最近の経済情勢 2019年5月号

ブラジル・マクロ経済情勢

(1)経済情勢等(4月発表の経済指標)
(2)経済政策等
(3)中銀の金融政策等
(4)為替市場
(5)株式市場

 

(1)経済情勢等(4月発表の経済指標)

(ア)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に関して、4月26日時点で、GDP成長率予測については、2019年は1.70%で先週1.71%から0.01%減少、2020 年は2.50%で先週と変わらず。インフレ率については、2019年は4.01%で先週と変わらず、2020年も4.00%で先週と変わらず。

(イ)2月の鉱工業生産指数は、前月比+0.7%、前年同月比+2.0%を記録。

(ウ)2月の小売売上高は、前年同月比±0%、前月比+3.9%と2ヶ月連続の増加を記録。

(エ)全国の失業率(1~3月の移動平均)は12.7%となり,前回の公表値(12.4%:12~2月の移動平均)より悪化した。

(オ)3月の貿易収支は、輸出額は181.69億ドル(前年同月比▲10.18%、前月比+12.84%)、輸入額は131.30億ドル(前年同月比▲4.92%、前月比+4.04%)で、差引き50.40億ドル(前年同月比▲21.50%、前月比+44.78%)となり、49か月連続で貿易黒字を記録した。

(カ)3月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で+0.75%となり,前月の+0.32%から上昇した。12ヶ月の累計では4.58%となり,政府のインフレ目標(4.5%±1.5%)内の水準で推移している。

 

(2)経済政策等

(ア)4月23日、下院憲法・司法委員会にて、年金制度改革案が承認。修正箇所は4カ所のみで、政府が積算した歳出削減規模は1.1兆レアル(後日1.236兆レアルに修正)を維持。4月25日に下院特別委員会が設置され、今後同委員会で審議が行われる。

(イ)政府は、5つの連邦税を一元化する等の税制改革案及び2020年予算方針法案(PLDO2020)を議会へ提出。

(ウ)自営トラック運転手組合は、政府がトラック最低運賃の履行に関する監督を強化することと、ディーゼル油価格の調整法方法を変更することを約束した事で、ストライキを実施しないことに決定。4月29日から、新たな方法によってディーゼル油価格が調整されることになる。

 

(3)中銀の金融政策等

     金融政策委員会は5月7日及び8日に開催され,政策金利(Selic)を年率6.50%に据え置くことを決定。据え置きは9会合連続。

 

(4)為替市場

(ア)4月の為替レートは、前半は横ばい、後半にかけて年金制度改革の進捗状況を嫌気して、レアル売り傾向。月末は下院特別委員会の設置を受け、やや買い戻された。

(イ)月の前半は、下院憲法・司法委員会における年金制度改革の進捗や政治関連報道に上下するも、結果的に一定のレンジで推移。

(ウ)月の後半は、憲法・司法委員会での票決延期により、レアル売りが進行。24日には1ドル=3.9922レアルを記録。月末は下院特別委員会の迅速な設置により、レアルは買い戻された。

 

(5)株式市場

(ア)4月のブラジルの株式相場(Ibovespa指数)は、前半は年金制度改革に関する報道の影響を受け、上下する展開。後半は上昇傾向。当地では、既に新政権のハネムーン期間は終了したと報じられている。

(イ)月の前半は、年金制度改革に関する楽観的・悲観的な報道を受け、上下し、月央にかけて下落する展開。

(ウ)月の後半は、下院憲法・司法委員会での年金制度改革案の承認、下院特別委員会の迅速な設置等により、上昇傾向。