、山田大使はサンパウロにてアルキミン・サンパウロ州知事と会談した。この会談には野口駐サンパウロ総領事も出席した。
山田大使は、アルキミン知事に対して、サンパウロ州の110万人以上の日系コミュニテイへの配慮に謝意を表すると共に、明2018年の日本人ブラジル移住110周年を若い世代の関与をも得て両国の交流を一段と盛り上げる機会としたい旨述べた。これに対してアルキミン知事は、110周年行事を支援していく旨応えられた。
山田大使とアルキミン知事は、日本とブラジルの経済関係の活発化、本年4月に開館したジャパンハウスがサンパウロ市の新しいアイコンとして好評を博していること、日本の「交番」プロジェクトなどを含めた安全・治安に係る取組などについて意見交換を行った。
また,これに先立つ12月14日、山田大使は野口総領事と共にドリア・サンパウロ市長と会談した。
双方は、明年の移住110周年への取り組み、日ブラジル経済・ビジネス関係、ジャパンハウスによる相互理解・交流の進展などについて、忌憚のない意見交換を行った。
この会談の後半には、松永会頭を始めとするブラジル日本商工会議所関係者も加わり、同14日午前に開催された官民合同会議での議論、日本企業による積極的な活動とサンパウロ市の発展への貢献などについて、意見が交わされた。
(4)アマゾナス日系商工会議所30周年記念式典(マナウス総)
2017年はアマゾナス日系商工会議所の設立30年にあたる佳節であった。年間を通じて同商工会議所は30周年記念の様々な関連行事(例えば,APAE(知的障害児支援を行うNGO)への野菜菜園制作寄付,日本国大使館政務班長を招いての講演会実施等)を行ったが,ここではそのハイライトとなったアマゾナス日系商工会議所30周年記念式典について紹介する。
(ア)同記念式典は2017年10月26日(木)19時~21時,マナウス市内ホテルの催事場にて開催された。
(イ)主要な出席者として,ウィルソン・ペリコ・アマゾナス州工業センター会長,ネルソン・アゼヴェド・アマゾナス州工業連盟副会長,ベルナルド・モンテイロ/マナウス市文化観光局長(市長代理),和田リオグランデドスル日本商工会議所専務理事(同商工会議所会頭代理),後藤在マナウス日本国総領事等が参加し,これに藪崎アマゾナス日系商工会議所会頭以下同商工会議所役員並びに会員及び関係者,更にメディア関係者等が加わった総勢約100名が集った。(注:アマゾナス州政府はこの時点では新州知事による体制の構築中であったため,いずれのレベルも参加できず。)
(ウ)式典次第は概要以下のとおりであった。開会に先立ち会場にてアマゾナス日系商工会議所の30年間の活動を紹介するスライドが投影され,司会一声による開会を経て,藪崎会頭,後藤総領事及びモンテイロ・マナウス市長代理の3名が挨拶並びに祝辞を述べた。次に参加者による記念撮影が行われ,続いて鏡開きを行った(藪崎会頭,後藤総領事,ペリコ会長,モンテイロ市長代理,川田元会頭が木槌入れ)。この後,川田元会頭(アマゾナス日系商工会議所の創立者の一人,叙勲者)の音頭で乾杯を行い,太鼓披露にピアノ演奏が行われる中,しばし懇談のレセプションとなり,21時に牛田前会頭(現副会頭)による一本締めで閉会した。
(エ)アマゾナス日系商工会議所会員企業の売上げ額と雇用は,工業部門に絞っても,マナウス・フリーゾーン内でいずれも約2割を占めており,投資高も例年日本勢が一位できたところ,当地官民も同商工会議所が地域経済の発展と振興に果たしてきた多大な貢献を評価し,その30周年記念を共に祝賀する様子が看て取れた。
(オ)同商工会議所30周年式典には当館も準備段階からオブザーバー参加し,当日は「鏡開き」の用具一式,会場ディスプレー用のパネルといった当館備品の無償貸出しや,日本産酒類推進事業の日本酒を会場の一角で当館館員が提供しつつ紹介する等,ささやかながらお手伝いすることができ光栄であった。同記念式典の準備と実行の労を執られた全ての関係各位に敬意を表したい。


[内政]
(1)政界の主な動向
(2)次期大統領選挙関連
(3)閣僚人事
(4)汚職捜査関連
[外政]
(1)第51回メルコスール首脳会合
(2)ボリビア関係
(3)マケドニア関係
(4)アルゼンチン関係
(5)ベネズエラ関係
トピックス
(1)平成29年度天皇誕生日祝賀レセプション
(2)平成29年度官民合同会議の開催
(3)山田大使のアルキミン・サンパウロ州知事、ドリア・サンパウロ市長との会談
(4)アマゾナス日系商工会議所30周年記念式典(マナウス総)
【内政】
(1)政界の主な動向(ア)同9日,PSDBはブラジリアで党大会を開催し,アルキミンSP州知事の党首就任を決定。
(イ)同9日,アナ・アメリア上院議員を団長とする連邦議員一行が,平成29年度「Juntos!!」招聘で訪日(~16日まで本邦滞在)。
(ウ)同13日,連邦議会は,2018年度連邦政府予算案を承認。
(エ)同19日,PMDBはブラジリアで党大会を開催し,党名を従前のMDB(伯民主運動)に戻すことを決定。
(オ)同20日,IBOPE社の世論調査結果が発表され,テメル政権支持率に好転の兆しを見せる(前回9月調査:3%→今回12月調査:6%)
(カ)同22日,連邦議会閉会。
(2)次期大統領選挙関連
(ア)12月2日,REDE(持続可能性ネットワーク党)はマリナ・シルヴァ元環境相の次期大統領選出馬を発表。
(イ)同3日,ダータ・フォーリャ社が発表した世論調査結果では,ルーラ元大統領が高支持を維持(ルーラ元大統領:34%,ボルソナーロ下院議員:17%,マリナ・シルヴァ元環境相:9%,アルキミンSP州知事:6%,シロ・ゴメス下院議員:6%, バルボーザ元連邦最高裁長官:5%,メイレレス財相:1%)
(ウ)同20日,ルーラ元大統領は記者会見を行い,第2審(2018年1月24日予定)で敗訴しても控訴し,あくまで大統領選に立候補する意向を表明。
(3)閣僚人事
(ア)12月8日,インバサイ大統領府政府調整庁長官(PSDB)が辞任。
(イ)同15日,カルロス・マルン下院議員(PMDB)が大統領府政府調整庁長官に就任。
(ウ)同27日,ノゲイラ労働大臣(PTB)が2018年下院議員選への出馬を理由に辞表提出。
(4)汚職捜査関連
(ア)12月19日,マルセロ・オーデブレヒト元オーデブレヒト社社長(禁錮10年)がクリチバの留置所から釈放され,SP市内の自宅謹慎措置に処される。
(イ)同20日,ファキン連邦最高裁判事の命令で,元SP州知事のパウロ・マルフ下院議員(PP)が収監(本年5月に,マネロン罪で禁錮7年9か月の有罪となっていたもの)
(ウ)同20日,メンデス連邦最高裁判事の決定により,ガロチーニョ元RJ州知事(PR)及びロドリゲス上院議員(PR党首)の未決勾留が解除され,釈放。
【外政】
(1)第51回メルコスール首脳会合(ア)12月21日,ブラジリアで第51回メルコスール首脳会合が開催。メルコスール加盟国から,資格停止中のベネズエラを除く,テメル伯大統領,マクリ亜大統領,カルテス・パラグアイ大統領,バスケス・ウルグアイ大統領が出席した他,準加盟国から7か国の各代表が出席。
(イ)首脳会合では,伯からパラグアイに議長国が引き継がれた他,メルコスール・太平洋同盟間の連携強化のための「ブラジリア宣言」等が採択・発表された。
(ウ)首脳会合に先立ち,20日に開催された第51回メルコスール共同市場理事会(CMC)では,公共調達に関するメルコスール議定書,及び,消費の国際契約に適用可能な法律に関するメルコスール協定が承認された。
(2)ボリビア関係
12月5日,モラレス・ボリビア大統領が伯を公式訪問。両国の関係強化と経済社会発展を創出するための二国間協定に調印された他,国境部の治安強化とインフラ統合を改善するための覚書に署名がなされた。
(3)マケドニア関係
12月11日~15日にかけて,イヴァノフ・マケドニア大統領が伯を公式訪問。12日には大統領府で首脳会談、伯イタマラチ宮で午餐会が行われた。訪問中、イヴァノフ大統領は、マケドニアにとってラ米初となる大使館の開設を発表。
(4)アルゼンチン関係
(ア)12月10日,テメル大統領,第11回WTO閣僚会議開会式(アルゼンチン)に出席。
(イ)同21日,イペロ地域圏先端技術地区財団及び亜企業UNVAPの間で,伯多目的原子炉(RMB)プロジェクトの新たな段階を開始するための契約が署名された。
(5)ベネズエラ関係
(ア)12月23日,ベネズエラ政府が駐ベネズエラ伯大使をペルソナノングラーダ措置に処したことに対し,同日付で伯外務省は,「ニコラス・マドゥーロ政権が,全体主義で,あらゆる対話に応じる考えが欠如していることを改めて示すもの」と非難する声明を発出。
(イ)同26日,伯外務省は,駐伯ベネズエラ大使の国外退去を求める対抗措置(ただし公式発表無し)。
トピックス
(1)平成29年度天皇誕生日祝賀レセプション11月28日、在ブラジル日本国大使公邸にて平成29年度天皇誕生日祝賀レセプションが行われた。同レセプションには、ブラジル政府、連邦議会、国軍、日系社会、民間企業、教育・文化・スポーツ関係、外交団等、多岐にわたる分野からご出席を得て、その数は約500名にのぼった。
会場では、食のプロモーションとして、日本酒コーナー、日本産新米を使ったちらし寿司・手巻きコーナーをはじめ、天ぷら及び寿司の屋台を設け、出席者の人気を博した。また、スクリーンにて日本のインフラ・プロモーションDVD及び観光促進のための我が国の風景等の動画を上映した他、進出企業支援の一環として、ブラジルで活躍する日本企業5社(ヤクルト、キッコーマン、 NEC、FUJIFILM、新日鐵住金)に自社製品の紹介等を行って頂いた。
山田大使は、挨拶を行い、日ブラジル両国の首脳間で合意された「戦略的グローバル・パートナーシップ」強化に向けた協力について言及しながら、日本人移住110周年を迎える来年に向け、日ブラジル両国の強い人的絆を背景として両国間の各分野においてさらなる関係強化に努めたい旨を述べた。


開会式の様子 大使挨拶



レセプションの様子1 レセプションの様子2



日本酒コーナー 日本産新米コーナー
(2)平成29年度官民合同会議の開催
12月14日、サンパウロ市ジャパン・ハウスにおいて、平成29年度官民合同会議が開催された。
今回の官民合同会議では、日本商工会議所、ブラジル日本商工会議所、アマゾナス日系商工会議所、南伯日本商工会議所、パラナ日伯商工会議所及びリオデジャネイロ日本商工会議所の各代表と、外務省の中南米局及び在ブラジル日本国大使館を始めとする在伯8公館並びにJICA、JBIC及びJETROの各代表、合わせて約50名が参加し、国側と民間側それぞれにおける最近の活動状況について報告を行うとともに、ビジネス環境整備、AGIR活動、日本産農林水産物輸出・食品の輸出促進等に関して、活発な意見交換を行った。
在ブラジル日本国大使館からは山田大使が出席し、開会の挨拶において、今年参加した日伯経済合同委員会、貿易投資促進・産業協力合同委員会、インフラ協力会合といった会合での日本の経済界、ブラジルの商工会議所による活発な活動について高く評価するとともに、来年開催予定の日伯賢人会議、日伯経済合同委員会及び日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会並びに、インフラ協力会合などの次回会合に向けて、ブラジル側と協議を進めていくことや、今後とも引き続き、民間レベル、政府レベルでの経済対話を積み重ね、ブラジルの経済制度の改革を進展させるため、官民一体となって、粘り強い働きかけを継続することが重要である旨を述べた。
今般の会議が、ブラジルにおける経済制度の改革の一層の増進につながっていくことが期待される。



(3)山田大使のアルキミン・サンパウロ州知事、ドリア・サンパウロ市長との会談
12月15日、山田大使はサンパウロにてアルキミン・サンパウロ州知事と会談した。この会談には野口駐サンパウロ総領事も出席した。
山田大使は、アルキミン知事に対して、サンパウロ州の110万人以上の日系コミュニテイへの配慮に謝意を表すると共に、明2018年の日本人ブラジル移住110周年を若い世代の関与をも得て両国の交流を一段と盛り上げる機会としたい旨述べた。これに対してアルキミン知事は、110周年行事を支援していく旨応えられた。
山田大使とアルキミン知事は、日本とブラジルの経済関係の活発化、本年4月に開館したジャパンハウスがサンパウロ市の新しいアイコンとして好評を博していること、日本の「交番」プロジェクトなどを含めた安全・治安に係る取組などについて意見交換を行った。


また,これに先立つ12月14日、山田大使は野口総領事と共にドリア・サンパウロ市長と会談した。
双方は、明年の移住110周年への取り組み、日ブラジル経済・ビジネス関係、ジャパンハウスによる相互理解・交流の進展などについて、忌憚のない意見交換を行った。
この会談の後半には、松永会頭を始めとするブラジル日本商工会議所関係者も加わり、同14日午前に開催された官民合同会議での議論、日本企業による積極的な活動とサンパウロ市の発展への貢献などについて、意見が交わされた。


(4)アマゾナス日系商工会議所30周年記念式典(マナウス総)
2017年はアマゾナス日系商工会議所の設立30年にあたる佳節であった。年間を通じて同商工会議所は30周年記念の様々な関連行事(例えば,APAE(知的障害児支援を行うNGO)への野菜菜園制作寄付,日本国大使館政務班長を招いての講演会実施等)を行ったが,ここではそのハイライトとなったアマゾナス日系商工会議所30周年記念式典について紹介する。
(ア)同記念式典は2017年10月26日(木)19時~21時,マナウス市内ホテルの催事場にて開催された。
(イ)主要な出席者として,ウィルソン・ペリコ・アマゾナス州工業センター会長,ネルソン・アゼヴェド・アマゾナス州工業連盟副会長,ベルナルド・モンテイロ/マナウス市文化観光局長(市長代理),和田リオグランデドスル日本商工会議所専務理事(同商工会議所会頭代理),後藤在マナウス日本国総領事等が参加し,これに藪崎アマゾナス日系商工会議所会頭以下同商工会議所役員並びに会員及び関係者,更にメディア関係者等が加わった総勢約100名が集った。(注:アマゾナス州政府はこの時点では新州知事による体制の構築中であったため,いずれのレベルも参加できず。)
(ウ)式典次第は概要以下のとおりであった。開会に先立ち会場にてアマゾナス日系商工会議所の30年間の活動を紹介するスライドが投影され,司会一声による開会を経て,藪崎会頭,後藤総領事及びモンテイロ・マナウス市長代理の3名が挨拶並びに祝辞を述べた。次に参加者による記念撮影が行われ,続いて鏡開きを行った(藪崎会頭,後藤総領事,ペリコ会長,モンテイロ市長代理,川田元会頭が木槌入れ)。この後,川田元会頭(アマゾナス日系商工会議所の創立者の一人,叙勲者)の音頭で乾杯を行い,太鼓披露にピアノ演奏が行われる中,しばし懇談のレセプションとなり,21時に牛田前会頭(現副会頭)による一本締めで閉会した。
(エ)アマゾナス日系商工会議所会員企業の売上げ額と雇用は,工業部門に絞っても,マナウス・フリーゾーン内でいずれも約2割を占めており,投資高も例年日本勢が一位できたところ,当地官民も同商工会議所が地域経済の発展と振興に果たしてきた多大な貢献を評価し,その30周年記念を共に祝賀する様子が看て取れた。
(オ)同商工会議所30周年式典には当館も準備段階からオブザーバー参加し,当日は「鏡開き」の用具一式,会場ディスプレー用のパネルといった当館備品の無償貸出しや,日本産酒類推進事業の日本酒を会場の一角で当館館員が提供しつつ紹介する等,ささやかながらお手伝いすることができ光栄であった。同記念式典の準備と実行の労を執られた全ての関係各位に敬意を表したい。


