海外安全対策情報・令和2年度第2四半期
令和2年10月16日
1.社会・治安情勢
ブラジリアでは、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、本年5月以降、各罪種とも発生件数は減少している。これは、商業施設や飲食店等の休業、学校の閉鎖等社会的隔離措置により、街中の人出が減少したことに関係していると考えられる。街中での発生件数が多い犯罪について、5月~9月の発生件数を昨年の同時期と比べてみると、路上強盗は40,5%減、車上ねらいは42,9%減と、いずれも大幅に減少している。但し、発生件数自体が元々多く、例えば、強盗については、日本全国で昨年1年間に発生した件数(1,511件)よりも多い事件が、わずかひと月でブラジリアにて発生している(7月1,607件)ことを忘れてはならない。また、ブラジリアでは、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等又はそれ以上である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、路上強盗のほか、車上ねらい,自動車盗,薬物密売等の犯罪が日常的に発生している。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)連邦区公安局による5月~8月の犯罪統計によれば、連邦区における殺人事件の発生件数は前年同期比-11.7%を記録し、各種強盗(歩行者強盗、住居強盗、自動車強盗等)はいずれも前年同期比で減少を記録する等、犯罪発生件数は全体的に減少傾向が継続しているものの、依然として幹線道路沿いやショッピングセンター、バスターミナル、バス停等、市民の身近な場所で、各種犯罪が発生している。特に財産犯のうち半数以上を占める歩行者強盗は、多くの場合、携帯電話が狙われていることから、路上における携帯電話の使用(いわゆる「歩きスマホ」)は、避けるべきである。なお、強盗犯罪の特徴として、殆どのケースで拳銃等の凶器が使用されており、抵抗すると生命に危険が及ぶため、「生命の安全を第一」に考えて行動する必要がある。
(2)邦人が多い地域での窃盗被害事案
9月19日(土)午後0時30分頃~同1時30分頃までの間、邦人も利用するブラジリア中心地のアザノルチ地区の商店街での昼食中、近くに駐車してあった車の窓ガラスを壊され、車内から現金等、所持品を窃取されたもの。被害者は日系人である。