最近の経済情勢 2018年2月号
平成30年2月7日
ブラジル・マクロ経済情勢
(1)経済情勢等(1月発表の経済指標)
(2)経済政策等
(3)中銀の金融政策等
(4)為替市場
(5)株式市場
(イ)12月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で0.44%となり,前月の0.28%から上昇した。また,2017年のIPCAは2.95%となり,政府のインフレ目標(4.5%±1.5%)の下限値を下回った。
(ウ)11月の鉱工業生産指数は,前年同月比+4.7%で7か月連続でプラスを記録したほか,前月比では+0.2%となり,3か月連続でプラスを記録した。
(エ)12月の貿易収支は,輸出額は175.95億ドル(前年同月比+10.4%,前月比+5.5%),輸入額は125.98億ドル(前年同月比+9.3%,前月比▲4.1%)で,差引き49.98億ドル(前年同月比+13.2%,前月比+41.2%)となり,34か月連続で貿易黒字を記録した。また,2017年通年の輸出額は2,177.39億ドル(前年比+17.5%),輸入額は1,507.49億ドル(前年比+9.6%)で,差引き669.90億ドル(前年比+40.5%)となり,貿易黒字額は2016年に続いて過去最高を2年連続で更新した。
(オ)11月の小売売上高は,前年同月比+5.9%で8か月連続でプラスを記録したほか,前月比では+0.7%となり,2か月ぶりにプラスに転じた。
(カ)全国の失業率(10~12月の移動平均)は11.8%となり,前回の公表値(9~11月の移動平均)から0.2%下落して9か月連続で改善した。
(イ)1月11日,格付会社S&P社は,ブラジルの長期国債(外貨及び内貨建て)の格付けを"BB"から"BB-"(投資適格級から3段階下の格付け)に1段階引下げるとともに,格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更した。
(ウ)1月11日,財務省は,S&P社による格下げについて,連邦政府としては,年金制度改革,税制上の優遇措置,財政再建,公務員の給与改定時期の延期など,ブラジル経済の持続的な成長と長期的な財政収支の長期的な確保に貢献する取り組みを行うことを再確認したとのプレスリリースを発表した。
(エ)1月12日,ブラジル証券取引委員会(CVM)は,機関投資家に対してビットコイン等の暗号通貨(cryptocurrency)の直接投資を禁止するガイドラインを発表した。
(イ)1月10日,ゴールドファイン中銀総裁は,2017年のインフレ率(IPCA)が2.95%となり,政府のインフレ目標(4.5%±1.5%)の許容範囲を下回った理由について,国家通貨審議会(CMN)の議長を務めるメイレレス財務大臣に対して公開書簡を提出し,記録的な豊作等の影響により外食を除く食料費(▲4.85%)がデフレとなったことを挙げた。
(イ)月の前半は,原油価格の上昇や世界的なリスクオンの基調を背景に,1ドル=3.2レアル台で堅調に推移した。
(ウ)月の後半は,堅調な流れが継続した後,24日のルーラ元大統領の二審有罪判決を受けてリスクオンの動きが強まり,1ドル=3.14レアル台までレアルは上昇した。月末は1ドル=3.1875レアルで取引を終えた(前月比3.8%のドル安・レアル高)。
(イ)月の前半は,原油価格の上昇や世界的な株高の流れを受けて堅調に推移し,株価指数は過去最高を更新して79,000ポイント台まで上昇した。
(ウ)月の後半は,企業決算への期待から上昇基調が強まり,株価指数は節目となる80,000ポイントを突破した後,24日のルーラ元大統領の二審有罪判決を受けてリスクオンの動きが更に強まり,株価指数は史上最高の85,000ポイント台まで急上昇した。月末の株価指数は84,912.70ポイントとなり,前月比+11.1%の大幅な上昇となった。
(1)経済情勢等(1月発表の経済指標)
(2)経済政策等
(3)中銀の金融政策等
(4)為替市場
(5)株式市場
(1)経済情勢等(1月発表の経済指標)
(ア)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に基づくGDP成長率予測に関し,1月26日時点では,2018年のGDP成長率は2.66%で先週から下方修正,2019年のGDP成長率は3.00%とされた。また,2018年のインフレ率見通しは3.95%で3週連続の横ばい,2019年のインフレ率見通しは4.25%とされた。(イ)12月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で0.44%となり,前月の0.28%から上昇した。また,2017年のIPCAは2.95%となり,政府のインフレ目標(4.5%±1.5%)の下限値を下回った。
(ウ)11月の鉱工業生産指数は,前年同月比+4.7%で7か月連続でプラスを記録したほか,前月比では+0.2%となり,3か月連続でプラスを記録した。
(エ)12月の貿易収支は,輸出額は175.95億ドル(前年同月比+10.4%,前月比+5.5%),輸入額は125.98億ドル(前年同月比+9.3%,前月比▲4.1%)で,差引き49.98億ドル(前年同月比+13.2%,前月比+41.2%)となり,34か月連続で貿易黒字を記録した。また,2017年通年の輸出額は2,177.39億ドル(前年比+17.5%),輸入額は1,507.49億ドル(前年比+9.6%)で,差引き669.90億ドル(前年比+40.5%)となり,貿易黒字額は2016年に続いて過去最高を2年連続で更新した。
(オ)11月の小売売上高は,前年同月比+5.9%で8か月連続でプラスを記録したほか,前月比では+0.7%となり,2か月ぶりにプラスに転じた。
(カ)全国の失業率(10~12月の移動平均)は11.8%となり,前回の公表値(9~11月の移動平均)から0.2%下落して9か月連続で改善した。
(2)経済政策等
(ア)1月10日,銀行大手のブラジル・サンタンデール銀行は,BRICS5か国が出資する新開発銀行(NDB)とブラジル国内のインフラプロジェクトへの融資で提携すると発表した。(イ)1月11日,格付会社S&P社は,ブラジルの長期国債(外貨及び内貨建て)の格付けを"BB"から"BB-"(投資適格級から3段階下の格付け)に1段階引下げるとともに,格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更した。
(ウ)1月11日,財務省は,S&P社による格下げについて,連邦政府としては,年金制度改革,税制上の優遇措置,財政再建,公務員の給与改定時期の延期など,ブラジル経済の持続的な成長と長期的な財政収支の長期的な確保に貢献する取り組みを行うことを再確認したとのプレスリリースを発表した。
(エ)1月12日,ブラジル証券取引委員会(CVM)は,機関投資家に対してビットコイン等の暗号通貨(cryptocurrency)の直接投資を禁止するガイドラインを発表した。
(3)中銀の金融政策等
(ア)1月は政策金利(Selic)を決定する中銀の金融政策委員会(Copom)は開催されていない。次回会合は、2月6・7日に開催予定。(イ)1月10日,ゴールドファイン中銀総裁は,2017年のインフレ率(IPCA)が2.95%となり,政府のインフレ目標(4.5%±1.5%)の許容範囲を下回った理由について,国家通貨審議会(CMN)の議長を務めるメイレレス財務大臣に対して公開書簡を提出し,記録的な豊作等の影響により外食を除く食料費(▲4.85%)がデフレとなったことを挙げた。
(4)為替市場
(ア)1月のドル・レアル為替相場は,原油価格の上昇や世界的なリスクオンの基調を背景に堅調に推移した後,ルーラ元大統領の二審有罪判決を受けてレアルは上昇する展開となった。(イ)月の前半は,原油価格の上昇や世界的なリスクオンの基調を背景に,1ドル=3.2レアル台で堅調に推移した。
(ウ)月の後半は,堅調な流れが継続した後,24日のルーラ元大統領の二審有罪判決を受けてリスクオンの動きが強まり,1ドル=3.14レアル台までレアルは上昇した。月末は1ドル=3.1875レアルで取引を終えた(前月比3.8%のドル安・レアル高)。
(5)株式市場
(ア)1月のブラジルの株式相場(Ibovespa指数)は,為替市場と同様に原油価格の上昇や世界的なリスクオンの基調を背景に堅調に推移した後,ルーラ元大統領の二審有罪判決を受けて大幅に上昇する展開となった。(イ)月の前半は,原油価格の上昇や世界的な株高の流れを受けて堅調に推移し,株価指数は過去最高を更新して79,000ポイント台まで上昇した。
(ウ)月の後半は,企業決算への期待から上昇基調が強まり,株価指数は節目となる80,000ポイントを突破した後,24日のルーラ元大統領の二審有罪判決を受けてリスクオンの動きが更に強まり,株価指数は史上最高の85,000ポイント台まで急上昇した。月末の株価指数は84,912.70ポイントとなり,前月比+11.1%の大幅な上昇となった。