最近の経済情勢 2019年7月号

2019/7/9
ブラジル・マクロ経済情勢

(1)経済情勢等(6月発表の経済指標)
(2)経済政策等
(3)中銀の金融政策等
(4)為替市場
(5)株式市場

 

(1)経済情勢等(6月発表の経済指標)

(ア)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に関して、6月28日時点で、GDP成長率予測については、2019年は0.85%で先週0.87%から0.02%減少、2020 年は2.20%で先週と変わらず。インフレ率については、2019年は3.80%で先週3.82%から0.02%減少、2020年は3.91%で先週3.95%から0.04%減少。

(イ)4月の鉱工業生産指数は、前月比+0.3%、前年同月比▲3.9%を記録。

(ウ)4月の小売売上高は、前月比+0.6%、前年同月比1.7%を記録。

(エ)全国の失業率(3~5月の移動平均)は12.3%となり,前回の公表値(12.5%:2~4月の移動平均)より改善した。

(オ)5月の貿易収支は、輸出額は212.57億ドル(前年同月比+10.0%、前月比+7.74%)、輸入額は149.72億ドル(前年同月比+12.9%、前月比+9.88%)で、差引き62.85億ドル(前年同月比+3.64%、前月比+2.98%)となり、51か月連続で貿易黒字を記録した。

(カ)5月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で+0.13%となり,前月の+0.57%から減少した。12ヶ月の累計では4.66%となり,政府のインフレ目標(4.25%±1.5%)内の水準で推移している。

 

(2)経済政策等

(ア)6月8日~9日,G20財務大臣・中央銀行総裁会合が福岡で,G20貿易・デジタル経済大臣会合がつくばで開催され,閣僚級ではカンポス・ネト中央銀行総裁が前者に出席。同総裁は,7日に東京で開催されたG20『高齢化と金融包摂』ハイレベルシンポジウムにもパネリストとして登壇。

(イ)6月16日,レヴィ・BNDES(国立経済社会開発銀行)総裁が辞任し,17日,モンテザノ経済省民営化局副局長が後任として任命される。

(ウ)6月27日,中央銀行は四半期毎公表のインフレ報告書を発表し,2019年の経済成長率予測を0.8%に引き下げる(3月公表時は2.0%)。

(エ)6月28日,伯外務省,経済省,農務省は連名にて,EU・メルコスールFTAの交渉完了を発表。伯経済省の試算によれば当該協定により,15年間で伯のGDPが875億米ドル増加し,非関税障壁の削減及び生産性の向上を考慮した場合,1,250億米ドル増加する可能性があるとしている。

(オ)6月28日~29日,G20首脳会合が大阪で開催され,ボルソナーロ大統領が出席。安倍総理との間で日伯首脳会談が行われた。

 

(3)中銀の金融政策等

     金融政策委員会が6月18日及び19日に開催され、政策金利を年6.50%に据え置くことを決定。据え置きは10会合連続。次回会合は7月30日及び31日開催予定。

 

(4)為替市場

(ア)6月の為替レートは、1ドル=3.8~3.9レアル台で推移。

(イ)月の前半は、年金制度改革の進展によりレアルが買われる一方,レアル・ペソ統一構想や年金改革案対する政府と議会の対立が報じられると反発した。

(ウ)月の後半は、FOMCがハト派の立場を示して世界的なドル売り基調となったことや年金制度改革で楽観的な見方が広がり,一時は1ドル3.81レアル台となった。

 

(5)株式市場

(ア)5月のブラジルの株式相場(Ibovespa指数)は、年金制度改革を巡る楽観的な見通しや米国株の株高傾向の影響で月内を通じて概ね上昇し,初めて100,000ポイントを上回る終値となった。

(イ)月の前半は、年金制度改革を巡る報道で株価が一貫して上昇し,月半ばは98,000ポイントを上回った。

(ウ)月の後半は,前半に引き続き上昇傾向となり,FOMCのハト派姿勢表明や米国株の株高傾向の影響を受ける形で,一時は102,000ポイントを上回った。月末終値は,100,967ポイントを記録した。