最近の経済情勢 2019年6月号

ブラジル・マクロ経済情勢

(1)経済情勢等(5月発表の経済指標)
(2)経済政策等
(3)中銀の金融政策等
(4)為替市場
(5)株式市場

 

(1)経済情勢等(5月発表の経済指標)

(ア)中銀が週次で発表してるエコノミスト等への調査に関して、5月31日時点で、GDP成長率予測については、2019年は1.13%で先週1.23%から0.1%減少、2020 年は2.50%で先週と変わらず。インフレ率については、2019年は4.03%で先週4.07%から0.04%減少、2020年も4.00%で先週と変わらず。

(イ)3月の鉱工業生産指数は、前月比▲1.3%、前年同月比▲6.1%を記録。

(ウ)3月の小売売上高は、前年同月比+0.3%、前月比▲4.5%を記録。

(エ)全国の失業率(2~4月の移動平均)は12.5%となり,前回の公表値(12.7%:1~3月の移動平均)より改善した。

(オ)4月の貿易収支は、輸出額は196.99億ドル(前年同月比▲0.08%、前月比+8.42%)、輸入額は136.28億ドル(前年同月比▲1.19%、前月比+3.80%)で、差引き60.70億ドル(前年同月比+2.51%、前月比+20.45%)となり、50か月連続で貿易黒字を記録した。

(カ)4月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で+0.57%となり,前月の+0.75%から減少した。12ヶ月の累計では4.94%となり,政府のインフレ目標(4.25%±1.5%)内の水準で推移している。

 

(2)経済政策等

(ア)5月30日、政府は2019年第1四半期のGDP成長率を発表。前期比▲0.2%、前年同期比+0.5%。前期比でマイナスを記録するのは、2016年第4四半期以来。

(イ)5月22日、下院憲法・司法委員会で税制改革案(議員立法案)が承認。6月中旬以降、下院特別委員会での審議が始まる見込み。

(ウ)5月28日、省の数を29から22に削減する省庁編成に関する暫定措置令が上院で可決され、同令が成立。モーロ法務大臣が希望していた金融活動監視委員会(Coaf)の法務・治安省への移管は実現せず、引き続き経済省がCoafを管轄する事になった。

 

(3)中銀の金融政策等

     金融政策委員会が5月7日及び8日に開催され、政策金利を年6.50%に据え置くことを決定。据え置きは9会合連続。次回会合は6月18日及び19日開催予定。

 

(4)為替市場

(ア)5月の為替レートは、月央に年初来最安値となる1ドル=4.1レアル近くまでレアル安を更新した後、月末に1ドル=3.9レアルまで買い戻される値幅の大きい展開。

(イ)月の前半は、年金制度改革を巡る報道でレアルが売られた。米中貿易摩擦、政府高官の汚職疑惑、経済に対するネガティブな報道からレアルが大きく値を下げた。

(ウ)月の後半は、年初来最安値を記録した後、年金制度改革及び税制改革の承認ムードの高まりや、政府支援集会の開催,中銀の資本市場改革案等が好感を得たことからレアルが買い戻された。

 

(5)株式市場

(ア)5月のブラジルの株式相場(Ibovespa指数)は、米中貿易摩擦の悪化の影響を受けて月央にかけて株安へ向かい、90,000ポイントを割るも、月末にかけては買い戻しが進み、97,000ポイントまで値を戻した。

(イ)月の前半は、年金制度改革を巡る報道で株安傾向。米中貿易摩悪化の報を受け、投資家心理が悪化し、心理的節目となる90,000ポイントを割った。

(ウ)月の後半は、年金制度改革及び税制改革の承認ムードの高まりや、政府支援集会等を好感し、97,000ポイントまで値を戻した。