最近の経済情勢 2020年3月号

令和2年3月23日

(1)経済情勢等(2月発表の経済指標)

(ア)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に関して、2月28日時点で、GDP成長率予測については、2020年は2.17%で先週より0.03%減少、2021年は2.50%で先週と変わらず。インフレ率については、2020年は3.19%で先週3.20%から0.01%減少、2021年は3.75%で先週と変わらず。

(イ)12月の鉱工業生産指数(季節調整済み)は、前月比▲0.7%、前年同月比▲1.2%となった(12ヶ月累積は▲1.1%)。第4四半期は▲0.6%、下半期は▲0.9%といずれも前年比で減少した。

(ウ)12月の小売売上高は、市場予測を下回って前月比▲0.1%、前年同月比+2.6%を記録した。

(エ)1月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で+0.21%となり、前月比▲0.14%、前年同月比▲0.94%と下落した。食品及び飲料品の指数が0.39%と12月の3.38%から大きく下落したことを主因に12ヶ月累計でも4.19%と前月比▲0.12%。

(オ)全国の失業率(11月~1月の移動平均)は11.2%となり、10~12月の移動平均値から0.2%上昇した。

(カ)1月の貿易収支は、17億4,500万レアルの赤字を記録し、2015年以降ではじめて、1月の貿易収支が赤字を記録。大豆が33.2%、トウモロコシが41%、コーヒーが12.3%それぞれ輸出減となった。

 

(2)経済政策等

(ア)伯政府は行政改革、財政改革及び税制改革の3つを今年の重要施策として取り組むとした。

(イ)2019年の実質GDPは1.1%。名目GDPは7兆3,000億円。2019年第4四半期のGDP成長率は、前期比+0.5%、前年同期比+1.7%。

(ウ)ゲデス大臣は2020年のGDP成長率は2%以上を期待すると発言。

 

(3)中銀の金融政策等

(ア)2月4日及び5日に開催された金融政策委員会にて、政策金利を0.25%引き下げ、年率4.25%とすることを決定。政策金利の引き下げは5会合連続。

(イ)次回会合は3月17日及び18日に開催予定。

 

(4)為替市場

     2月の為替レートは、4.2412~4.491レアル台で推移。新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済成長の減速懸念、企業収益への影響が不安材料となり、中銀のスワップオークションも行われたが、1ドル=4.5140レアルと史上最安値を更新。

 

(5)株式市場

     2月のブラジルの株式相場(IBOVESPA)は、102,984~116,674ポイントで推移。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全世界的にリスクオフ相場となり、一時100,000ポイントを割り込み99,951ポイントまで下落。