トピックス 2016年4月号

2016/5/11

(1)梅田大使のアマゾナスマナウス州公式訪問(3月17日・18日)

(2)厚生労働省ジカウイルス感染症に関する調査団による健康安全講話の実施等

(3)草の根・人間の安全保障無償資金協力

「サンタクルス病院医療機材整備計画」及び「日伯友好病院医療機材整備計画」(サンパウロ総領事館)並びに「アマゾニア病院手術棟・集中治療室棟機材整備計画」(ベレン領事事務所)贈与契約署名式の実施
 

(4)ジジャウマ・バチスタ・ダ・クーニャ日本語・ポルトガル語バイリンガルモデル校の開校及び草の根文化無償資金協力「日本語学習・教育最適化計画」署名式の実施(マナウス総領事館)

内政

(1)クーニャ下院議長の議員資格剥奪に係る審議実施の正式決定
(2)ルーラ前大統領の連邦警察による事情聴取
(3)ルーラ前大統領の起訴及び身柄拘束請求
(4)PMDBの年次党大会
(5)反政府全国デモの開催
(6)ルーラ前大統領の文官長就任
(7)世論調査
(8)ルーラ前大統領の関与が疑われる汚職事件の取扱い
(9)PMDBの連立離脱の決定

外交

(1)伯政治危機に関するアルゼンチン外務大臣の発言
(2)ヴィエイラ外務大臣の北アフリカ訪問
(3)ヴィエイラ外務大臣のポルトガル訪問
(4)対米関係

(1)梅田大使のアマゾナス州公式訪問(3月17日・18日)

(ア)17日・18日、梅田大使がアマゾナス州を公式訪問し、ジョセ・メーロ同州知事及びマナウス・フリーゾーン監督庁長官との会談、西部アマゾン日伯協会視察、マナウス在住日系人との会食、ジジャウマ・バチスタ・ダ・クーニャ日本語・ポルトガル語バイリンガルモデル校の視察等を行った。

(イ)メーロ同州知事との面談では、メーロ同州知事から、マナウス・フリーゾーンに多くの日本企業が存在し、日本とアマゾナス州は歴史的かつ伝統的な関係を有している旨発言があった。梅田大使からは、同州の日系社会への配慮について感謝する旨発言した他、同州の税制恩典の改正作業における日本企業への配慮、JICAが実施する交番プロジェクト及び「フィールド・ミュージアム構想」によるアマゾンの生態系保全プロジェクトの実施への協力等を依頼した。
 

(2)厚生労働省ジカウイルス感染症に関する現地調査団による健康安全講話の実施等

8日から16日までの間、専門家から構成された厚生労働省ジカウイルス感染症に関する現地調査団が訪伯し、伯の政府機関、地方政府機関、研究機関等との間で今後の協力の在り方等について議論を行いつつ、レシフェ(12日)、ブラジリア(14日)、リオデジャネイロ(14日)及びサンパウロ(16日)において、在留邦人等を対象とした健康安全講話を実施した。同講話は、日本からの専門家が参加者と日本語で説明及び質疑応答を行うものであり、各地で多くの質問がなされる等、関心の高さがうかがわれた。
 

(3) 草の根・人間の安全保障無償資金協力「サンタクルス病院医療機材整備計画」及び「日伯友好病院医療機材整備計画」(サンパウロ総領事館)並びに「アマゾニア病院手術棟・集中治療室棟機材整備計画」(ベレン領事事務所)贈与契約署名式の実施

(ア) 地域の中核的医療を担う日系病院への設備面での支援等を実現するため、平成27年度草の根・人間の安全保障無償資金協力として、3月16日に「サンタクルス病院医療機材整備計画」、3月22日に「日伯友好病院医療機材整備計画」及び「「アマゾニア病院手術棟・集中治療室棟機材整備計画」の贈与契約署名式が行われ、日本製医療機器が供与されることとなった。

(イ)この支援により日系病院による地域住民への貢献の拡大、地域住民の医療環境の向上等が進み、各病院を通じて日本の医療機材が一層伯に広まることが期待される。
 

(4)ジジャウマ・バチスタ・ダ・クーニャ日本語・ポルトガル語バイリンガルモデル校の開校及び草の根文化無償資金協力「日本語学習・教育最適化計画」署名式の実施(マナウス総領事館)

(ア)2月15日,ブラジルで初めての試みとなる日本語・ポルトガル語バイリンガル授業モデル校であるジジャウマ・バチスタ・ダ・クーニャ校(以下DB校)の開校式が行われた。また,平成27年度草の根文化無償資金協力「アマゾナス州立ジジャウマ・バチスタ校日本語学習・教育最適化計画」署名式が併せて実施された。

(イ) 開校式には,ジョゼ・メーロ・アマゾナス州知事及びエンリケ・オリヴェイラ同州副知事のほか,教育局長等の同州政府関係者,アマゾナス日系商工会議所,西部アマゾン日伯協会,アマゾン高拓会関係者が参列した。ジョゼ・メーロ州知事はスピーチの中で,「日本語・ポルトガル語バイリンガル校を開校することができたのは,古くは日本人移住者が新種ジュート栽培の成功により州経済を発展させ,今日ではマナウス・フリーゾーンに進出する日本企業が州経済を支えており,アマゾナス州における日本の貢献は非常に大きく,重要であると認識しているためである。また草の根文化無償資金協力『日本語学習・教育最適化計画』は子供達が国際的な人材となる大きな手助けになることを確信している」と述べた。

  
メーロ州知事インタビュー            草の根文化無償資金協力署名式

(ウ)DB校では6年生から9年生まで約1,100人の児童・生徒が通い,初年度となる本年は6年生の11クラス,420人が日本語・ポルトガル語バイリンガル授業を受けている。今後,バイリンガル授業の対象となる学年は順次拡大していく方針。DB校では通常のカリキュラムに加え,外国語としての日本語授業が週4時間,日本語による授業(バイリンガル授業)として理科・算数が各2時間,計週8時間の日本語・バイリンガル授業が行われている。またバイリンガル授業のカリキュラム・教材などは,アマゾナス連邦大学日本語・日本文学学科が協力し作成されている。同大学から5名の学生がDB校で日本語教師として採用され,子供達に日本語を教えている。

   
日本語授業年間計画                 日本語授業風景
 

内政

(1)クーニャ下院議長の議員資格剥奪に係る審議実施の正式決定

(ア)既に起訴されているクーニャ下院議長(伯民主運動党(PMDB))を巡っては,ペトロブラス社の汚職事件に関する議会調査委員会(CPI)において,伯国外に銀行口座を保有していないとの嘘の証言を行ったとして,下院倫理委員会で議員資格剥奪に向けた審議を行うための調整が行われてきた。

(イ)下院倫理委員会での本審議は2月に一度中断していたが,2日に行われた投票の結果,クーニャ下院議長の議員資格剥奪に向けた審議の開始が正式に決定した。

(ウ)同議長は,期限最終日の21日に反論書を提出した。今後,順調に進めば,下院倫理委員会による検証作業が完了するのが5月18日頃,担当議員による最終の意見書の提出は6月2日頃になると見られる。
 

(2)ルーラ前大統領の連邦警察による事情聴取

(ア)4日朝,ルーラ前大統領は,サンパウロ市郊外にある自宅から,同市内東部コンゴーニャス空港にある連邦警察事務所に連行され,ペトロブラス汚職事件捜査の一環として,事情聴取を受けていた。同前大統領の他,夫人,長男も同様に事情聴取を受けた。

(イ)連邦警察は,事情聴取と平行して,ルーラ前大統領の自宅をはじめ多数の箇所に対する家宅捜索を進めた。

(ウ)連邦検察庁は,今回の事情聴取について,「ルーラ前大統領の人柄や業績が害される訳ではない。他方,捜査から決して免除されるものではない。捜査を行わねばならない正当な理由が積み上がっている以上,当然のことであり,本日の一連の動きを冷静に受け止めて頂きたい」とのコメントを発表した。
 

(3)ルーラ前大統領の起訴及び身柄拘束請求

(ア)9日夜,サンパウロ州検察庁は,同州グアルジャー市内の高級アパートをめぐる資金洗浄等の容疑で,ルーラ前大統領,レチシア同夫人,同夫妻の長男(通称ルリーニャ),大手ゼネコンOAS社の元社長他計16名を起訴した。

(イ)ルーラ前大統領夫妻は,同不動産は自分達の所有物件ではないと否定してきたが,同州検察庁によれば,同不動産の建設や改装工事の際など,同前大統領と親族の出入りのみが確認されており,正式な名義変更は行われなかったものの,実質的にルーラ前大統領一家による使用が念頭に置かれていた。

(ウ)翌10日,サンパウロ州検察庁は,州裁判所に対し,前日に起訴状を提出した16名のうち,ルーラ前大統領他計7名の身柄拘束を請求した。理由として,捜査の妨害や証拠隠滅のおそれに加え,ルーラ前大統領の絶大な影響力により,民衆や関係者が,捜査や司法の判断に反対する動きを煽るなどしていることが挙げられた。

(エ)今回の起訴状提出と身柄拘束請求を受けたサンパウロ州裁判所は,本件はペトロブラス汚職事件捜査の一部をなすと判断出来るとして,同事件を一括して扱っているパラナ州連邦裁判所のセルジオ・モロ判事に対し,起訴受理等の判断権限を返上したい旨の声明を発表した。
 

(4)PMDBの年次党大会

(ア)12日,連立与党で最大勢力のPMDBは,ブラジリアで年次党大会を開催した。党首に再選されたテメル副大統領は,演説の中で党の自立を強調しつつも,PMDBが連立にとどまるかの最終決定は30日以内に行うと述べた。

(イ)また,党所属の政治家は,連立解消に関する決定が出るまでは,大統領による指名があっても大臣就任を拒否すべきとの方針が決定された。これは,2月にPMDBの下院院内総務に大統領弾劾反対派のピシアーニ議員が再選された見返りとして,現在空席の大統領府民間航空庁(SAC)長官(大臣格)にマウロ・ロペス議員(PMDB)が指名された動きをけん制したもの。
 

(5)反政府全国デモの開催

(ア)13日,全26州及びブラジリア連邦区で開催された反政府デモの総参加者は,各州軍警察の発表で約360万人,「路上へ出よう(Vem Pra Rua)」等の主催市民団体の発表では約680万人となった。2015年1月にルセーフ第二期政権が開始して以降,今回を含め計5回行われた大規模な反政府デモの中で最多の参加者数を記録した。

(イ)デモ参加者数が過去最高を記録した背景には,ルーラ前大統領への取り調べや起訴など,ペトロブラス汚職事件の進展に伴う国民の不満・政治不信の高まりがあると考えられる。TVグローボ局,TVバンデイランテス等のインタビューに回答したデモ参加者の多くから,「ブラジルから汚職を排除したい」,「政治家の汚職のツケを国民が払うのはもうたくさんだ」等の声が聞かれた。
 

(6)ルーラ前大統領の文官長就任

(ア)17日午前,大統領府内において,ルーラ大統領府文官長,アラガオン法務大臣,ロペス大統領府民間航空庁長官,ワグネル大統領府大統領室長(今回大臣ポストに昇格)の就任式が執り行われた。

(イ)ルーラ前大統領の就任式への出席は直前まで不透明とされていたが,ルセーフ大統領とともに会場に現れ,任命書への署名後,両名は抱擁し,共に手を掲げた。同大統領の演説にも,ルーラ前大統領を賞賛する言葉が多く見られた。ルセーフ大統領は,今回の就任式を,ルーラ前大統領の政権入りの正当性を示す機会として利用したと見られている。

(ウ)大統領府がルーラ前大統領の文官長就任を発表した16日夜から,全国の主要都市では,同前大統領の政権入りに反対する抗議デモが開始された。

(エ)本就任式と前後して,各地の連邦裁判所や連邦最高裁判所(STF)に対し,「ルーラ文官長」の就任差止め請求が多数出され,ブラジリア及びリオの連邦裁判所が一時就任差止めの仮処分を出す事態となった(その後,各州の高等裁判所により棄却)。18日,メンデスSTF判事が同様の差止め仮処分を出したことで,本件就任の判断はSTF大法廷に委ねられることとなった。
 

(7)世論調査

(ア)17~18日,大手世論調査機関ダタ・フォーリャ社は,全国171市で2,794人の有権者を対象に,ルセーフ政権の支持率等に関する調査を実施した。

(イ)ルセーフ政権を「悪い・最悪」とした回答者は,前回調査(本年2月)比5ポイント増の69%となり,同回答の過去最高(71%)を記録した昨年8月に近づく形となった。

(ウ)ルセーフ大統領の弾劾プロセスに,「下院議員は賛成票を投じるべき」とした回答者は,前回調査比8ポイント増の68%に,「反対すべき」は同6ポイント減の27%となり,伯世論が大統領弾劾支持の傾向を強めていることが分かる。

(エ)ルセーフ大統領が弾劾され,テメル副大統領(PMDB党首)が大統領に昇格した場合の政府について,「最高・良い」は16%,「悪い・最悪」及び「普通」は35%となった。
 

(8)ルーラ前大統領の関与が疑われる汚職事件の取扱い

(ア)22日夜,ザヴァスキ連邦最高裁判所(STF)判事は,ルーラ前大統領の関与が疑われるペトロブラス汚職事件について,セルジオ・モロ連邦裁判所クリチバ法廷判事に対し,取扱いはSTFの権限とする旨命じた。

(イ)同前大統領が文官長に法的に就任出来ない状況に変更は加えられなかったが,これによって一連のペトロブラス汚職事件の担当判事として国民から英雄視されているモロ判事の判断によっては,ルーラ前大統領の身柄拘束等は行われないこととなった。
 

(9)PMDBの連立離脱の決定

(ア)29日,連立与党の最大勢力である伯民主運動党(PMDB)は,ブラジリアで全国党幹部会議を開催し,連立政権からの離脱を決定した。

(イ)党幹部は,連立離脱の決定を受け,28日に自主的に辞表を提出したアルヴェス観光大臣を除く6名の党所属の大臣に対し,職にとどまる場合は辞任を求める旨示唆した。
 

外交

(1)伯政治危機に関するアルゼンチン外務大臣の発言

(ア)22日付当国主要紙「ヴァロール・エコノミコ」は,マルコーラ・アルゼンチン外務大臣が,現在の政治危機を踏まえ,民主主義条項の適用により,ブラジルは一時的にメルコスール参加停止となる可能性がある旨コメントしたと報じた。

(イ)同大臣は,ブラジルの参加停止措置は,メルコスールとして早急に結論を出すべきテーマではないが,状況を注視していく必要があるとしつつ,我々は民主主義に則って選出されたルセーフ大統領を支持している,民主主義と憲法の遵守に反する方法により,ブラジルで何らかの変化が起こることは望まないと述べた。

(ウ)過去の例では,2012年6月,パラグアイでルゴ大統領(当時)に十分な抗弁の時間が与えられないまま,24時間以内に大統領の弾劾手続きが完了した際,民主主義条項に基づき,パラグアイにメルコスール参加停止措置がとられたことがある。
 

(2)ヴィエイラ外務大臣の北アフリカ訪問

(ア)8~11日,ヴィエイラ外務大臣は,エチオピア,モロッコ及びチュニジアを訪問した。2015年1月の大臣就任以来,5回目のアフリカ訪問となった。

(イ)エチオピアでは,ハイレマリアム首相,ズマ・アフリカ連合(AU)委員会委員長との会談,ブラジル・エチオピア・ビジネスセミナーへの出席等を行った。モロッコでは,メズアール外相等の主要閣僚との会談,伯・モロッコ刑事共助条約署名式への出席等を行った。チュニジアでは,エセブシ大統領,エシード首相及びジヒナウイ外相との会談,ブラジル・チュニジア・ビジネスセミナーへの出席等を行った。
 

(3)ヴィエイラ外務大臣のポルトガル訪問

(ア)16~17日,ヴィエイラ外務大臣はリスボンを訪問し,ポルトガル語諸国共同体(CPLP)外相会談への出席,サントス・シルヴァ・ポルトガル外務大臣との会談等を行った。

(イ)7月には,ブラジルでCPLPサミットの開催が予定されている。
 

(4)対米関係

(ア)ワシントンで開催される核セキュリティ・サミットに出席するため訪米したヴィエイラ外務大臣は,31日,米国政府とのインフラ整備の推進協力に係る覚書に署名した。米国側は,プリツカー商務長官らが署名を行った。

(イ)上記(ア)の署名式にも立ち会ったモンテイロ開発商工大臣は,31日,ワシントンでプリツカー商務長官と個別に会談し,規制の統一と基準の調和及び貿易円滑化の施策を拡大するための今後の方針等について議論を行った。

 

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