最近の経済情勢 2019年4月号

2019/4/16
ブラジル・マクロ経済情勢

(1)経済情勢等(3月発表の経済指標)
(2)経済政策等
(3)中銀の金融政策等
(4)為替市場
(5)株式市場

 

(1)経済情勢等(3月発表の経済指標)

(ア)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に関して、3月29日時点で、GDP成長率予測については、2019年は1.98%で2.0%を下回り、2020 年は2.75%で先週2.78%から0.03%減少。インフレ率については、2019年は3.89%で先週と変わらず、2020年も4.00%で先週と変わらず。

(イ)1月の鉱工業生産指数は、前月比▲0.8%、前年同月比▲2.6%と大幅に失速。

(ウ)1月の小売売上高は、前年同月比+1.9%で先月の+0.6%から増加したほか、前月比+0.4%と増加に転じた。

(エ)全国の失業率(12~2月の移動平均)は12.4%となり,前回の公表値(11~1月の移動平均)より悪化した。

(オ)2月の貿易収支は、輸出額は161.01億ドル(前年同月比▲7.52%,前月比▲13.50%)、輸入額は126.20億ドル(前年同月比▲12.43%,前月比▲22.99%)で,差引き34.81億ドル(前年同月比+16.08%,前月比+56.40%)となり,48か月連続で貿易黒字を記録した。

(カ)2月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で+0.43%となり,前月の+0.32%から上昇した。12ヶ月の累計では3.89%となり,政府のインフレ目標(4.5%±1.5%)内の水準で推移している。

 

(2)経済政策等

(ア)3月13日、下院に憲法司法委員会が設置され、議会での年金制度改革に係る審議が始まる。同委員会での評決は4月17日の予定。

(イ)OECDは2019年のブラジルの経済成長率を1.9%とした。昨年11月に発表した2.1%からの下方修正となる。2020年の経済成長率予想は2.4%で維持している。

(ウ)Ibopeが実施した世論調査の結果によると、ボルソナーロ政府を「最良又は良い」とした回答した割合は34%となり、1月の49%より15ポイント下落。同政府を「最悪又は悪い」との回答は24%で1月の11%より13ポイント上昇。第1期就任後3カ月目の支持率としては、カルドーゾ氏(41%)、ルラ氏(51%)、ジウマ氏(56%)と比較しても低水準であり、政権立て直しは急務となっている。

 

(3)中銀の金融政策等

     カンポス・ネト新総裁着任後、初となる金融政策委員会が3月19日及び20日に開催され、政策金利を年6.50%に据え置くことを決定。据え置きは8会合連続。次回は5月7日及び8日開催予定。

 

(4)為替市場

(ア)3月の為替レートは、年金制度改革に関する政治リスクが意識され、月末にかけてレアル安に推移。

(イ)月の前半は、カーニバル休暇が終わり、下院憲法司法委員会(CCJ)での審議開始を含む年金改革関連報道や、米中首脳会談の開催延期等により、1ドル=3.77~3.81レアルのレンジで推移。

(ウ)月の後半は、20日に軍人年金改革案が提示されるも、目立った値動きはなく、翌日21日のテメル元大統領逮捕や、マイア下院議長の消極的発言等、年金制度改革に関するネガティブな要素により、レアル売りが進んだ。

 

(5)株式市場

(ア)3月のブラジルの株式相場(Ibovespa指数)は、中旬にかけて大台の100,000ポイントに到達するも、その後は年金制度改革に関する不安感から月末にかけて値を下げる展開。

(イ)月の前半は、カーニバル休暇が終わり、年金制度改革の進展への期待感から株高の展開へ。100,000ポイントが目前に迫る。

(ウ)月の後半は、18日に大台の100,000ポイントを達成するも、十分でない軍人年金改革、テメル元大統領の逮捕、年金制度改革に関する政府要人の消極的発言や不協和が報じられ、月末にかけて値を下げる展開に。