最近の経済情勢 2017年11月号

2017/11/13
ブラジル・マクロ経済情勢

(1)経済情勢等(10月発表の経済指標)
(2)経済政策等
(3)中銀の金融政策等
(4)為替市場
(5)株式市場

 

(1)経済情勢等(10月発表の経済指標)

(ア)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に基づくGDP成長率予測に関し,10月27日時点では,2017年のGDP成長率は0.73%で先週から横ばい,2018年のGDP成長率は2.50%とされた。また,2017年のインフレ率見通しは3.08%で4週連続の上方修正,2018年のインフレ率見通しは4.02%とされた。

(イ)9月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で0.16%となり,前月の0.19%から下落した。また,過去12か月累計では2.54%となり,政府のインフレ目標(4.5%±1.5%)の下限値を更に下回る水準で推移している。

(ウ)8月の鉱工業生産指数は,前年同月比+4.0%で4か月連続でプラスを記録した一方,前月比では▲0.8%となり,2か月ぶりにマイナスに転じた。

(エ)9月の貿易収支は,輸出額は186.66億ドル(前年同月比+18.1%,前月比▲4.1%),輸入額は134.88億ドル(前年同月比+12.5%,前月比▲2.8%)で,差引き51.78億ドル(前年同月比+35.8%,前月比▲7.5%)となり,31か月連続で貿易黒字を記録した。

(オ)8月の小売売上高は,前年同月比+3.6%で5か月連続でプラスを記録した一方,前月比では▲0.5%となり,3か月ぶりにマイナスに転じた。

(カ)全国の失業率(7~9月の移動平均)は12.4%となり,前回の公表値(6~8月の移動平均)から0.2%下落して6か月連続で改善した。

 

(2)経済政策等

(ア)10月23日,財務省は,エステヴァン副次官(国際担当)が訪問中の新開発銀行(NDB)の代表団と面会し,ブラジルにおける融資額拡大の重要性を強調するとともに,プロジェクトのポートフォリオを拡大する機会について議論したと発表した。

(イ)10月30日,テメル大統領は,財政調整に関する2つの大統領暫定措置令に署名し,投資ファンドの大口投資家に課せられる税を引き上げることで60億レアルの歳入増加を見込むとともに,国家公務員の給与の改定を延期すること等を通じて66億レアルの財政効果が見込めると発表した。

 

(3)中銀の金融政策等

     10月25日,中銀の金融政策委員会(Copom)は,政策金利(Selic)を0.75%引き下げて年率7.50%とする旨を全会一致で決定した。なお,政策金利の引下げの決定は9会合連続となった。

 

(4)為替市場

(ア)10月のドル・レアル為替相場は,前半は安定的に推移したものの,後半はレアル売りが進行する展開となった。

(イ)月の前半は,材料が比較的乏しい状況が続き,1ドル=3.1レアル台で小動きとなった。

(ウ)月の後半は,米上院での予算決議案可決を受けてドルが買われたことと,テメル大統領に対する起訴の受理に関する下院本会議での採決を控えて警戒感が高まったことに加えて,右採決後も年金制度改革の実現に悲観的な見方が広がったことで,レアルは1ドル=3.3レアル近くまで下落した。月末は1ドル=3.2713レアルで取引を終えた(前月比3.4%のドル高・レアル安)。

 

(5)株式市場

(ア)10月の伯の株式相場(Ibovespa指数)は,月初から大幅に上昇してその後も歴史的高値圏で推移したものの,月末に大幅に反落して値を戻す展開となった。

(イ)月の前半は,鉱山エネルギー大臣が国営石油会社ペトロブラス社の民営化に言及したことや原油価格の上昇が好感され,株価指数は一気に76,000ポイント台後半まで大幅に上昇し,その後も堅調に推移した。

(ウ)月の後半は,しばらくは一進一退の状態が続いたものの,テメル大統領に対する起訴の受理を問う下院本会議での採決で賛成票が減少したことを受けて,年金制度改革に悲観的な見方が広がったことで,株価指数は大幅に反落した。月末の株価指数は74,308.49ポイントとなり,前月比+0.0%の横ばいとなった。