最近の経済情勢 2017年9月号

2017/9/14
ブラジル・マクロ経済情勢

(1)経済情勢等(8月発表の経済指標)
(2)経済政策等
(3)中銀の金融政策等
(4)為替市場
(5)株式市場  

 

(1)経済情勢等(8月発表の経済指標)

(ア)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に基づくGDP成長率予測に関し,8月25日時点では,本年のGDP成長率は0.39%で先週から上方修正,明年のGDP成長率は2.00%とされた。また,本年のインフレ率見通しは3.45%で先週から下方修正,明年のインフレ率見通しは4.20%とされた。

(イ)ブラジル地理統計院(IBGE)が発表した2017年第2四半期(4~6月)のGDP成長率は,前年同期比+0.3%で13期ぶりにプラスに転じたほか,前期比でも+0.2%で2期連続のプラスを記録した。

(ウ)7月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で0.24%となり,前月の▲0.23%から上昇した。また,過去12か月累計では2.71%となり,政府のインフレ目標(4.5%±1.5%)の下限値を更に下回る水準まで下落している。

(エ)6月の鉱工業生産指数は,前年同月比+0.5%で2か月連続でプラスを記録した一方,前月比では±0.0%で横ばいとなった。

(オ)7月の貿易収支は,輸出額は187.67億ドル(前年同月比+14.9%,前月比▲5.1%),輸入額は124.71億ドル(前年同月比+6.1%,前月比▲1.0%)で,差引き62.95億ドル(前年同月比+37.6%,前月比▲12.4%)となり,29か月連続で貿易黒字を記録した。

(カ)6月の小売売上高は,前年同月比+3.0%で3か月連続でプラスを記録したほか,前月比でも+1.2%となり,2か月ぶりにプラスに転じた。

(キ)全国の失業率(5~7月の移動平均)は12.8%となり,前回の公表値(4~6月の移動平均)から0.2%下落して4か月連続で改善した。  

 

(2)経済政策等

(ア)8月15日,メイレレス財務大臣及びオリベイラ企画開発行政管理大臣(企画大臣)は,2017年度及び2018年度のプライマリーバランス目標の変更等を発表し,連邦政府のプライマリー赤字額は,これまでの2017年に▲1,390億レアル,2018年に▲1,290億レアルから,2年とも▲1,590億レアルに引き下げるとともに,2018年のGDP成長率予測を2.5%から2.0%に下方修正した。また,2018年に不足が見込まれる445億レアルを捻出するため,連邦政府職員に対する給与改定の12か月延期等の措置を併せて発表した。

(イ)8月23日,大統領府は,伯電力公社(エレトロブラス社)を含む国営企業,空港,道路,港湾,送電線等の57の事業を新たにPPI(投資パートナーシップ・プログラム)に加えて民営化する計画を発表した。政府の試算では,本57事業の民営化により440億レアルの歳入をもたらすとされている。

(ウ)8月31日,政府は2018年度予算案(PLOA)を連邦議会に提出した。  

 

(3)中銀の金融政策等

     8月は政策金利(Selic)を決定する中銀の金融政策委員会(Copom)は開催されていない。次回会合は,9月5・6日に開催予定。  

 

(4)為替市場

(ア)8月のドル・レアル為替相場は,1ドル=3.1~3.2レアルの狭いレンジで安定的に推移する展開となった。

(イ)月の前半は,しばらくの間は方向感のない展開が続いたものの,その後は米朝間の緊張の高まりを受けたリスクオフの動きに加えて,政府のプライマリーバランス目標達成への懐疑的な見方が広がり,レアルはやや軟調に推移した。

(ウ)月の後半は,プライマリーバランス目標の引下げが小幅にとどまったことや鉄鉱石価格の上昇等が好感され,レアルは堅調に推移した。月末は1ドル=3.1491レアルで取引を終えた(前月比0.8%のドル高・レアル安)。  

 

(5)株式市場

(ア)8月の伯の株式相場(Ibovespa指数)は,ほぼ一貫して上昇する値動きとなった。

(イ)月の前半は,大手銀行の堅調な決算や政府の歳出削減策の発表等が好感され,株価指数は68,000ポイント台まで上昇した。

(ウ)月の後半は,エレトロブラス社の民営化が発表されたこと等が好感され,株価指数は一気に70,000ポイント台まで続伸した。月末の株価指数は70,835.05ポイントとなり,前月比+7.5%の上昇となった。