最近の経済情勢 2018年12月号

2018/12/11
ブラジル・マクロ経済情勢

(1)経済情勢等(11月発表の経済指標)
(2)経済政策等
(3)中銀の金融政策等
(4)為替市場
(5)株式市場

 

(1)経済情勢等(11月発表の経済指標)

(ア)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に関して、11月30日時点で、GDP成長率予測については、2018年は1.32%で先週から0.07%減少、2019 年は2.53%で先週から0.03%上昇した。インフレ率については、2018年は3.89%で先週から0.05%減少、2019年は4.11%で先週から0.01%減少した。

(イ)9月の鉱工業生産指数は、前月比▲1.8%で3ヶ月連続のマイナス、前年同月比は▲2.0%で4ヶ月ぶりのマイナスとなった。

(ウ)9月の小売売上高は、前年同月比+0.1%で先月の+4.1%から減少したほか、前月比▲1.3%と先月の+1.3%から大きく減少した。

(エ)全国の失業率(8~10月の移動平均)は11.7%となり,前回の公表値(7~9月の移動平均)から0.2%下落して7か月連続で改善した。

(オ)10月の貿易収支は,輸出額は219.48億ドル(前年同月比+16.30%,前月比+15.15%)、輸入額は161.11億ドル(前年同月比+17.74%,前月比+14.09%)で,差引き58.42億ドル(前年同月比+12.50%,前月比+18.16%)となり,44か月連続で貿易黒字を記録した。

(カ)10月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で0.45%となり,前月の0.48%から減少した。また,過去12か月累計では4.56%となり,政府のインフレ目標(4.5%±1.5%)内の水準で推移している。

 

(2)経済政策等

(ア)ジャイル・ボルソナーロ次期大統領は、経済顧問のパウロ・ゲデス氏を経済大臣に指名する等、閣僚の人選を発表。政権移行チームでは、パウロ・ゲデス氏を中心に諸改革の実施を検討中。

(イ)ボルソナーロ次期大統領は,次期中央銀行総裁(閣僚級扱い)として,サンタンデール銀行取締役でリベラル派エコノミストであるロベルト・カンポス・ネト氏を指名。

(ウ)政権移行チームは、貿易自由化を進めるために関税引き下げの可能性を検討中。来年2月のメルコスール首脳会合にて本件が議論される見込み。具体的には、57種類の化学製品に対する10-14%の対外共通関税(TEC)を2%まで引き下げることについて検討がなされる予定。

(エ)ボルソナーロ次期大統領が年内に年金制度改革案について議会の承認を得ることは困難であると予想している旨報道。パウロ・ゲデス氏は軍人の年金制度を含めた年金制度改革案を検討中であるが、軍部は強く反発している模様。

 

(3)中銀の金融政策等

     政策金利を年率6.50%。次回金融政策委員会は、12月11日及び12日に開催予定。

 

(4)為替市場

(ア)10月の為替レートは、前半も後半もレアル安傾向。

(イ)月の前半は、米国中間選挙の結果、米国追加利上げ観測、新興国通貨の売り、新政権の議会運営能力及び年金改革の不透明感が向上したこと等で、レアル安傾向。

(ウ)月の後半も、世界経済の減速懸念や、原油価格安、年金改革に係る取組の不透明性を背景にレアル売りが進行。11月26日には1ドル=3.9337レアルまでレアル安が進行するも、買い戻され、月末の終値は1ドル=3.8663レアルとなった。

 

(5)株式市場

(ア)11月のブラジルの株式相場(Ibovespa指数)は、前半は下落、後半は上昇した。

(イ)月の前半は、外部要因としては、米国中間選挙結果、米国の追加利上げ観測、原油価格安、内部要因としては新政権の議会運営及び年金改革に係る取組の不透明性により、下落。

(ウ)月の後半も、世界経済減速懸念、新政権の政策遂行能力の不透明感が引き続き重石となりつつも、89,000ポイント代まで値を戻した。