最近の経済情勢 2020年5月号

2020/5/25

1 経済情勢報告(4月発表の経済指標)

(1)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査(フォーカス調査)によれば、4月30日時点で、GDP成長率予測については、2020年は▲3.76%で先週より0.42%減少、2021年は3.20%で先週より0.2%上昇。インフレ率については、2020年は1.97%で先週2.20%から0.23%減少。

(2)3月の鉱工業生産指数(季節調整済み)は、前月比▲9.1%,トラック運転手ストライキに伴う生産の落ち込みを記録した2018年5月以降で最も大きな減少となった。前年同月比▲3.8%,12ヶ月累積では▲1.0%。 

(3)3月の小売売上高は、前月比▲2.5%,前年同月比は▲1.2%,直近11ヶ月連続して増加した後初めて減少に転じた。

(4)4月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月では▲0.31%となり,前月比▲0.41%と下落した。

(5)全国の失業率(1月~3月の移動平均)は12.2%となり、12~2月の移動平均値から0.4%上昇した。平均賃金は2,398レアル。失業者(1,290万人)は前四半期比+10.5%と増加した。

(6)4月の貿易収支は67億ドルの黒字で前月比+24.5%,同月としては2017年以来の高水準となった。

(7)4月の自動車生産台数は,新型コロナウイルス感染拡大による国内自動車工場の生産停止の影響を受けて,1,847台で前月比▲99%,前年同月比▲99.4%となった。

 

2 経済政策等

(1)2日,低所得者への救済措置である「非正規労働者への臨時給付に関する法律」が施行された。また,7日,経済省は,新型コロナウイルス感染拡大を受けての非正規労働者に対する600レアルの現金給付(緊急支援)に関する特設ページを設けて,同施策の詳細,支払方法等について発表した。

(2)12日,世界銀行は,新型コロナウイルスのラテンアメリカ及びカリブ地域の経済への影響についての報告書を公表,2020年の伯経済成長について▲5.0%と予測した。更に,14日,IMFは世界経済見通し(WEO)において2020年の伯経済成長率見通しを▲5.3%と公表した。

(3)22日,伯政府は,「Pro Brasil Program」を発表した。「Pro Brasil」は,新型コロナウイルスの社会経済への影響を軽減することを目的とするプログラムであり,政府主導によるインフラへの投資等を内容とする。

(4)27日,ボルソナーロ大統領は,ゲデス経済大臣,クリスティーナ農務大臣,カンポスネト中銀総裁等と会談後の会見で,パンデミックへの対応について,人命を救い雇用を維持するとの意思を強調した。また,ブラジル経済を決定する者はただ一人,ゲデス経済大臣であると発言した。

 

3 為替市場

4月の為替レートは、4.48~5.26レアル台で推移。新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済減速懸念のなか,OPECプラスでの原油減産合意があり,一時5.05レアル台までレアル高が進行。しかし,政策金利(Selic)の引下げ予想,モーロ法務・治安大臣の辞任を受けて,5.7475レアルと史上最安値を更新した。

 

4 株式市場

4月のブラジルの株式相場(IBOVESPA)は、62,818~108,566ポイントで推移。2月下旬より始まった下落は一旦収まり,月を通じて70,000ポイント台後半で安定推移した。国内の政治状況を受けて一時下落する局面があったが,STF(連邦最高裁)が大統領による連邦警察への政治的干渉の疑いに関して捜査を承認したことでリスクが緩和され,IBOVESPA指数は80,000ポイント台を回復。