最近の経済情勢 2020年9月号

2020/9/14

1 経済情勢報告(8月発表の経済指標)

(ア)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査(フォーカス調査)によれば、7月31日時点で、GDP成長率予測については、2020年は▲5.66%で前週より0.11%減少、2021年は3.50%で前週から変わらず。インフレ率については、2020年は1.63%で前週1.67%から0.04%減少、2021年は3.00%で前週から変わらず。

(イ)6月の鉱工業生産指数(季節調整済み)は前月比+8.9%に上昇した。第2四半期では、自動車や家電製品の減少に伴い、前年同期比▲19.4%。

(ウ)6月の小売売上高は、スーパーでの売上増加、家具・電化製品の売上上昇により前年同月比+0.5%と前月の▲7.2%から改善した。単月ベースでは、前月比+7.7%と2か月連続で増加し、2月の水準を回復した。

(エ)7月の拡大消費者物価指数(IPCA)はガソリン価格や電気料金の上昇、中国向け輸出の増加に伴う牛肉価格上昇で、前月比+0.36%だった(これは前月の+0.26%から上昇)。年率では+2.31%と前月の+2.13%より上昇。

(オ)全国の失業率(4月~6月の移動平均)は13.3%となり、前月の12.9%から0.4%上昇した。雇用者数は8,330万人で、ホテル・レストラン業界での雇用減少により過去最低となった。

(カ)7月単月の貿易収支は80.60億ドルの黒字で前年同月比+237.1%と過去最高の2017年5月の黒字額を上回った。輸出額は195.66億ドル(前年同月比-2.9%),輸入額は115.06億ドル(同-35.2%)で、国内経済停滞による製品輸入の減少により、黒字幅を拡大した。

(キ)6月の連邦政府の歳入総額は862億レアルとなり、前年同月比-14.7%と減少した。新型コロナウイルスに対する施策である免税・納税延期措置により、未徴収分を除いた歳入総額は前年同月比-28%と大幅減少を記録。

 

2 経済政策等

(ア)14日、経済省はGDPの先行指標である経済活動指数(IBC-Br)を公表、2020年4~6月期の経済活動指数は前四半期比-10.94%と、第1四半期の-1.5%から大幅減少した。6月単月の同指数は+4.89%であるが、3月(-6.16%)及び4月(-9.73%)の落ち込みを回復するには至っていない。

(イ)18日、経済省は経済対策の財政への影響に関してレポート(Impactos Fiscais das Medidas)を公表、本年7月までに採られた経済措置のGDP予測比は7.3%となり、他の途上国平均(4.1%)と比べて高くなった。

(ウ)21日、伯中銀は、デジタル通貨発行に関するスタディグループを立ち上げた。国際的な研究対象である中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行が、金融の安定性、金融政策及び経済政策に与える影響を分析し、デジタル通貨のリスクを検証する。

(エ)25日、伯政府は、大衆住宅政策「私の家、私の暮らし」(Minha Casa Minha Vida:MCMV)に代わる新たな低所得者向け住宅供給政策「緑と黄色の家」(Casa Verde e Amarela)に関する暫定措置令に署名した。低所得者層160万世帯に低利で住宅を供給し、住宅ローンの滞納者に対して債務返済に関する再交渉を求める等、MCMVを拡充した内容となっている。

 

3 為替市場

     8月の為替レートは、5.22~5.62レアル/ドル台で推移。歳出上限の維持と2021年の予算策定が注目される中、経済・財政の先行き不透明感が継続し、月を通してレアル安の展開。公務員等の給与引き上げについて、上院で大統領の拒否権が否認されたこと、経済計画「プロ・ブラジル」の議会提出が延期されたことを受けて、経済・財政の先行き不透明感が拡大し、一時5.62レアル/ドル台までレアル安が進行した。

 

4 株式市場

     8月のブラジルの株式相場(Ibovespa)は、99,369~104,126ポイントで推移。財政悪化の懸念が継続する中、米国での追加経済対策法案について、協議が難航していることからIbovespa指数は下落した。一時、市場予想に比べて良好だった国内企業の四半期決算を受け、104,000ポイント台を回復したが、歳出拡大懸念に伴い、101,000ポイント前後で伸び悩む展開となった。