最近の経済情勢 2019年8月号

ブラジル・マクロ経済情勢

1 経済情勢等(7月発表の経済指標)
2 経済政策等
3 中銀の金融政策等
4 為替市場
5 株式市場

 

1 経済情勢等(7月発表の経済指標)

(1)中銀が週次で発表してるエコノミスト等への調査に関して、7月26日時点で、GDP成長率予測については、2019年は0.82%で先週と変わらず、2020 年は2.10%で先週と変わらず。インフレ率については、2019年は3.80%で先週3.78%から0.02%増加、2020年は3.90%で先週と変わらず。

(2)5月の鉱工業生産指数は、前月比-1.3%、前年同月比▲6.1%を記録。

(3)5月の小売売上高は、前月比+0.3%、前年同月比▲4.5%を記録。

(4)全国の失業率(4~6月の移動平均)は12.0%となり,前回の公表値(12.3%:3~5月の移動平均)より改善した。

(5)6月の貿易収支は、輸出額は180.35億ドル(前年同月比▲10.39%、前月比▲12.88%)、輸入額は130.27億ドル(前年同月比▲9.06%、前月比▲12.98%)で、差引き49.98億ドル(前年同月比▲13.67%、前月比▲12.59%)となり、52か月連続で貿易黒字を記録した。

(6)6月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で+0.01%となり,前月の+0.13%から減少した。12ヶ月の累計では3.37%となり,政府のインフレ目標(4.25%±1.5%)内の水準で推移している。

 

2 経済政策等

(1)7月2日,経済省は2019年の貿易収支に関した見通しを従来の500億レアル(黒字)から,567億レアル(黒字)に上方修正したと発表,2019年6月までの貿易収支は271億レアルを計上し,昨年上半期の300億1,700万レアルより減少となった。

(2)7月4日,下院の特別委員会は年金制度改革法案の票決を36票対13票で可決した。下院のホドリゴ・マイヤ議長(DEM)は、12日までに本会議で議決を行う考えであると述べている。

(3)7月12日,下院本議会は年金制度改革法案を可決(1回目)した。同法案では,教員・連邦警察の年金受給開始年齢が原案より引き下げられ,州・地方公務員が対象から除外されるなど内容が修正されている。

(4)7月19日,経済省は2019年第2四半期の5カ国(米国・中国・日本・フランス・イタリア)の対伯投資額・投資計画数について,22の企業による投資案件が36件,うち金額が確認された28件の投資合計額が150億ドルであると公表した。

(5)7月24日,ゲデス経済相は景気刺激策として勤続年金保障基金(FGTS)の資金引き出しを,1口座につき500レアルまで,2019年9月~2020年3月を引出期間として認めること発表した。これにより,2019年300億レアル,2020年120億レアルの経済効果が見込まれると発言している。

 

3 中銀の金融政策等

     金融政策委員会が7月30日及び31日に開催され、政策金利を0.50%引き下げ,年率6.00%とすることを決定。政策金利の引き下げは11会合ぶり。次回会合は9月17日及び18日開催予定。

 

4 為替市場

(1)7月の為替レートは、1ドル=3.7~3.8レアル台で推移。

(2)月の前半は、年金制度改革法案が下院本会議で可決されたことでレアルが買われた。

(3)月の後半は、年金制度改革の本本会議の2回目の議決が休会明けの8月6日まで延期されたことや,ブラジル中銀が発表する経済見通しで、2019年末のGDP成長率が0.81%と20週連続で下落したことから,レアルが売られた。

 

5 株式市場

(1)7月のブラジルの株式相場(Ibovespa指数)は、年金制度改革を巡る楽観的な見通し,月末の中銀利下げ期待から概ね上昇し,終値は101,812ポイントとなった。

(2)月の前半は、年金制度改革を巡る報道、月末のFOMC及びブラジル中銀の利下げ期待から株価が上昇し,過去最高値である105,817ポイントを記録した。

(3)月の後半は,年金制度改革の下院2回目の議決が休会明けの8月6日以降となったこと,米中経済摩擦,中銀の発表する経済見通しでGDP成長率が下落し景気が底入れしたとの見方から,株価は下落し,月末終値は101,812ポイントとなった。