連邦直轄区議会による新型コロナウイルス感染症拡大防止法の制定

2020/6/17

<ポイント>

◎連邦直轄区議会は,新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とした法律(6月4日施行)を制定したところ,主要点は以下のとおりです。

・呼吸器系症状のある者,及びその同一住所に居住している者は,無症状であっても最大14日間に亘り自宅で隔離されなければならない。

・外国からの旅行者,主にスペイン,イタリア,フランス,イラン,韓国,中国,米国といった各国から帰国した者は,自覚症状がなくとも,14日間に亘り自主隔離を継続しなければならない。

・隔離に違反した外国からの旅行者は刑事責任を負う。

 

<本文>

●連邦直轄区議会は,新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とした法律を制定しました(6月4日施行)。

(制定された法律はこちら:http://www.sinj.df.gov.br/sinj/Norma/eb9372ef60af435da85cf3c9c239ff66/Lei_6589_25_05_2020.html

 

上記法律の要点は以下のとおりです。

 

2020年5月25日付法律第6,589号

第1条 本法律は,Covid-19パンデミックによる公衆衛生上の緊急事態に対処するために採用できる措置を規定する。

単項 本法律で定められた措置は,地域社会の保護を目的とする。

 

第2条 本法律においては,以下のように定義される:

(1)隔離:コロナウイルスによる汚染または拡散予防を目的とした,発症者または感染者,或いは他から影響を受けた荷物,輸送手段,商品または郵便小包を分離すること。

(2)検疫:コロナウイルス感染や拡散の可能性防止を目的とした,活動の制限,またはコロナウイルス感染が疑われる者を非感染者から分離すること,或いは,コロナウイルス汚染の疑いがある荷物,コンテナ,動物,輸送手段又は商品を分離すること。

単項 2020年1月30日付政令第10,212号の附属文書に含まれる国際衛生規則第1条に定められた定義を,本法律の規定に適宜適用するものとする。

 

第3条 コロナウイルスによる国際的に重要な公衆衛生上の緊急事態に対処するため,次の措置を講ずることができる。

(1)隔離

(2)検疫

(3)以下の強制的実施の決定

a) 医療検査

b) ラボ医療試験

c) 検体の収集

d) 予防接種及びその他の予防措置

e) 特定の医療処置

(4)感染症学上の研究及び調査

(5)遺体の掘り起こし,検死,火葬,遺体管理

(6)遺体輸送の要請及び許可

(7)連邦直轄区からの例外的且つ一時的な道路及び空港による出入の制限

第1項  本条に規定する措置は,健康に関する科学的根拠及び戦略的情報の分析に基づき,公衆衛生の向上と保全のため必要最小限の時間と範囲に限り施行することができる。

 

第2項  本条に規定する措置の影響を受ける者には,以下が保障される。

(1)自身の健康状態について,恒久的に情報を得る権利,並びに家族が規定の支援を受ける権利。

(2)無料で治療を受ける権利。

(3)2020年政令第10,212号附属書にある国際衛生規則第3条で提唱されている尊厳,人権,基本的自由の完全な尊重。

 

第3項 本条に規定する措置により生じた公務又は民間就業における欠勤は,正当な休業とみなす。

 

(第4条:削除)

 

第5条 すべての者は,以下を保健当局に至急連絡することに協力しなければならない。

(1)コロナウイルス感染因子と接触した可能性。

(2)コロナウイルス汚染地区と考えられる地域の通行。

 

第6条 コロナウイルスによる感染拡大防止を唯一の目的とし,コロナウイルス感染者又は感染の疑いのある者の必要不可欠な人定事項を行政機関及び当局間で共有することを義務付ける。

第1項 本条における義務とは,保健当局から情報を請求された場合,私法上の法人にも及ぶ。

第2項 連邦直轄区保健局は,個人情報の機密保持の権利を保護しつつ,公衆衛生における緊急事態に関し,感染が確定している者,感染が疑われる者及び調査中の者に関するデータ及び最新データを維持しなければならない。

 

第7条 保健当局がコロナウイルスの集団感染を宣言した場合,以下の措置を講じなければならない。

(1)呼吸器系症状のある者,及びその同一住所に居住している者は無症状であっても,最大14日間自宅で隔離されなければならない。

(2)外国からの旅行者は実際の健康状態を申告し,「衛生に関する誓い」を行わなければならない。

(3)外国からの旅行者,主にスペイン,イタリア,フランス,イラン,韓国,中国,米国といった各国から帰国した者は,自覚症状がなくとも自主隔離を14日間,継続しなければならない。

(4)隔離に違反した外国からの旅行者は刑事責任を負う。

(5)COVID-19の感染性抑制に必要な措置について,さまざまな伝達手段による広報を行わなければならない。

(6)業務再編成支援として,医療チームに対する継続的教育を実施しなければならない。これらの知識は,日々の行動,知識の更新,健康管理の3レベル(当館注:レベル1-予防,2-専門治療,3-手術とリハビリテーション)における新しい情報の取得に必要。

 

第8条 公立及び私立医療機関の管理者は,個人防護具-PPE(Personal protective equipment)を医療従事者に提供する義務がある。

第1項 公衆衛生上の緊急事態期間中,感染した可能性のある者と直接接触する医療従事者の状態は,最大レベルの不健康状態とみなされる。

第2項 本法律が遵守されない場合,医療従事者には事後の賠償請求権が保障される。

 

(第9条:削除)

 

第10条 本法律は,その公布の日付をもって施行し,人々の移動制限を含む連邦直轄区政府によるCovid-19感染防止対策実施期間中に亘り有効である。