最近の経済情勢 2020年8月号

2020/8/6

1 経済情勢報告(7月発表の経済指標)

(1)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査(フォーカス調査)によれば、7月31日時点で、GDP成長率予測については、2020年は▲5.66%で前週より0.11%減少、2021年は3.50%で前週から変わらず。インフレ率については、2020年は1.63%で前週1.67%から0.04%減少、2021年は3.00%で前週から変わらず。

(2)5月の鉱工業生産指数(季節調整済み)は前月比+7.0%と前月までのマイナスからプラスに転じた。複数の地域での社会的距離確保の一部解除に伴い、生産活動が再開したことが要因。

(3)5月の小売売上高は、失業者・非正規労働者の給付金支援を余韻として、前年同月比▲7.2%と4月の▲17.1%より改善した。単月ベースでは、前月比+13.9%と市場予想を上回る増加を記録した。

(4)6月の拡大消費者物価指数(IPCA)は燃料・食料価格の値上がりを背景に+0.26%と前月▲0.38%から上昇した。

(5)全国の失業率(3月~5月の移動平均)は12.9%となり、前月の12.6%から0.3%上昇した。雇用者数は8,500百万人で、ホテル・レストラン業での雇用減少により前月より大幅減少した。

(6)7月単月の貿易収支は80.06億ドルの黒字で前年同月比+237.1%と過去最高の2017年5月の黒字額を上回った。輸出額は195.66億ドル(前年同月比-2.9%),輸入額は115.06億ドル(同-35.2%)となった。国内経済停滞による製品輸入の減少により、黒字幅を拡大したが、経済回復プロセスには至っていない。

(7)6月の連邦政府の歳入総額は862億レアルとなり、前年同月比-14.7%と減少した。新型コロナウイルスに対する施策である免税・納税延期措置により、名目歳入総額は前年同月比-28%と大幅減少を記録。

 

2 経済政策等

(1)13日、政府は緊急対策としてFGTS(勤労者積立保障基金)の引出施策を発表した。本措置によって9月までに約6,000万人の労働者により378億レアル以上が引き出される。預金引出は、連邦貯蓄銀行(CAIXA)のデジタル貯蓄口座に支払われる。

(2)15日、伯経済省はマクロ財政報告書を公表した。同報告書によれば、本年GDP成長率は-4.7%、2,021年は3.2%。社会的距離確保政策にもかかわらず、経済政策の効果を反映して、前回5月の予測が維持された。第2四半期のGDP成長率予測は前期比-7.5%、第1四半期の-2.5%から大きく落ち込む予定。パンデミックに対する経済政策は経済の生産性及び財政バランスを維持するための措置にとって変わるべきとした。

(3)21日、ゲデス経済大臣は税制改革の第一段階案を議会へ提出。現行のPIS(連邦税:社会統合基金)とCOFINS(連邦税:社会保険融資負担金)を統合し、CBS(連邦税:商品サービス負担金)を創設することを提案。

 

3 為替市場

     7月の為替レートは、5.10~5.46レアル台で推移。月の前半は,米中の領事館相互閉鎖の発表に伴い関係悪化の懸念が高まるも、海外でのワクチン治験結果が良好だったこと、国内外の経済活動再開に伴う堅調な経済指標に支えられたこと,米国FOMCの政策金利据え置き期待の高まりを要因として、約3ヶ月ぶり5.10レアル台までレアルが上昇した。その後、中銀の追加利下げや、各国の感染第二波懸念の高まりにより5.22レアルまでレアルは下落した。

 

4 株式市場

     7月のブラジルの株式相場(IBOVESPA)は、96,235~105,252ポイントで推移。月の前半は税制改革の進展期待、国外における新型コロナウイルスに係るワクチン治験の良好な結果報道から、100,000ポイント前後で推移した。月の後半は、米中間の緊張の高まりや海外での新型コロナウイルス新規感染者数増加により下落する局面があったが、米FOMCの政策金利据え置き決定に支えられて一時105,000ポイント台を回復し、終値では102,912ポイントとなった。